Notre-Dame de Paris / Ballet de l’Opéra national de Paris, 2021

noimage

振付:ローラン・プティ
出演:アマンディーヌ・アルビッソン、ステファン・ビュリョン ほか
収録:2021年3月30日,4月1日 パリ・オペラ座 バスチーユ / 87分

録画

プレミアムシアターで録画。今年春に収録されたものが早速見られるのはありがたいですね。


クレジット

振付・演出
ローラン・プティ Roland Petit
音楽
モーリス・ジャール Maurice Jarre
原作
ヴィクトル・ユゴー Victor Hugo
舞台美術
ルネ・アリオ René Allio
衣裳
イヴ・サン・ローラン Yves Saint Laurent
照明
ジャン・ミシェル・デジレ Jean-Michel Désiré
指揮
ジャン・フランソワ・ヴェルディエ Jean-François Verdier
演奏
パリ・オペラ座管弦楽団 Orchestre de l’Opéra national de Paris
撮影
François-René Martin

キャスト

エスメラルダ:アマンディーヌ・アルビッソン Amandine Albisson
カジモド:ステファン・ビュリョン Stéphane Bullion
フロロ:マチアス・エイマン Mathias Heymann
フェビュス:フロリアン・マニュネ Florian Magnelet

感想

アルビッソンの語る美脚。プティ作品は美脚の人がうまく踊ればいいというわけではなくて、それが語ってこそ伝わるものがあるのですよね。それと、人のよさそうな彼女がエスメラルダを演じることで、彼女が時代と男たちに翻弄されている様が浮き彫りに。腰に手をあてて脚のラインを強調するあのポーズは、”自分の人生は自分で支配する”というエスメラルダの強さを表すのだと思っていたけれど、アマンディーヌは割とソフトに見得を切るせいか、運命の手のひらでもて遊ばれているようにも感じました。

その結果として、カジモドとの彼女の周囲にいる男たちの個性というか思惑もまた伝わりやすくなっているのが面白い。もちろん彼らの熱演があってこそで、特にマニュネのフェビュスには特筆ものの軽薄さがあって感心してしまいました。マチアスのフロロも、絶対の存在である聖職者としての傲慢さとままならない状況への葛藤と自制とがあり、群衆への説教?も嫉妬の感情もあの踊りだからこそ説得力があるのですよね。鬼気迫る大熱演。

ビュリオンのカジモドは肩をいからせた例のポーズはあまり強調していなくて、そのため異形の人というよりは、感情を持たない空虚さが人々を恐れさせているかのようでもありました。エスメラルダと心が通ってからは、心に灯がともったような暖かさ。その彼がフロロを激しい怒りで絞め殺してしまうところに悲劇が収束するのがつらい。

過去に見た時には気づかなかったことがたくさんあって、改めてプティの振付の面白さを知った気がします。