Force of Nature NATALIA

ナタリア・オシボア フォース・オブ・ネイチャー(ドキュメンタリー、日本語字幕)[DVD, 日本語解説付き]

監督:ゲリー・フォックス
出演:ナタリア・オシポワ ほか
収録:2019年 / 82分

画像リンク先:amazon.co.jp - 国内仕様DVD

昨年制作されたナタリア・オシポワのドキュメンタリーがDVD/Blu-ray化されたので早速見ました。彼女のオープンハートで聡明なところがよくわかるし、近年の創作活動をたっぷり見せてくれるので、前のめりで見入ってしまいました。


商品情報

字幕:日本語 / 英語 / 仏語 / 独語 / 韓国語

海外|DVD(Opus Arte:OA1307D / Naxos Japan:NYDX50073)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2020/02/28

[海外盤] Release: 2020/02/28

海外|Blu-ray(Opus Arte:OABD7269D / Naxos Japan:NYDX50074)

[国内仕様盤] Release: 2020/02/28

[海外盤] Release: 2020/02/28

クレジット

監督
ゲリー・フォックス Gerry Fox
出演
ナタリア・オシポワ Natalia Osipova
ジュディス・マックレル Judith Mackrell, Dance Critic
サラ・クロンプトン Sarah Brompton, Dance Critic
ナタリア・マカロワ Natalia Marakova, Prima Ballerina and Choreographer
ケビン・オヘア Kevin O’Hare, Director, The Royal Ballet
ジョナサン・ゴダード Jonathan Goddard
アーサー・ピタ Arthur Pita, Choreographer
ジェイソン・キッテルバーガー Jason Kittelberger
シディ・ラルビ・シェルカウイ Sidi Larbi Cherkaoui
演目(全て抜粋)
  • 『Two Feet』 Two Feet

    振付:メリル・タンカード Meryl Tankard
    音楽:アドルフ・アダン Adolphe Adam, Music from Giselle

  • 『ラ・バヤデール』ロイヤル・バレエ La Bajadère by The Royal Ballet

    振付:ナタリア・マカロワ Nikiya Natalia Makarova after Marius Petipa
    音楽:ルートヴィヒ・ミンクス Ludwig Minkus
    共演:セザール・コラレス Cesar Corrales / マリアネラ・ヌニェス Marianela Nuñez / ワディム・ムンタギロフ Vadim Muntagirov

  • 『ドン・キホーテ』ボリショイ・バレエ Don Quixote by Bolshoi Ballet

    振付:マリウス・プティパ Marius Petipa
    音楽:ルートヴィヒ・ミンクス Ludwig Minkus
    courtesy of the Osipova family

  • 『白鳥の湖』ボリショイ・バレエ Swan Lake by Bolshoi Ballet

    振付:マリウス・プティパ Lev Ivanov
    音楽:P.I.チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky
    courtesy of the Osipova family

  • 『白鳥の湖』ロイヤル・バレエ Swan Lake by the Royal Ballet

    振付:アンソニー・ダウエル Anthony Dowell after Lev Ivanov and Marius Petipa
    音楽:P.I.チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky
    共演:マシュー・ゴールディング Matthew Golding

  • 『ジゼル』ロイヤル・バレエ Giselle by the Royal Ballet

    振付:ピーター・ライト Peter Wright production, Marius Petipa after Jean Coralli and Jules Perrot
    音楽:アドルフ・アダン Adolphe Adam
    共演:カルロス・アコスタ Carlos Acosta

  • 『フラッター』 Flutter

    振付:イバン・ペレス Ivan Perez
    音楽:ニコ・マーリー Nico Mulhy
    照明:Nigel Edwards
    衣装:Christina Cunningham
    共演:ジョナサン・ゴダード Jonathan Goddard

  • 『マザー』 The Mother

    振付:アーサー・ピタ Arthur Pita
    音楽:Frank Moon with Dave Price
    Production Design:Yann Sebra
    照明:David Plater
    共演:ジョナサン・ゴダード Jonathan Goddard

  • 『ファカダ』 Facada

    振付:アーサー・ピタ Arthur Pita
    音楽:Frank Moon
    共演:ジェイソン・キッテルバーガー Jason Kittelberger

  • 『アイム・ファイン』 I’m Fine

    振付:ジェイソン・キッテルバーガー Jason Kittelberger / ナタリア・オシポワ Natalia Osipova
    音楽:Nils Frahm
    共演:ジェイソン・キッテルバーガー Jason Kittelberger

  • 『メデューサ』 Medusa

    振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ Sidi Larbi Cherkaoui
    音楽:ヘンリー・パーセル Henry Purcell
    共演:オリヴィア・カウリー Olivia Cowley

感想

ロイヤル・バレエでの5年目のシーズンを迎えたナタリア・オシポワのドキュメンタリー。2019年6月ロンドンでの「The Mother」公演に合わせるように公開された映画で、撮影から公開まで結構なスピードだったのではないかと思います。公開時に観客が見たいと思っていたであろう最新のオシポワがいる、と思いました。少し前の彼女ではなく。

日本の販売代理店提供による収録演目にはメリル・タンカード振付の「Two Feet」は書いていないのですが、DVD/Blu-rayのリーフレットには記載があり、、そして私も本編で見た覚えがなく「???」となりながら再度確認したところ、オープニングにほんのちょっとだけフッテージがありました。あ、そうでしたか。ほんの一瞬の映像でも凄いエネルギーだったから、もっと長く見たかったかも。でも、ドキュメンタリーの尺や全体のバランスは、現在のものでちょうどいいとは思うのですが。

ロイヤル・バレエのスタジオにナタリア・マカロワを迎えての「ラ・バヤデール」の稽古は、DVD/Blu-ray化されたキャストとは逆の、オシポワ=ニキヤ、ヌニェス=ガムザッティが少し見られます。一番長いのはソロル役のコラレスとのリハーサルなのですが、マカロワの指導でオシポワの踊りがみるみる変わっていくのが見てとれます。リハーサル映像はいつも興味深いですね。スタジオでのリハーサル、立ち役のおじさまたちまでいて、後ろを見るのも楽しいです。

子供時代からボリショイ入団、ABTやフリーランスで踊っていた頃、ロイヤル入団の経緯などはオシポワのインタビューにて。ボリショイをワシーリエフと一緒に退団した頃は早まったことを…と驚いたけれど、結局彼女は自分が踊りたいものを掴みとりながら、自分の決断が正しいことを証明してきたのですよね。ケヴィン・オヘアのインタビューからも、予想よりずっとlovelyな形でオシポワの素顔が見えた気がします。バレエ学校やボリショイでの映像はオシポワ所有のアーカイブとのこと。

この映画の真価は「フラッター」以降にある、と思います。「フラッター」はジョナサン・ゴダードと、流れるように様々にリフトしつつ踊るもので、スタジオで音楽なしで踊ると、二人の呼吸とシューズと床が軋む音だけが響いて、なんだかとてもセンシュアル。そして、そのハードさにも臨場感がありました。オシポワくらい身体の強い人じゃないと、あの振付を流れるようには踊れない気がする。

同じくゴダードとの「マザー」はダークでセンセーショナルな作品だけど、アーサー・ピタとの制作風景は時にユーモラスで面白い。ピタとオシポワの相性がいいというのは、ダンス界へのギフトだなあと思います。「ファカダ」もアーサー・ピタ振付作品で、「ジゼル」を踊る彼女を見て、その逆の物語をつくりたいと思ったとのこと。夫の裏切りを許さない妻の物語、ということで怖いけどどこかユーモラス。これ元々はワシーリエフと踊っていましたよね。フィアンセのキッテルバーガーと一緒に踊るのは初めて見たのですが、彼もとてもチャーミングなダンサーでした。どちらと踊るのも断片しか見たことないけど、キッテルバーガーと一緒に踊るほうが好きかな…。

振付家でもあるキッテルバーガーとは、「アイム・ファイン」の制作風景も。インスピレーションを与えあってダンスの形を明確にしていく様子から公私ともに二人の関係がとてもよいのがわかって、こちらも幸せになりました(インスタで二人ともふもふの犬たちの暮らしを垣間見るのも好き)。「将来別れちゃうかもしれないし」って冗談込みでオシポワが言ったときにキッテルバーガーが「何てことを…!」って感じのリアクションをしたのが、またかわいかったです。

そして最後は「メデューサ」。シェルカウイも彼女と仕事ができて楽しそうだし、シェルカウイとカンパニーの仕事ぶりが垣間見られるのもよかったです。オシポワとカウリーの後ろで、セカンドキャストの茜さんと扶生さんが振りをなぞっているのですが、その取り組み方やファーストキャストとの違いもすごく面白い。

オシポワにとっては「ロミオとジュリエット」も「白鳥の湖」や「ジゼル」と同じ過去作品で、振付家と一緒に制作に関わることができるのは特別だという言葉。振付家と新作をつくる体験の特別さはどのダンサーも口にすることだけれど、ボリショイを飛び出して道を模索してきた彼女が言うと強度があります。と同時に、彼女の踊りがこの数年でぐっと変わってきたことの理由も、このドキュメンタリーに詰まっている気がしました。オシポワを苦手だと思っている方にも、ぜひ見ていただきたいです。きっと印象が変わりますよ。

なお、アーサー・ピタ振付「マザー」は、DVD/Blu-rayがリリースされるそうです。これは楽しみ!


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ナタリア・オシポワの芸術(更新日:2020/08/15)

海外|DVD(Opus Arte:OA-1323BD)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2020/09/25

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[海外盤] Release: 2020/09/25


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Official Trailer

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この記事の更新履歴

  • 2020.08.16 - Opus Arte「ナタリア・オシポワの芸術」DVD/Blu-ray Box 追加