The Nutcracker / The Royal Ballet, 2018
振付:ピーター・ライト
出演:マリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフ 他
収録:2018年12月3日 ロイヤル・オペラ・ハウス / 本編107分 + 特典映像9分
画像リンク先:amazon.co.jp - 国内仕様DVD
ロイヤル・シネマでも上演された2018年のロイヤル・バレエ「くるみ割り人形」がDVD/Blu-ray化されました。シネマ中継を導入してからROHはキャスト違いもどんどんDVD/Blu-rayにしてくれるのが嬉しいです。今回はマリアネラ・ヌニェス、ワディム・ムンタギロフの主演ペアに、クララとハンス・ペーターがアナ・ローズ・オサリバンとマルセリーノ・サンベというキャスト。同期入団で仲がよいという二人とダーシー・バッセルがブリッジ・オブ・アスピレーションを渡ってバレエ学校の生徒たちに会いに行く特典映像もあります。
商品情報
- 海外|DVD(Opus Arte:OA-1290D)
FORMAT:NTSC / REGION:0
[国内仕様盤]NAXOS JAPAN : NYDX-50035 / Release: 2019/09/27
[海外盤] Release: 2019/09/27
- 海外|Blu-ray(Opus Arte:OABD-7259D)
[国内仕様盤]NAXOS JAPAN : NYDX-50036 / Release: 2019/09/27
[海外盤] Release: 2019/09/27
クレジット
- 振付・演出
- ピーター・ライト Peter Wright
- 元振付
- レフ・イワノフ Lev Ivanov
- 元脚本
- マリウス・プティパ Marius Petipa
- 音楽
- ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky
- 原作
- E.T.A.ホフマン E.T.A. Hoffmann
- 美術
- ジュリア・トレヴェリアン・オーマン Julia Trevelyan Oman
- 照明
- マーク・ヘンダーソン Mark Henderson
- 演出指導
- クリストファー・カー Christopher Carr
- 指揮
- バリー・ワーズワース Barry Wordsworth
- 演奏
- ロイヤル・オペラハウス管弦楽団 Orchestra of the Royal Opera House
- 合唱指揮
- Charles Cole
- 合唱
- London Oratory Junior Choir
The School Cantorum of The London Oratory School - 映像
- ロス・マクギボン Ross MacGibbon
キャスト
ドロッセルマイヤー:ギャリー・エイヴィス Gary Avis
クララ:アナ・ローズ・オサリヴァン Anna Rose O’Sullivan
ハンス・ピーター(ドロッセルマイヤーの甥)/くるみ割り人形:マルセリーノ・サンベ Marcelino Sambé
金平糖の精:マリアネラ・ヌニェス Marianela Nuñez
王子:ワディム・ムンタギロフ Vadim Muntagirov
- 第1幕
-
Drosselmeyer’s Assistant:David Yudes
Maiden Aunts:Caroline Jennings / Susan Nye
Housekeeper:Barbara Rhodes
Dr Stahlbaum:Christopher Saunders
Mrs Stahlbaum:Elizabeth McGorian
Fritz:Amos Child
Clara’s Partner:Luca Acri
Grandmother:Hannah Grennell
Grandfather:Alastair Marriott
Dancing Mistress:Kristen McNally
Captain:Benett Gartside
Harlequin:Benjamin Ella
Columbine:Elizabeth Harrod
Soldier:Paul Kay
Vivandière:Meaghan Grace Hinkis
St Nicholas:Joonhyuk Jun
Mouse King:Nicol Edmonds - 第2幕
-
Spanish dances:Kristen McNally / Nicol Edmonds / Annette Buvoli / Erico Montes / Hannah Grennell / Tomas Mock
Arabian dances:Melissa Hamilton / Reece Clarke / Téo Dubreuil / David Donnelly
Chinese dances:Luca Acri / Leo Dixon
Russian dances:Paul Kay / Kevin Emerton
Dance of the Mirlitons:Ashley Dean / Isabella Gasparini / Elizabeth Harrod / Emma Maguire
Rose Fairy:Fumi Kaneko
Rose Fairy Escorts:William Bracewell / Tristan Dyer / Benjamin Ella / Valentino Zucchetti
Leading flowers:Claire Calvert / Itziar Mendizabal / Romany Pajdak / Beatriz Stix-Brunell
感想
何度見ても毎回その新たな魅力に気づかされるピーター・ライト版「くるみ割り人形」。ときどきさー・ピーターによって改訂が入るので、そんなところも飽きない魅力になっているでしょうか。今回はまず、アナ・ローズの生き生きとしたクララがとても魅力的でした。彼女が何か他のクララと違うことをしているわけではないのだけど、あの意志の強そうな瞳がそう思わせるのかな。サンべくんのハンス・ペーターとも、確かにそれは淡い初恋なのかもしれないけど、もっと確かな交流が感じられて。サンべくんも隅々まで心を配った丁寧な踊りでありながら快活さも失わず、とても魅力的なペアでした。
ヌニェスの金平糖は、王室献上品のような完璧さ。音楽性、テクニック、気品…。チャイコフスキーの旋律のドラマティックでどこか哀愁をおびたニュアンスすら体現していて見事でした。ワディムもそれに呼応したエモーションがあって、クライマックスにふさわしいpdd。アダージョだけですごい見応えだったのに、それぞれのヴァリエーションもはっとする美しさがあり、ワディムはクララとハンス・ペーターに呼応するような快活さがあったし、マリアネラはまるでチェンバロの鍵盤の上を踊って音を奏でているかのようで。この主要キャスト4人の組み合わせは、古典バレエを今に通じさせるエネルギーがあってよいな、と強く感じました。
そして薔薇の精の扶生さん!なんと艶やかに咲き誇る薔薇の花だったでしょう。金平糖の精が最後の10分だけ踊るのが本当に難しいという話を聞くけれど、ライト版は薔薇の精も同じかそれ以上に難しいのでは、、と今回思い当たりました。1人のパートナーではなく4人のエスコートと踊る難しさってありますよね。でも扶生さんは本当に素敵でした。もっと長く見ていたかったな…。
ルカくんはダンスパートナーでは凛々しく、そして中国の踊りではダイナミックだしピルエットの芯はほっそいし、いろんな魅力が引き出されておりましたね。そして安定のギャリーさんのドロッセルマイヤー。隅々まで見逃せないのもロイヤル・バレエの常、今回も発見がたっぷりあって楽しかったです。カーテン前には杖をついたサー・ピーターのお姿も。サー・ピーターも嬉しそうでしたね。
この記事の更新履歴
- 2021.11.17 - amazon.com/amazon.co.uk 商品リンク削除