Romeo and Juliet / The Royal Ballet

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振付:ケネス・マクミラン
出演:高田茜、平野亮一 ほか
収録:2019年4月13,27日 ロイヤル・オペラ・ハウス / 138分 + インタビュー14分

録画

NHKプレミアムシアターで録画。急遽組むことになった日本人プリンシパル二人の公演をNHKが収録。なんという貴重な映像でしょう。都さんの頃から続くNHKとROHの信頼関係が感じられるし、主演のお二人とそのドキュメンタリーを制作したNHKとの間にも同じように信頼関係があるのでしょう。恩恵に預かることができて幸せです。どうかこれからもお二人の活躍を追ってくださいますように。
冒頭に、平野さんと高田さんのインタビューもたっぷりと。嬉しいです。


クレジット

原作
ウィリアム・シェークスピア William Shakespeare
振付
ケネス・マクミラン Kenneth MacMillan
音楽
セルゲイ・プロコフィエフ Sergey Prokofiev
美術
ニコラス・ジョージアディス Nicholas Georgiadis
照明
ジョン・B・リード John B. Read
指揮
ポール・マーフィ Paul Murphy, Apr.13
コーエン・ケッセルス Koen Kessels, Apr.27
演奏
英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 The Orchestra of the Royal Opera House

キャスト

ジュリエット:高田茜 Akane Takada
ロメオ:平野亮一 Ryoichi Hirano
マキューシオ(ロメオの友人):ジェームズ・ヘイ James Hay
ティボルト:ベネット・ガートサイド Bennet Gartside
ベンヴォーリオ(ロメオの友人):トリスタン・ダイヤー Tristan Dyer
パリス:トーマス・モック Tomas Mock
キャピュレット公:トーマス・ホワイトヘッド Thomas Whitehead
キャピュレット夫人:クリステン・マクナリー Kristen McNally
ヴェローナの大公:アラステア・マリオット Alastair Marriott
ロザライン:ララ・ターク Lara Turk
ジュリエットの乳母:ロマニー・パジャック Romany Pajdak
僧ロレンス/モンタギュー公:フィリップ・モーズリー Philip Mosley


モンタギュー夫人:タラ・ブリギッテ・バフナニ Tara-Brigitte Bhavnani
ジュリエットの友人:アシュリー・ディーン Ashley Dean / レティシア・ディアス Leticia Dias / イザベラ・ガスパリーニ Isabella Gasparini / ミーガン・グレイス・ヒンキス Meaghan Grace Hinkis / アンナ・ローズ・オサリバン Anna Rose O'Sullivan / 佐々木万璃子 Mariko Sasaki / 桂千里 Chisato Katsura, 4/13 / 前田紗江 Sae Maeda, 4/13
3人の娼婦:イツァール・メンディザバル Itziar Mendizabal / クレア・カルヴァート Claire Calvert / マヤラ・マグリ Mayara Magri
マンドリン・ダンス:ヴァレンティーノ・ズチェッティ Valentino Zucchetti
デーヴィッド・ドネリー David Donnelly / テオ・ドゥブロイル Téo Dubreuil / ジョセフ・シセンズ Joseph Sissens / カルヴィン・リチャードソン Calvin Richardson / ダヴィド・ユデス David Yudes

# キャストのカナ表記はNHKによる

感想

ロイヤル・バレエの「ロミオとジュリエット」で日本人プリンシパル二人が主演だなんて、本当に感慨深いものがありました。高田さんは愛らしくて芯の強いジュリエット。子供子供した様子からぐんぐん大人びていくのが、これほどまでに哀しく痛々しく感じるなんて。この役は背中の柔軟性で語る感情が多くあると思うのですが、彼女はその点でも素晴らしかった。脚先の美しさといい、完璧なジュリエットだったと思うのです。平野さんのサポートもマクミランの振付が許す最大限パートナーを大切にしたものに見えたので、大いにその助けになっていたのではないかしら。

平野さんは直情的なロミオで、思っていることがすぐ顔に出る分かりやすいタイプの男の子。直前までロザラインLOVEだったのにジュリエットに即夢中になってしまうのも、そのアプローチに1ミリの迷いもないのも、マキューシオを失ってティボルトを刺し殺すまで全く逡巡なく、そのあとはひたすら号泣するのも、感情と行動が直結して思考が置き去りになっちゃう(褒めてます)。そういうところと、さらっとした個性とが共存するのが彼のロミオのユニークさですね。友達にいたらはた迷惑なタイプだけど(笑)。長身だからマントもよくお似合い。ティボルトとのソードファイト、二人とも長身だし付き合いの長い友人同士だから迫力ありましたよね。

ヘイくんのマキューシオは、踊りの端正さもあって非常にスマートでした。むしろ彼のマキューシオの方が平野さんのロミオよりロマンティストではないかと思うくらい。最後のシーンは軽やかなのに凄みがありました。ソードファイトも彼が演じると音楽的。ロイヤルでは5本の指に入る好きなダンサーなので、彼のロミオもいつか見てみたいなー。

パリスは好かれないまま理不尽に殺されてしまう役だけど、トーマス・モックは最初の優しさも縁談を進めなければいけない相手の事情をくんだ上での傲慢さも、なかなかいい感じ。サポートだけあとちょっとがんばれ。パリスのサポートって、ほんとに難しいんですよね…。

マリオットさんのヴェローナ大公は初めて見た気がします。いやすっごいよかった。どんな役も血の通った魅力的な人に仕立て上げるのは流石でした。モーズリーさんのロレンスもクリステン・マクナリーのキャピュレット夫人もやりすぎないのにドラマティック。ホワイトヘッドのキャピュレット候もね。マクナリーのキャピュレット夫人は、ティボルトの死がショックすぎて、娘が無理やり結婚させられていくことに対して心が追いついていないように見えました。各キャストの心情が伝わるカメラワークもよかったと思います。私にはけっこう新鮮なキャストだったのですが、隅々まで楽しみました。

この記事の更新履歴

  • 2020.07.01 - 感想書きました。