The Nutcracker and the Cuddly Mouse / Czech National Ballet

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振付:ペトル・ズスカ
出演:クラーラ・イェリンコヴァー、シュテパーン・ペハル 他
収録:2016年12月プラハ国立劇場 / 103分

録画

クラシカジャパンで録画。クラシカジャパンではカンパニーを”プラハ国立バレエ”と表記しています。迷いましたが…Czech National Balletという英語表記からチェコ国立バレエとしました。このサイトの中でも同カンパニーの表記が混在しているので、どちらで検索しても出てくるように訂正しています。


クレジット

振付・演出・台本
ペトル・ズスカ Petr Zuska
原作
エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』 Ernst Theodor Amadeus Hoffmann
音楽
P.I.チャイコフスキー:バレエ『くるみ割り人形』Op.71 P.I. Tchaikovsky
美術
パヴェル・スヴォボダ Pavel Svoboda
衣裳
アレクサンドラ・グルスコヴァー Alexandra Grusková
照明
ダニエル・テサシュ Daniel Tesař
アニメーション
シモン・コウデラ Šimon Koudela
カレル・マジーク Karel Mařík
指揮
ヴァーツラフ・ザフラドニーク Václav Zahradník
演奏
プラハ国立劇場管弦楽団 The National Theatre Orchestra
撮影
パトリック・ラウゼ Patrick Lauze

キャスト

金の道化“君”:クラーラ・イェリンコヴァー Klára Jelínková
銀の道化“僕”:シュテパーン・ペハル Štěpán Pechar
母:荻本美穂 Miho Ogimoto
父:ジョヴァンニ・ロトロ Giovanni Rotolo
妹マルーシュカ:エマ・ヤニチュコヴァー Emma Janečková
兄フランタ:ヤクブ・クレイチー Jakub Krejčí
聖ニコラウス:マレク・スヴォボドゥニク Marek Svobodník
天使:マグダレーナ・マチェイコヴァー Magdaléna Matějková
悪魔:オンドジェイ・ヴィンクラート Ondřej Vinklát
くるみ割り器レディ:アンドレア・クラメショヴァー Andrea Kramešová
ミスター・ネズミ:フランチェスコ・スカルパート Francesco Scarpato
クリスマスツリーの星:ニコラ・マーロヴァー Nikola Márová

# 役名・カナ表記はクラシカジャパンによる

感想

こちらは当時芸術監督だったペトル・ズスカ振付で2015年に初演された作品の、2016年再演時の収録とのこと。

プティパの台本ではなく、E.T.A.ホフマンによる原作「くるみ割り人形とねずみの王様」を元にズスカが台本を書いたそうなのですが、とてもユニークなお話になっていました。原題の「The Nutcracker and the Cuddly Mouse」が示す通り、くるみ割りとぬいぐるみのねずみが子供達へのプレゼントであり、”くるみ割り人形”は出てきません。そしてお話は、金と銀の道化2人があけた引き出しの中で、聖ニコラスの日から始まります。

ストーリーについては、クラシカジャパンの演目ページをご覧いただくのがよいかと思います。
https://www.classica-jp.com/program/detail.php?classica_id=CJ2HXX0XXCE1804

ドロッセルマイヤーのかわりに金と銀の道化2人と聖ニコラスが観客と子供たちを導くのですが、全体にお子さんの目を強く意識した演出だったと思います。プロジェクションを多用するのは、もう普通のことになりましたね。装置にも動きがあって飽きないし、登場キャラクターが多く、それぞれが魅力的。演出はもう少し交通整理してもよさそうですが、踊りが音楽とよくあい、様々なスタイルで踊られるのを見るのは楽しかったです。ムーア人形の曲で踊る悪魔、悪い子を懲らしめる系の踊りに曲がよくあっていて最高でした。ズスカの振付と曲の使い方はとても好きなので、こんなこと言ったら怒られそうだけど…振付に専念して、誰か信頼のおける人にドラマトゥルクをお願いしてもよかったのでは…と思ったりしました。

衣装で特に好きだったのは雪の精たちの衣装と、ツリーのフサフサしたチュチュ。2幕のディヴェルティスマンが、お菓子の国ではなくクリスマスツリーの飾りによる踊り、というのも楽しくて賑やかでした。お父さんとお母さんがパッと衣装早変わりでGPDDを踊る演出は、早変わりそのものも楽しいけど、両親がGPDDを踊るっているのが意外と見ないよなと思って。子供たちが両親を大好きなのが伝わりますよね。母役は荻本美穂さん。難しそうなpddをジョヴァンニ・ロトロと共に、切れ味よく、しかも暖かく踊っていました。

チェコやヨーロッパの文化にもっと親しみがあると、更に面白くみられたのだろうと思います。道化たちが時々単語の書かれたプラカード的なものを見せるのですが、チェコ語だから当然ぱっと意味はわからず。少しおいて仏語(MEZZOの中継だから)と英語の字幕がフォローするのですが、この辺りは少しストレスとなりました。文字がわからないと微妙、という演出は、そんなに好きではないかも。

このカンパニーでは、それまで10年間ユーリ・ヴァモス振付の「The Nutcracker – A Christmas Carol」を上演していたそうです。タイトルからわかる通りディケンズの「クリスマス・キャロル」を「くるみ割り人形」に入れ込んだもので、全く同じバージョンかどうかはわかりませんがドイツの劇場が上演したものがDVD化されています。そして劇場のオフィシャルサイトを確認したところ、この後またヴァモス版が復活しているみたいです。バランキエヴィッチが芸術監督になって復活したってことなのかな。それならば、このズスカ版映像は貴重な映像となりますね。

この記事の更新履歴

  • 2020.04.22 - 感想書きました。