The Sleeping Beauty / The Royal Ballet
振付:マリウス・プティパ
追加振付:フレデリック・アシュトン、アンソニーダウエル、クリストファー・ウィールドン
出演:ローレン・カスバートソン、セルゲイ・ポルーニン 他
収録:2011年12月15日ロイヤル・オペラ・ハウス / 分
録画
ライブシネマで中継された2011年12月の公演が、クラシカ・ジャパンで放映されました。こういう、DVD化されていない映像を取り上げてくれるのがとてもありがたいです。
クレジット
- 音楽
- ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Pyotr Il’yich Tchaikovsky
- 振付
- マリウス・プティパ Marius Petipa
- 追加振付
- フレデリック・アシュトン Frederick Ashton
アンソニー・ダウエル Anthony Dowell
クリストファー・ウィールドン Christopher Wheeldon - 演出
- モニカ・メイソン Monica Mason
クリストファー・ニュートン Christopher Newton
ニネット・ド・ヴァロワ&ニコラス・セルゲイエフ版による after Ninette de Valois and Nicholas Sergeyev - 美術
- オリバー・メッセル Oliver Messel
- 復元及び追加美術
- ピーター・ファーマー Peter Farmer
- 照明
- マーク・ジョナサン Mark Jonathan
- 上演指導
- クリストファー・カー Christopher Carr
- 指揮
- ボリス・グルージン Boris Gruzin
- 演奏
- ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 Orchestra of the Royal Opera House
- 映像監督
- ロス・マクギボン Ross MacGibbon
キャスト
オーロラ姫:ローレン・カスバートソン Lauren Cuthbertson
フロリムント王子:セルゲイ・ポルーニン Sergei Polunin
リラの精:クレア・カルヴァート Claire Calvert
カラボス:クリステン・マクナリー Kristen McNally
フロレスタン国王:ギャリー・エイヴィス Gary Avis
王妃:ジェネシア・ロサート Genesia Rosato
典礼長カタラブット:アラステア・マリオット Alastair Marriott
クリスタルの泉の精と騎士:崔由姫 Yuhui Choe / ジョナサン・ワトキンス Jonathan Watkins
魔法の庭の精と騎士:ベアトリクス・スティックス=ブルネル Beatriz Stix-Brunell / アンドレイ・ウスペンスキー Andrej Uspensi
森の湿地の精と騎士:金子扶生 Fumi Kaneko / ダヴィッド・チェンツェミエック Dawid Trzensimiech
歌うカナリアの精と騎士:イオーナ・ルーツ Iohna Loots / ベネット・ガートサイド Bennet Gartside
黄金の葡萄の精と騎士:エマ・マグワイヤ Emma Maguire / アレクサンダー・キャンベル Alexander Campbell
リラの精の騎士:平野亮一 Ryoichi Hirano
イギリス王子:ネヘミア・キッシュ Nehemiah Kish
フランス王子:ヨハネス・ステパネク Johannes Stepanek
インド王子:エリック・アンダーウッド Eric Underwood
ロシア王子:アンドレイ・ウスペンスキー Andrej Uspensi
オーロラ姫の友人:オリヴィア・カウリー Olivia Cowley / セリーサ・デュアナ Celisa Diuna / メリッサ・ハミルトン Melissa Hamilton / エリザベス・ハロッド Elizabeth Harrod / イオーナ・ルーツ Iohna Loots / エマ・マグワイヤ Emma Maguire / ラーラ・トゥルク Lara Turk / サビーナ・ウェストコーム Sabina Westcombe
伯爵夫人:タラ=ブリギッテ・バフナニ Tara-Brigitte Bhavnani
ギャリソン:フィリップ・モズリー Philip Mosley
フロレスタンと姉妹たち:ダヴィッド・チェンツェミエック Dawid Trzensimiech / エマ・マグワイヤ Emma Maguire / メリッサ・ハミルトン Melissa Hamilton
長靴をはいた猫 / 白い雌猫:ポール・ケイ Paul Kay / エリザベス・ハロッド Elizabeth Harrod
フロリナ王女 / 青い鳥:崔由姫 Yuhui Choe / アレクサンダー・キャンベル Alexander Campbell
赤ずきん / 狼:サビーナ・ウェストコーム Sabina Westcombe / 平野亮一 Ryoichi Hirano
グラン・パ・ド・ドゥ:ローレン・カスバートソン Lauren Cuthbertson / セルゲイ・ポルーニン Sergei Polunin
感想
これが収録されたのはモニカ・メイソン芸術監督の最後のシーズンで、ポルーニン電撃退団の約1ヶ月ほど前。今となっては他にも退団してしまった人たちが多く目に付いて、あれこれ感慨にふけりながらの鑑賞となりました。2011年なんてつい最近のような気がするけど、5年の歳月はとても大きいのだな、と。そんな中でも変わらないのがカタラビュット役マリオットさん、メイクばっちりの役とはいえ、2006年の映像と印象が変わらなすぎて驚いちゃいました。
ローレンのオーロラ姫は16歳の誕生日に登場した時から優雅で品のよい姫君。父王にいきなり初対面の花婿候補たちに引き合わされても、戸惑いと恥じらいはありつつも、客人に失礼なく貴婦人の対応ができる、って言ったらいいのかな。コンディションは万全ではなかったのかもしれなくて、登場からローズアダージオまで踊り切るのって本当に大変なんだなーと見ているこちらに感じさせてしまうところがあったけれど、それだけに観客はみんなローレンの味方!って感じ。ローズアダージオ後の拍手喝采は凄いものがありました。2幕の幻影と3幕の結婚式の方がローレンには合っている印象。
ポルーニンの王子、2幕は彼の陰の雰囲気がよく合っていて、気の乗らない狩猟の会で憂いを身に纏っておりました。踊りは流石に鮮やかで、ライジングスターだったよなぁと。前のめりに恋をするタイプの王子ではなく、節度をわきまえた王子、という印象。ローレンとポルーニンの相性はそんなによくないのかなと思っていたけど、そこまで悪くもないというか。品格のあるグラン・パ・ド・ドゥだったと思います。
リラの精はクレア・カルヴァート。オーロラ姫を見守り舞台全体を包み込む、、ような存在感はまだないにしろ、落ち着いて踊っていました。今の彼女ならこの役をどう踊るのかが見てみたいです。特筆すべきはフロリナ王女のユフィさん、とても素晴らしかったです。この日の舞台で彼女が一番安定していたのでは、という印象。たぶん他の日にオーロラ姫も踊られた事でしょうが、彼女のオーロラが見たかったなーとも。あと、3幕のフロレスタンと姉妹のトロワでのエマ・マグワイアの音感よい踊りも印象に残っています。
日本人キャストでは、扶生さん、平野さんの他、蔵さんのお姿も見られました。1幕冒頭のニッティングレディの一人に、当時ロイヤル・バレエ・スクール生徒だった桂さんもいましたね。今ABTのコール・ドにいるハン・ソンウくんの姿もちょこちょこ目について、あれ?彼はロイヤル・バレエに在籍していたのだっけ?と思って調べたら、2011年のローザンヌ(マヤラ・マグリが1位の年)で2位プロ研修賞でロイヤル・バレエのフル・スカラを取っていたのだそうです。