Giselle / Royal Ballet 2014
振付:ピーター・ライト
出演:ナタリア・オシポワ、カルロス・アコスタ
収録:2014年1月 ロイヤル歌劇場 / 本編113分 + 特典10分
画像リンク先:amazon.co.jp - 海外盤DVD
映画館中継にもなった今年1月のオシポワ/アコスタによる「ジゼル」。そのうちどこかで放映するだろうしーと思っていたけど、やはり待ちきれずに買ってしまいました。
商品情報
特典映像:The Romance of Giselle / The Corps de ballet in Giselle / Cast gllery
- 海外|DVD(Opus Arte/ナクソス ミュージックストア:OA1144D)
FORMAT:NTSC / REGION:0
[国内仕様盤] Release: 2014/10/22
[海外盤] Release: 2014/09/01
- 海外|Blu-ray(Opus Arte/ナクソス ミュージックストア:OABD7151D)
[国内仕様盤] Release: 2014/10/22
[海外盤] Release: 2014/09/01
クレジット
- 音楽
- アドルフ・アダン Adolphe Adam
- 原振付
- ジャン・コラーリ Jean Coralli
ジュール・ペロー Jules Perrot - 振付
- マリウス・プティパ Marius Petipa
- 演出・改訂振付
- ピーター・ライト Peter Wright
- 美術
- ジョン・マクファーレン John MacFarlane
- 照明
- ジェニファー・ティプトン Jennifer Tipton
- 改訂照明
- デイヴィッド・フィン David Finn
- 演出
- クリストファー・カー Christopher Carr
- 指揮
- ボリス・グルージン Boris Gruzin
- 演奏
- ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 Orchestra of the Royal Opera House
- 撮影
- ロス・マクギボン Ross MacGibbon
キャスト
ジゼル:ナタリア・オシポワ Natalia Osipova
アルブレヒト:カルロス・アコスタ Carlos Acosta
ヒラリオン:トーマス・ホワイトヘッド Thomas Whitehead
ウィルフリード:ヨハネス・ステパネク Johannes Stepanek
ベルタ:ディアドレ・チャップマン Diadre Chapman
クールランド大公:クリストファー・サンダーズ Christopher Saunders
バティルド:クリスティーナ・アレスティス Christina Arestis
ミルタ:小林ひかる Hikaru Kobayashi
モイナ:エリザベス・ハロッド Elizabeth Harrod
ズルマ:高田茜 Akane Takada
感想
やー、ロイヤル・バレエのジゼルはやっぱりよいですね。コジョカル/コボーのともまたちょっと違うドラマティックさがありました。ライブシネマっていうのも関係しているのか演出も多少変わっていますよね?音楽もちょっと編曲されていた気がするのですが、コジョコボと改めて見比べた訳ではないので、正確なところは分からず。
ダンサーたちの目線一つにも意味があり幾重にも物語があって、見応えたっぷりでした。オシポワとアコスタというペアは私はあまり興味を持てなかったのだけど、厚みのある物語の中で予想以上に楽しかったです。
オシポワはやはり(マリインスキー版でもそんな感じだった)相当に初心で恋に恋するような。この娘は空想と現実の区別がついているのかしらと思わせるところがありました。ロイヤルのダンサーたちの中にいると、余計に1人だけ違う世界を生きているようにも見えある意味エキセントリック。それがこのジゼル役だととても効果的にも見えるのだなーと目から鱗でした。もちろん彼女の身体能力の高さがそれを更に際立たせていて、踊っている時こそリアルを生きているように見えたのも興味深かったです。彼女のジゼルの造形は私にはちょっと異端にも感じますが、熱狂する人がいるのもわかる。
彼女の身体能力は2幕の「人にあらず」感を後押ししているけれど、白塗りが強めだったのも大きいかもしれない。そしてなんというか妙に生々しい精霊でした。アルブレヒトへの想いが強すぎるのかもしれないし、肩のラインがあらわになると生命力が溢れちゃうのかも、とも。ずーっと悲しそうな表情のままアルブレヒトと踊り、彼を助けて別れを告げる。今まで見たジゼルからはそれが「アルブレヒトとの永遠の別れ」だと受け止めてきたのだけど、オシポワのジゼルにとっては”自分の恋の終わり”だった気がするの。それはハっとしました。
相手のアコスタが普通にしていても熱量が高くて(笑)とてもリアルな存在なので、ジゼルを空想の世界からリアルな恋へと引っ張り出したように見えるのが面白いなーと。アコスタのアルブレヒトは敢えて作ってはいないけど、息をするように女の子と遊べる人。領地を治める立場の人間としての貫禄もあるし、何より自分の身分が発覚した時の態度が、もうばっさり村人たちの存在を見えない世界に切り捨てて貴族に早変わりしちゃうのでびっくり。そのかわり、ジゼルのマッドシーンからショックを受けて自分の気持ちに気付いていく、という感情の変化は分かりやすかったかも。
ダンサーとしての全盛期は過ぎているのでジャンプなどはちょっともっさり見えましたが、アルブレヒトならそんなに気にはならないのではないかと。ノーブルさとサポートも流石でした。
そして脇がたまらなくイイ!ヨハネス・ステパネクのウィルフリード、絶えず周囲に視線を配る用心っぷり。ヒラリオン役のトーマス・ホワイトヘッドの頼もしさ。母親の事も大切にしてくれるし、私ならヒラリオンと一生幸せに暮らしたいわ(笑)。この2人が出演しているだけでロイヤル・バレエの映像の素晴らしさは私にとって2段階くらい格があがります(ほほほ)。
サンダースさんのクーラント卿と狩猟長のマリオットさん、それにディアドレ・チャップマンのベルタ。3人の関係はジゼルとアルブレヒトとウィルフリードに波風立たなかった場合の将来の姿かも、と割としっかり思わせる演出。マリオットさんの食えなさ具合が最高です。パ・ド・シスのメインはユフィさんとズチェッティ。ユフィさんは村娘というには品がありすぎかもですが、踊りはもちろん盤石でした。ルカくんとサンベの踊りっぷりが爽やかで素敵。
2幕のミルタ、小林ひかるさんは冷徹な感じはそんなになくて、有能な上司っぽいかも。部下への指示が的確、みたいな。好きなダンサーさんですが、オシポワとアコスタに対するミルタならば、強烈な個性を持つダンサーに踊らせてもよかったかも。誰に、っていうのはパっと浮かばないのですが。ドゥ・ウィリのハロッドは綺麗に踊るダンサーですよね。復帰が待ち遠しい。高田茜さんも堅実に踊っていて頼もしかったです。
個人的には2幕より1幕の方が好みだったかな。冒頭の言葉に戻ってしまいますが、やっぱりロイヤルのジゼルはよいです。
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Official Trailer
この記事の更新履歴
- 2021.11.19 - amazon.com/amazon.co.uk 商品リンク削除
- 2021.08.21 -Opus Arte「The Royal Ballet Collection」新装版DVD/Blu-ray Box 追加
- 2020.08.16 - Opus Arte「ナタリア・オシポワの芸術」DVD/Blu-ray Box 追加
- 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
- 2016.09.15 - Opus Arte「The Royal Ballet Collection」DVD/Blu-ray Box 追加