Cinderella / K-Ballet Company
振付:熊川哲也
出演:松岡梨絵、宮尾俊太郎 他
収録:2012年2月 Bunkamuraオーチャードホール / 本編115分 + 特典9分
画像リンク先:amazon.co.jp - DVD
熊川さんのオーチャードホール芸術監督就任記念で制作された「シンデレラ」がDVD化されました。KバレエのDVDで熊川さんが出演していない映像リリースはこれが初めて、でしょうかね。芸術監督は特典映像のインタビューにご登場。
商品情報
特典映像:芸術監督 熊川哲也スペシャルインタビュー(9分)
- 国内|DVD(ポニーキャニオン:PCBE-54088) Release: 2012/10/17
クレジット
- 演出・振付
- 熊川哲也
- 音楽
- セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev
- 衣裳デザイン
- ヨランダ・ソナベンド Yolanda Sonnabend
- 衣裳デザインアソシエイト
- アラン・ワトキンス Allan Watkins
- 衣裳デザインアシスタント
- サイモン・ベイヤー Simon Bejer
- 舞台美術デザイン
- レズリー・トラヴァース Leslie Travers
- 照明
- 足立恒
- 指揮
- 井田勝大
- 演奏
- シアターオーケストラトーキョー Theater Orchestra Tokyo
キャスト
シンデレラ:松岡梨絵
王子:宮尾俊太郎
仙女:浅川紫織
シンデレラの義姉妹:岩渕もも / 湊まり恵
継母:ルーク・ヘイドン Luke Heydon
4人の妖精
バラ:神戸里奈
トンボ:日向智子
キャンドル:白石あゆ美
ティーカップ:東野泰子
4人の王子の友人:秋元康臣 / 浅田良和 / 伊坂文月 / 西野隼人
2人の道化師:北爪弘史 / 井澤諒
オレンジマン:スチュアート・キャシディ Stuart Cassidy
感想
基本的にはプロコフィエフの台本に忠実に(と特典映像で熊川さんがおっしゃっていた)振り付けられたとのこと。音楽が要求する通りのストーリーなので、自然に楽しむ事ができました。熊川さんの古典改訂はなるほど!と膝を打つ説得力があって毎回楽しみなのですが、今回はストーリー自体は有名なおとぎ話なのでアシュトン版をたたき台にされたって事でいいのかな。熊川さんこだわりのあれやこれや、とても楽しく拝見しました。
Kバレエの個性にあっているなーと思うのは男性ダンサーの活躍の場が増えていること。1幕の牡鹿と2幕の王子の友人たちは同じダンサー達が踊るのですが、かぶり物をしてなお美しい踊りは実力の高さの証だし、道化を2人っていうのも層が厚いからこそ、なのでしょう。
四季の精ではなくシンデレラが日々大切に扱い世話をしているもの(バラ/トンボ/キャンドル/ティーカップ)が妖精になってシンデレラを導くというのはよいですね。妖精として最初に出てきた時の衣装は正直微妙すぎてダンサーたちがお気の毒に思うほどでしたが(笑)シンデレラが舞踏会の為にドレス姿になったタイミングで妖精たちもお色直し。そちらは大変美しい衣装でした。
熊川版で私があまり馴染めないなーと思うのは、継母と義姉たちのシンデレラへの虐めが手ひどくて救いがないところかなー。それと、あちこちのおどけが過ぎる(と感じてしまう私…)振付や顔芸が多いところなども、私の頭が固いせいでちょっと馴染めず。
松岡さんのシンデレラは盤石。宮尾さんの王子もそうだけど、お二人は割とストレートプレイ的な役作りをしますよね。映像だと寄りも多いので時々それが過多に感じられたりするのですが、劇場で見るとまた違うのかしら。仙女役の浅川紫織さんはかなり好みでした。そして、ルーク・ヘイドンさんの継母は期待通りの怪演で美脚までみせていただけちゃったりして。そしてスチュアート・キャシディの無駄遣いっぷりは相変わらず。群舞の使い方も、もっと生かせるのではという気もするのですが…。星たちの衣装も素敵だし、印象的なシーンを作ってあげてほしいなぁ、なんて。
Kバレエの映像はほとんどが初演の公演期間中に映像収録されるので、割と早くその映像に接する事ができるのがとてもありがたいです。反面、踊り込んでダンサーに馴染んだ良さであるとか、再演以降のブラッシュアップでより完成に近づいた形で映像に残らない事を残念に思ったりもします。この作品も再演以降更によい作品になるでしょうから、いずれ劇場で見届けられたら、と。
この記事の更新履歴
- 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え