Giselle / The Royal Ballet

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振付:ピーター・ライト
主演:アリーナ・コジョカル/ヨハン・コボー
制作:2006年 / 114分

画像リンク先:amazon.co.jp - DVD

コジョカルの一挙手一投足から台詞が聞こえてきそう。ロイヤルらしい演劇的な「ジゼル」です。


商品情報

特典映像:Cast Gallery / synopsis

国内|DVD(日本コロムビア:TDBA-5094) Release: 2009/09/18
海外|DVD(Opus Arte:OA0993D) Release: 2008/09/01

FORMAT:NTSC / REGION:0

海外|Blu-ray(Opus Arte:OABD7030D) Release: 2008/09/01

クレジット

原振付
ジャン・コラリ Jean Coralli / ジュール・ペロー Jules Perrot
振付
マリウス・プティパ Marius Petipa
演出・追加振付
ピーター・ライト Peter Wright
音楽
アドルフ・アダン Adolphe Adam
編曲
ジョセフ・ホロヴィッツ Joseph Horovitz
美術
ジョン・マクファーレン John Macfarlane
オリジナル照明
ジェニファー・ティプトン Jennifer Tipton
改訂照明
Clare O'Donoghue
演出
クリストファー・カー Christopher Carr
指揮
ボリス・グルージン Boris Gruzin
演奏
ロイヤル歌劇場管弦楽団 The Orchestra of the Royal Opera House
撮影
ロス・マクギボン Ross Macgibbon

キャスト

ジゼル:アリーナ・コジョカル Alina Cojocaru
アルブレヒト:ヨハン・コボー Johan Kobborg
ベルタ:サンドラ・コンリー Sandra Conley
ヒラリオン:マーティン・ハーヴェイ Martin Harvey
バチルド:ジェネシア・ロサート Genesia Rosato
ミルタ:マリアネラ・ヌニェス Marianela Nunez

感想

ピーター・ライト版の「くるみ割り人形」にいくつかバージョン違いがあるように、「ジゼル」も違いがあるのでしょう。ロイヤルのこの映像は基本的にプティパ版で、ライト卿は追加振付と演出、というクレジットになっておりました。美術もジョン・マクファーレンなので、見慣れたピーター・ファーマーのものと違うのが新鮮です。貴族と村人との対比を鮮やかに描くのもライト版の特徴ですが、パリオペ版の後に見るとそれが更にはっきりするようです。

コジョカルのジゼルは、ルグリと東京バレエ団と共演した時も素晴らしかったけれど、パートナーのコボーと自分のカンパニーと一緒に踊ることでより自由に自分のジゼル像を表現していたように思います。またカメラもよくそれを捉えているのよ。なので余計に演劇的と感じるのでしょう。2幕もテクニック/演技とも申し分なくて、彼女の脂ののった時期にこの映像が収録された事を感謝したい気持ちです。

コボーにしても実に演技が細かくて、ジゼルが出てくる前のシーンで十分に物語に引き込んでくれます。貴族が村人の振りで村娘と恋に落ちる事に対しても罪悪感はなさそうで、かといってヌレエフを代表とするプレイボーイタイプでもなく。ただジゼルといるこの時間が楽しいという感じ。彼はコジョカルのジゼル像に呼応するアルブレヒトとして存在しているように見えました。だからアルブレヒトにはあまり共感はしないのだけど、ジゼルの物語としては最高に感動的。

ヒラリオン役のマーティン・ハーヴェイもいい味出してました。ジゼルはヒラリオンに存在感がないとつまらないので、この点も見応えがありました。いかにも粗野な風貌で、森の中に存在するものを相手に暮らす どっしりとしたところがある。あらゆる点でアルブレヒトとは対極にある人物像が見事でした。

コンリーさんのベルタがまた格別。ロイヤル版のベルタは結婚前に死んでしまった乙女はウィリとなって男性を踊り殺すのだということをかなり長い時間を掛けてマイムで語り尽くすのですが、コンリーさんはジゼルの母として娘を心配する気持ちだけでなく、地域の年長者として年頃の青年や娘たちにもその言い伝えを言い聞かせるような威厳があるんですね。聞き終わったあと、若い娘たちだけでなく老夫婦たちも「おお、怖っ」と首をすくめるくらいに凄みがありました。

ジェネシア・ロサートのバチルドは婚約者というより既に倦怠期の奥様のようでもありましたが、狩りに出てくることすら気が進まなかったようで、そのお貴族っぷりはお見事。デヴィッド・ドリューのクーランド侯、アラステア・マリオットの狩猟長も舞台に厚みを加えています。それに、若いダンサーだけでなく年配の方々が村人たちとして舞台に立たれているので更に重厚感があり、出てくる人それぞれにストーリーが見えるのは、さすが演劇の国イギリスと思わずにはいられません。

ペザントのリーディングカップル、ラウラ・モレラとリッカルド・セルヴェラのスパニッシュペアは、この舞台では強いアクセントになっていました。セルヴェラの爽やかさが印象に残ります。パ・ド・シスには蔵健太さんも入っていて、プロポーションの良さと爽やかさではセルヴェラに一歩もひけをとらず。あと、狩りの貴族たちの平野亮一くんも入っていましたね。村人たちの中にはスティーヴン・マックレーの顔も。


ヌニェスのミルタは瞳が印象的で、冷たさと哀しみと燃える情念が同居している感じ。背の高いミルタの方が好きな私ですが、彼女のミルタは踊りの輪郭がはっきりしていて好感を持ちました。カメラの寄り方もあると思いますが、ジロのミルタより好きかも。ウィリたちはロイヤルならではの見どころもあり。ミルタの腕の開閉に併せてウィリたちもゆらゆらと動いたりして、より「この世の者でない」感じがしたし、ヒラリオンを踊り殺す時のウィリたちの踊りが他では見られないフォーメーションで、めちゃくちゃ怨念こもってて怖かったですー。


(2012.01.05)BD映像について追記しておきますと、ブレもなく綺麗な映像でした。


この映像を含んだ商品

Ballet Spectacular(2014.12.26記載)

海外|DVD-BOX(Opus Arte:OA1182BD)

この映像を含んだ商品

世界のバレエ団傑作選 英国ロイヤル・バレエ団(2010.10.22記載)

国内|DVD-BOX(日本コロムビア:XT-3035/7)

Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2021.12.18 - amazon.com/amazon.co.uk 商品リンク削除
  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
  • 2015.01.05 - 国内代理店変更によるリンク貼り替え
  • 2014.12.26 - Ballet Spectacular DVDBOX情報掲載
  • 2014.03.08 - リンクメンテナンス
  • 2013.07.27 - Opus Arte URL変更
  • 2012.08.10 - Opus ArteのYTチャンネルよりトレイラーを追加
  • 2012.01.05 - BD視聴雑記追記
  • 2010.10.22 - 世界のバレエ団傑作選 英国ロイヤル・バレエ団DVD-BOX情報初出
  • 2010.10.05 - コロムビア ミュージックエンタテインメント→日本コロムビアへ変更
  • 2010.05.25 - Opus Arte URL変更
  • 2009.12.18 - クリエイティヴ・コア→コロムビア ミュージックエンタテインメントに変更
  • 2009.12.09 - セブンアンドワイ→セブンネットショッピングに変更
  • 2009.07.23 - 国内盤情報初出
  • 2009.05.24 - Blu-ray盤情報追加
  • 2008.10.30 - 輸入盤HMVリンク追加
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