Le Corsaire / Mariinsky Ballet, 2019

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振付:ピョートル・グーセフ
出演:アリーナ・ソーモワ、ティムール・アスケロフ、キミン・キム ほか
収録:2019年6月 マリインスキー劇場 / 96分

録画

2019年6月に上演されたマリインスキー・バレエ「海賊」がWOWOWで放映されました。アスケロフ、ソーモワ、キムという組み合わせに、ランケデムをスチョーピン、ビルバントがバイムラードフ。豪華でした。


クレジット

原振付
マリウス・プティパ Marius Petipa
振付
ピョートル・グーセフ Pyotr Gusev
音楽
アドルフ・アダン Adolphe Adam
チェーザレ・プーニ Cesare Pugni
レオ・ドリーブ Leo Delibes
リッカルド・ドリゴ Riccardo Drigo
ペーター・オルデンブルク Pyotr Oldenburgsky
装置
テイムラス・ムルヴァニーゼ Teimuraz Murvanidze
衣装
ガリーナ・ソロヴィヨワ Galina Solovieva
照明
ウラジーミル・ルカセーヴィチ Vladimir Lukasevich
指揮
アレクセイ・レプニコフ Alexei Repnikov
演奏
マリインスキー劇場管弦楽団 The Mariinsky Orchestra
映像
Francois-Rene Martin

キャスト

コンラッド:ティムール・アスケロフ Timur Askerov
メドーラ:アリーナ・ソーモワ Alina Somova
ギュルナーラ:ナデージダ・バトーエワ Nadezhda Batoeva
ランケデム:フィリップ・スチョーピン Philipp Stepin
ビルバント:イスロム・バイムラードフ Islom Baimuradov
アリ:キミン・キム Kimin Kim
パシャ:ソスラン・クラエフ Soslan Kulaev
オダリスク:Daria Ionova / Maria Khoreva / Anastasia Nuikina
フォルバン:Anastasia Petushkova / Maria Lebedeva / Alina Krasovskaya / Roman Malyshev / Maxim Zenin
アルジェリアの踊り:Lea Thomasson
パレスチナの踊り:Alisa Rusina

感想

マリインスキー・バレエの「海賊」、久しぶりに見たらコメディ・バレエ超絶技巧付き、でした。元々コメディ要素のあるスペクタクル・バレエではあるのだけど、例えば昔のアスィルムラートワやルジマートフ出演の映像(30年前!)とはだいぶ趣が違っていて、これは演出の変化なのかダンサーたちの素養がそうさせたのか…今回のキャストはコメディアン・コメディエンヌとして達者な人が多い、というのは間違いないところですが。

近年改作が続いている様々な「海賊」は物語の整合性を重視していて、それに比べると(マリインスキー・バレエもそこで踊るダンサーたちとレパートリーにも愛情がある私であっても)この歴史的なプロダクションは古さは否めないよね…と思うところはあるものの、現代的なダンサーたちの感覚を反映させてカリカチュアを強調した豪華絵巻物として見せるのは一つの手ではありますし新鮮に感じました。ただ現代の風潮として古典レパートリーの設定は難しくなってきていると思うので、今後どうやって舵取りしていくのかにも興味があります。

能天気な笑顔満開でおよそ海賊っぽくないアスケロフ@コンラッドと、華やかでありながらアスケロフに呼応してコメディエンヌの素養をたっぷり見せてくれたソーモワ@メドーラ、傅くばかりでなく友人としてコンラッドのそばに控えつつ胸のすく超絶技巧を見せてくれるキム@アリ、という三人。あまり悪人ぽくないスチョーピン@ランケデムと、見た瞬間に一癖ありそうだとわかるバイムラードフのビルバント。バイムラードフのフォルバンが見られるなんて、すごい得した気分。

バイムラードフ、2幕終わりのカーテンコールでリードフォルバンのペトゥシコワと出てきたときに、彼女あてに客席から飛んできたと勘違いして、劇中で睡眠薬をかけられた小道具の花束を拾ってしまい「これだった!」という感じで高く掲げたあとにペトゥシコワに渡すのが可愛かったです。受け取ったペトゥシコワの反応も。

今回とてもよいと思ったのはオダリスクの3人。2018年入団の期待の若手たちが揃って伸びやかに美しく踊っていて、正に眼福でした。出し惜しみしないのに素直で上品な踊りは、心が洗われるよう。お手本にしたいようでした。