Ibsen’s Hedda Gabler / The Norwegian National Ballet

ノルウェー国立バレエ《ヘッダ・ガーブレル》[DVD]

振付:マーリット・モーウム・アウネ
出演:グレーテ・ソフィーエ・ボールンド・ニューバッケン、シラス・ヘンリクセン 他
収録:2017年10月 オスロ・オペラハウス / 本編99分 + 特典映像52分

画像リンク先:amazon.co.jp - 国内仕様DVD

ノルウェー国立バレエがイプセンの「ヘッダ・ガーブレル」をバレエ化。「幽霊」に続いてマーリット・モーウム・アウネが手がけました。音楽も引き続きニルス・ペッター・モルヴェルが担当していて、彼のファンも多く会場にいたようです(拍手がひときわ大きかった!)。「幽霊」よりこなれてて、私はこれすごく気に入りました。


商品情報

特典映像:ヘッダ・ガーブレル、その横顔

海外|DVD(Bel Air Classiques:BAC167)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2019/06/28

[海外盤] Release: 2019/06/14

海外|Blu-ray(Bel Air Classiques:BAC567)

[国内仕様盤] Release: 2019/06/28

[海外盤] Release: 2019/06/14

クレジット

振付・演出
マーリット・モーウム・アウネ Marit Moum Aune
アシスタント
クリストファー・ケットナー Christopher Kettner
群舞振付
カロヤン・ボヤジエフ Kaloyan Boyadjiev
音楽
ニルス・ペッター・モルヴェル Nils Petter Molvær
原作
ヘンリク・イプセン Henrik Ibsens
装置
エヴェン・ベルスム Even Børsum
衣裳
イングリッド・ニーランデル Ingrid Nylander
照明
クリスティン・ブレダル Kristin Bredal
オリジナルキャスト&共同製作
Grete Sofie Borud Nybakken, Eugenie Skilnand, Samantha Lynch, Klara Mårtensson, Silas Henriksen, Philip Currell, Shane Urton, Kristian Alm
撮影
トミー・パスカル Tommy Pascal

キャスト

ヘッダ・ガーブレル:グレーテ・ソフィーエ・ボールンド・ニューバッケン Grete Sofie Borud Nybakken
エイレルト・レェーヴボルク:シラス・ヘンリクセン Silas Henriksen
イェルゲン・テスマン:フィリップ・カレル Philip Currell
テア・エルヴステード:エウゲニー・スキルナンド Eugenie Skilnand
ブラック判事:シャーネ・ウルトン Shane Urton
ユッレおばさん:サマンサ・リンチ Samantha Lynch
ダイアナ:クララ・メルテンソン Klara Mårtensson
General Gabler:Kristian Alm
Hedda Gabler as a child:Erle Østraat
Thea Elvsted as a child:Helle Flood

# 表記は一部を除き輸入代理店のものを参照。

感想

以前NHKプレミアムシアターで放映されたノルウェー国立バレエによるイプセン「幽霊」。その演出を担当したマーリット・モーウム・アウネが今回は振付も手がけて同じイプセンの「ヘッダ・ガーブレル」をバレエ化しました。「ヘッダ・ガーブレル」と同時に「幽霊」も、Bel Air ClassiquesからDVD/Blu-rayが発売になっています。

音楽のニルス・ペッター・モルヴェルと美術スタッフも「幽霊」と同じなので、まるで続編のようにも感じられます。舞台やテレビなどの演出を手がけてきたマーリット・モーウム・アウネは、「幽霊」の時も自分で振付をしたかったようなので、今回は満を持してという感じなのかもしれませんね。振付補佐がいて群舞振付を担当した人もいて、もちろん初演キャストのダンサーたちも振付作業に参加しているので、彼女一人で成し遂げたここととは言えないかもしれませんが、それは他の振付家にもあること。演出とは広義の振付である、とも言えそうですね。

しかもこれ、かなり面白かったです。ダンサー出身の振付家の場合、ムーヴメントの目新しさやオリジナリティを探求するところに走ったりして、作品として見たときにどこかアンバランスになったりしますが、舞台演出の目線でダンサーを動かすと、少なくともバランスが悪いことにはならないのだな、と。ただし、物語を紡ぐムーヴメントであって、振付の語彙で観客を圧倒するものではないので、何を求めるかによって満足度は変わりそうです。私は、とても満足しました。

戯曲の世界をそのままバレエ化したものではないので、戯曲のファンがこれを見て満足するかはわからないけど、個人的にはその世界観は驚くほどよく表されていると感じました。「幽霊」と同じように登場人物を多層的に描いてはいるものの、ずっとこなれていて話に入りやすかったです。戯曲としてもこちらの方が馴染みがあるので、舞台上で起きることが分かるのが大きな理由かな。彼女の演出手法にも慣れたというのもあると思うし、クリエイティヴスタッフもバレエの得意なことを(前作を経て)より深く理解したようにも思います。ワイヤーで上げ下げされる装置が面白い効果をもたらしていたし、ユッレおばさんが必死に編み続けるセーターの袖ほど、彼女のイェルゲンへの執着を示すものがあるかしら、とも。

「幽霊」で召使いのレギーネを踊っていたグレーテ・ソフィーエ・ボールンド・ニューバッケンがヘッダ役で、彼女が本当に素晴らしかったです。エイレルト役のシラス・ヘンリクセンも魅力的。もちろん他のダンサーたちも演技とダンスがシームレスで、どちらかに偏って見る方の気が散るということがない。家に届いてから1ヶ月くらい積んだままだったのですが、もっと早く見ればよかったわー。私はすごく好きな上演でした。

特典映像のドキュメンタリーで制作風景を少し見ることができましたが、ダンサーたちが戯曲を読み合わせしたり、ワークショップのアプローチが演劇的だったりするのも面白かったです。ダンサーたちにも刺激的なクリエーションだったのではないでしょうか。あんなに笑顔に溢れたワークショップの行き着く先が、あの出口の見えない作品だなんて、ね。


関連商品

ヘッダ・ガーブレル (岩波文庫) イプセン (著), 原 千代海 (翻訳)


Official Trailer

vc vc