Raymonda / Mariinsky Ballet

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改訂振付:コンスタンチン・セルゲイエフ
出演:ヴィクトリア・テリョーシキナ、ザンダー・パリッシュ 他
収録:2018年5月26日 マリインスキー劇場 / 129分

録画

マリインスキーの「ライモンダ」がNHKプレミアムシアターで放映されました。セルゲイエフ版の初演は1948年だそうなので、もう70年!も経つのですね。テリョーシキナのお手本のようなライモンダ、堪能しました。


クレジット

音楽
アレクサンドル・グラズノフ Alexander Glazunov
振付
マリウス・プティパ Marius Petipa, 1898
改訂振付
コンスタンチン・セルゲイエフ Konstantin Sergeyev, 1948
部分振付
フョードル・ロプホフ Fyodor Lopukhov
美術
シモン・ヴィルサラーゼ Simon Virsaladze
美術改訂
エレーナ・ザイツェワ Elena Zaitseva
指揮
ワレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev
演奏
マリインスキー劇場管弦楽団 The Mariinsky Orchestra
撮影
François-René Martin

キャスト

ライモンダ:ヴィクトリア・テリョーシキナ Viktoria Tereshkina
ジャン・ド・ブリエンヌ(ライモンダの婚約者):ザンダー・パリッシュ Xander Parish
アブデラフマン(サラセンの王子):コンスタンチン・ズヴェレフ Konstantin Zverev

Countess Sibila:Elena Bazhenova
Rene de Brienne, a Hungarian knight:Soslan Kulaev
Ali, Abderakhman's retainer:Islom Baimuradov
Clemence:Yekaterina Chebykina
Henriette:Nadezhda Batoeva
Beranger:Yevgeny Konovalov
Bernard:Philipp Stepin
Seneschal:Andrei Yakovlev

感想

マリウス・プティパ生誕200年の年に上演されたマリインスキー・バレエ「ライモンダ」。プティパ版の世界初演(1898年)から120年、セルゲイエフ改訂版初演(1948年)からも70年!確かに年季が入っていると思うところはあって、放映時には「えっ、こんな古ぼけたプロダクションだっけ?」と戸惑ってしまいました(衣裳デザインは古いマリインスキーっぽいけど割と最近作ったものに見える)。立ち役の扱いでしょうかねー、ほぼ額縁ですものね、このプロダクションだと。

でも、この公演はテリョーシキナ主演・ゲルギエフ指揮でオケがキラキラ、というその2点で十分見る価値があるものでした。そして、やっぱり見ているだけで多幸感に包まれるワガノワスタイルのダンサーたち。テリョーシキナの、いついかなる時も完璧なラインと踊りが示す品行方正さはライモンダという中世の姫君にぴったり。コンクールでライモンダのヴァリエーションを踊ろうと思っている若い人たちにも、これ以上ないお手本になりそうですよね。

そんなライモンダを熱烈に愛するも彼女の世界の尺度では野蛮ということになってしまうアブデラフマン、ズヴェレフも可愛いほどに熱演。自分を拒絶するライモンダに業を煮やして略奪しようとしたところにジャンが帰還、決闘の結果命を落としてしまうわけだけど……夢に出てきちゃう位のインパクトはあったわけですよね、ライモンダにとって。略奪に成功した世界のバレエも、ちょっと見てみたいかも。(最後、決闘で兜が割れた時にあらわになった坊主鬘の頭の形がとても綺麗で感心しちゃった)

ジャン役はザンダー・パリッシュ。テリョーシキナとの身長差のせいか、リフト系は安定しないところがいくつかあったような。ヴァリエーションはよく踊れていたし、彼自身のはつらつとしたところが役に反映されてジャンが魅力的に見えるようにも思いました。

ソリストのヴァリエーションもよくまとまっていて好ましかったです。今まで見てきてピンとこなかった振付が今回「この音とりか!」と納得できたりとか。夢の場でヴァリエーションを踊ったGuseinovaがかなり好みでした。グランパのヴァリエーションを踊ったシャキロワも、中堅どころのような安定感ですね。あと、ベランジェとベルナルドはコノヴァロフとスチョーピンなんだからよくて当たり前なんですが、品があって踊りが綺麗で、マリインスキー男子のお手本のよう。

民族舞踊なども楽しかったですが、唯一残念だったのは夢の場のコール・ドの振付かなあ。上の方で額縁とか言っておきながらナンなんですけど、テリョーシキナが踊っている後ろでわさわさ動くので、ちょっと邪魔に感じてしまったりして……。衣裳の色が違えばまた印象も変わったのかもしれないのですが、テリョーシキナ含めてみんな白系だったから。

3幕の祝宴では、ハンガリーの騎士であるところのジャンの父上が、伯爵夫人を口説き落とさんばかりに手を取ったり微笑みかけたりしてるのが、ちらちらと画面の端に映って気になってしょうがなかったわ(笑)。