Mr.Gaga A True Story of Love and Dance

ミスター・ガガ-心と身体を解き放つダンス

監督:トメル・ハイマン
出演:オハッド・ナハリン、バットシェバ舞踊団 他
制作:2015年 イスラエル / 本編101分 + 特典映像23分
http://www.mrgagathefilm.com

画像リンク先:amazon.co.jp - DVD

バットシェバ舞踊団の芸術監督・振付家であるオハッド・ナハリンに8年間密着して制作されたドキュメンタリー映画。日本でも公開&DVDリリースされて嬉しい限り。


商品情報

国内|DVD(マクザム:MX-642S) Release: 2018/09/28

特典映像:スライドショー / ダンサーインタビュー(Stefan Ferry, Caroline Boussard) / アウトテイク(「MAMUTOT Jumping」「Girls in circle」「OFFWHITE」) / オリジナル予告編(英語, フランス語, ヘブライ語) / 日本版予告編

クレジット

監督
トメル・ハイマン Tomer Heymann
製作
バラク・ハイマン Barak Heymann
音楽
イシャイ・アダル Ishai Adar
撮影
イタイ・ラジー Itai Raziel
出演

オハッド・ナハリン Ohad Naharin

ツォフィア・ナハリン Tzofia Naharin, オハッドの母 / エリアフ・ナハリン Eliav Naharin, オハッドの父 / ジュディス・ブリン・イングベル Judith Brin Ingber, ダンス教師 / ジーナ・ブンツ Gina Buntz, 振付家 / ナオミ・ブロック・フォルティス Naomi Bloch Fortis, バットシェバ舞踊団共同芸術監督 / シルヴィア・ウォーターズ Sylvia Waters, エイリー2芸術監督 / ソニア・ドーリンズ・ジュステ Sonia D’Orleans Juste, ダンサー / デヴィッド・ティッチネル David Tinchell, ダンサー / カール・ハウス Carl House, ダンサー / レジー・ウィルソン Reggie Willson, ダンサー / アニ・ウドヴィツキ Ani Udovicki, ダンサー / ヨシ・ユングマン Yossi Yungman, ダンサー / アヴィ・ベレリ Avi Belleli, 作曲家 / タミ・ロタン Tami Lotan, ダンサー / マリ・カジワラ Mari Kajiwara, archive footage / ヤイル・タミール Yair Tamir, 「アナフェイズ」ゲストダンサー / Eldad Mannheim / Shuki Weiss / Arnon Zlotnik / ナタリー・ポートマン Natalie Portman, 女優/監督

感想

DVDブックレットの監督インタビューによれば、撮影は約7年間1200時間に及んだとのこと。記録された映像に興味のなかったオハッドは最初は映画の対象になることも拒んでいたそう。その割に貴重映像(ドキュメンタリーにおける貴重映像の中でも群を抜いて見事な過去映像が残っている)満載なんですけど?と思ったら、彼の兵役時代(エンタメ隊)の映像はイタリアのテレビ局取材のものが見つかったそうですし、子供時代などのものはお母さんがばっちり記録したものがご自宅に残っていて、観念したオハッドが好きにしていいと言ってくれたとか。

ということでこの映画には、オハッド・ナハリンの人生をたどり、本人の言葉と周囲の証言もたくさん収め、そして彼の作品のアーカイブもたくさん入っていますし、彼とカンパニーの仕事ぶりも見られます。彼とカンパニーのリハーサルや作品映像だけ見ても本当にわくわくします(映画では触れられていないけど、稲尾さんがオハッドの後ろにいるのも見られるし、彼が踊る映像もありました)し、そこに込められたものを改めて感じることでもありました。最初はピンとこなかったオハッドがダンサーに出す指示についても、オーディションで(彼のメソッドに馴染みのない)ダンサーたちに出す指示や、それによって彼らの動きが変わっていくのを見ているうちに、なんとなく感覚がつかめてきたり。

イスラエルという国でダンス表現で生きることの現実も。イスラエルにとって大きな出来事となったイスラエル国家50周年記念式典に関する経緯もありました。オハッドが背中の手術のリハビリから開発したGAGAのワークショップで笑顔になる人たちを見たら、鼻の奥がツンとなるね…。

それでもやはり、一番興味をひいたのはオハッド・ナハリンその人でした。最初のほうでちょっと涙ぐみながら語ったダンスを始めたきっかけは、映画の後半、彼自身の語りで覆されます。えーなにそれ(笑)。彼の元で踊ったダンサーたちの証言からは、オハッドは本当に才能溢れた振付家であるけれど、ダンサーの扱いはひどいものだったことがよくわかります。それも映画の後半にオハッドが言った「振付そのものとダンサーに作品を理解させることは切り離せない」という言葉に収束するのだろうけど、こう、なんというか…言葉であれ身体であれ、痛みから出発するものなのかな…とも。そして、舞台袖で出番を待つダンサーに「失敗するな、僕の生活がかかっている」って話しかける振付家は皆無ではないだろうけど、映画になるような人でこういうエピソードが出てきたのは初めて聞いた気がする。そして…マリさんを亡くしてから、彼女のために自分は変わるべきだと思った、というオハッド。

最後にエリさんとのエピソード。もうね、オハッドの顔がそれまでと全然違う。特に娘のノガちゃんがスタジオにやってきた時の様子は、もしや監督、この場面のためにこの映画を作ったのでは、と思うくらい。とてもよい場面でした。ママのエリさんも、リハーサル中のダンサーたちの表情も、そしてオハッド自身が誰よりも。エンディングには、この場面よりもう少し成長したノガちゃんがカンパニーのリハに混じっているところがあります。ここも思わず笑顔になってしまうから、最後まできっちりとご覧あれ。

ちなみに、DVDにも収録されていた乗越たかおさんのレビューは以下で読むことができます。これ以上この映画のことを素晴らしく紹介したものは見つからないと思う。
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/14989


Official Trailer


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