Chotto Desh / Akram Khan Company

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振付:アクラム・カーン
出演:デニス・アラマノス
収録:2017年12月9日メゾン・ド・ラ・ダンス(リヨン) / 56分

録画

昨年夏に日本でも上演された「チョット・デッシュ」の2017年12月メゾン・ド・ラ・ダンスでの公演がクラシカ・ジャパンで放映されました。出演は来日公演でも踊ったデニス・アラマノス。


クレジット

『デッシュ』振付・演出
アクラム・カーン Akram Khan
『チョット・デッシュ』演出・翻案
スー・バックマスター Sue Buckmaster (Theatre-Rites)
音楽
ジョスリン・プーク Jocelyn Pook
照明
ガイ・ホア Guy Hoare
台本
カルティカ・ナイール Karthika Naïr
スー・バックマスター Sue Buckmaster
アクラム・カーン Akram Khan
オリジナル・ヴィジュアルデザイン
ティム・イップ Tim Yip
オリジナル・ヴィジュアルアニメーション
Yeast Culture
オリジナル・コスチューム・スーパーバイザー
中野きみえ Kimie Nakano
音響
アレックス・スタイン Alex Stein
映像監督
リュック・リオロン Luc Riolon

出演

デニス・アラマノス Dennis Alamanos

感想

この作品の元となった「DESH」も、そしてこのベンガル語で「小さな祖国」という意味の「チョット・デッシュ」も日本公演がありましたが、私はどちらも未見。

アクラム・カーンの自伝的要素の強い自作自演「DESH」を7歳以上を対象に改作したこの作品は、スー・バックマスターが翻案。アクラムではなくカンパニーのダンサーが踊るもので、アニメーションや影絵、音楽、セリフなどを用いて、移民としてのアイデンティティ、戦争、家族の絆などを描いています。バックグラウンドが違っても普遍的に誰もが抱える問題をリアルとイリュージョンを交えて、苦しさと、そして最後には希望で締めくくる作品。子供に限らず、あまりダンスに縁のない大人にも見やすい作品になっているのではないかと。

日本で上演された際には日本語吹替が入ったようですが、こちらはリヨンで上演された際の映像なのでフランス語のナレーション入りで、それを日本語字幕で見る、という形。オリジナルはロンドンに暮らすバングラデシュ移民だったのが、このパリ上演版ではフランスで暮らす移民に置き換えられていますよね。日本公演ではオリジナルを日本語吹き替えでやったっぽいのだけど、他の大都市ではどのように上演しているのでしょう?

「DESH」を見ていないからどのくらいオリジナルの部分残っているかわからないのですが、アニメーションとジョスリン・プークの音楽が本当に美しく好みでした。特に「The Honey Hunter」は、ここだけ切り取って映像作品にしてもいいのでは、くらいに詩的で美しい。

デニス・アラマノスはとても魅力的なダンサーで、ダンスを練習する場面は、カタック的なダンス、マイケル・ジャクソン、そして武道をモチーフにした踊りなどがあって楽しい。大きな椅子でご機嫌になる笑顔もチャーミング。ただ、アクラムの自伝的なソロ作品として完成されたものを翻案したものとはいえ他のダンサーが踊るというのは、頭ではわかっていてもついアクラムだったらと無意識で思ってしまう自分がいて…融通のきかない自分の脳が残念でした。

様々な苦悩や困難を内包しつつも希望に満ちたエンディングが心に残ります。