La Belle / Les Ballets de Monte-Carlo, 2016

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振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
出演:オルガ・スミルノワ、セミョーン・チュージン 他
収録:2016年12月30日 モナコ・モンテカルロ グリマルディ・フォーラム / 94分

録画

2016年にジェローム・カプランにより衣装が新制作された(オリジナルはフィリップ・ギヨテル)モンテカルロ・バレエの「La Belle」。ボリショイ・バレエからスミルノワとチュージンをゲストに迎えた、その2016年の公演がWOWOWで放映されました。嬉しい!


クレジット

振付
ジャン=クリストフ・マイヨー Jean-Christophe Maillot
音楽
P.I. チャイコフスキー P.I. Tchaikovsky
装置
エルネスト・ピニョン=エルネスト Ernest Pignon-Ernest
衣装
ジェローム・カプラン Jérôme Kaplan
照明
ドミニク・ドゥリヨ Dominique Drillot
映像
Matthieu Stefani / Rémi Lesterl
指揮
ニコラ・ブロシュ Nicolas Brochot
演奏
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 L’Orchestre Philharmonique de Monte-Carlo
映像監督
Vincent Massip

キャスト

ラ・ベル:オルガ・スミルノワ(ボリショイ・バレエ) Olga Smirnova
王子:セミョーン・チュージン(ボリショイ・バレエ) Semyon Chudin
王妃(王子の母)/カラボス:ステファン・ボルゴン Stephan Bourgond
王(王子の父):クリスチャン・ツォルザンスキ Christian Tworzyanski
リラの精:小池ミモザ Mimosa Koike
王妃(ベルの母):マリアンナ・バラバス Marianna Barabás
王(ベルの父):アルヴァロ・プリート Alvaro Prieto

感想

未見&感想書いてない映像が溜まりまくっているのですが、マイヨーは楽しみすぎて後回しにできませんでした。WOWOW放映時には本編の前に2分30秒のイントロダクションあり。

2016年12月のグリマルディ・フォーラム公演は28, 29日にキャストを変えて上演しているようなのですが、エンドクレンジットによれば収録は30日とのこと。公演収録のために1日とったということでしょうかね。確かに客席もオケも映らないし、指揮者もカーテンコールに登場するだけでした。2001年の初演の頃に撮影されたものは「映像作品」だったし既存音源を使ったものだったので、モンテカルロ・フィルの演奏でライブ公演を収めたということが嬉しい。エンドクレジットにはオーケストラのメンバーまで名前が出ていました。

モンテカルロ・バレエ「ラ・ベル」の来日公演は今まで何度かあったと思いますが、私は2004年に見たきりなので記憶があやふや。2001年の映像も久しぶりに見直したところ、今回新制作となった衣裳のみならず演出も初演の頃とは違うところがありますね。振付家が芸術監督のカンパニーだから折々に手を入れているだろうとは思うのですが、今回衣裳が変更になって明確になったことも結構あるのかな、と。

衣裳の変更は前のものを踏襲したところもありつつ、より作品世界が明確になるよう王子サイドがモノトーンでベルの世界はカラフル。おそらく保管や移動も容易そうだし、踊りやすくもなっているのでは。素材の進歩とかもありそうですよね。以前多用されていたバルーンは懐妊の象徴としてのみ残されていました。リラの精のピンクのバルーンがたくさんついた前の衣裳、好きだったけどなー。でもミモザさんは現在のモノトーンの衣裳もよくお似合いだし、今のマイヨーっぽさでいうとこちらかな、とは思います。

王子の母は赤を使った前の衣裳の方が邪悪さが際立っていた気がするのと、七人の求婚者たちがブライトカラーからダークカラーになったことで一目で不吉な印象を与えるように。でも…これだと、待ち望んでようやく授かり16歳まで大切に大切に育ててきたベルを、悪意に満ちた空間に置き去りにする王と王妃がお気楽すぎない?と思ったりも。

スミルノワ、ベルの衣裳はゴールドのシースルーでした。王子の衣裳は鎖帷子を思わせるようなダークカラーから、リラに導かれてシルバーへ。ベルと王子のキスから始まるパ・ド・ドゥは照明もゴールドとシルバーが溶け合うようで美しかったです。王子が100年の眠りを破るのではなく、自分から王子にキスをして身も心も目覚めるベル。スミルノワはこれ見よがしな強さではなく、自然に身のうちから湧いて出る力で王子を求め、王子を縛り苦しめる母親の力も退けてしまう。それがとても自然でした(個人的にはもう少しスリリングでもいいかな、と思うくらい)。チュージンの悩める王子っぷりもまた素晴らしく、良いペアだったなあ。

カンパニーのインスタストーリーでクラスレッスンがアップされるといつも目を引く田島香緒理さんは、やはり舞台に登場すると目が吸い寄せられました。「チェコ・スワン」でおばちゃま達に白鳥を指導したマルケタも出演しています。