Gala Petipa - 200th Birth Anniversary / Mariinsky Ballet

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出演:アリーナ・ソーモワ、ザンダー・パリッシュ 他
収録:2018年3月11日 マリインスキー劇場 / 120分

録画

マリウス・プティパ生誕200年を記念して、プティパの活躍の場であったマリインスキー劇場で上演された記念公演がWOWOWで放映されました。簡単に公演を紹介する2分半ほどのイントロダクションつき。


クレジット

音楽監督・指揮
ワレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev
演奏
マリインスキー劇場管弦楽団 The Mariinsky Orchestra

演目

『四季』 The Seasons

振付:コンスタンチン・ケイヘル Konstantin Keikhel
音楽:アレクサンドル・グラズノフ Alexander Glazunov

エカテリーナ・チェブィキナ Yekaterina Chebykina
ロマン・ベルヤコフ Roman Belyakov


『真夏の夜の夢』より第二幕 A Midsummer Night’s Dream (Act II)

振付:ジョージ・バランシン George Balanchine
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン Felix Mendelssohn-Bartholdy

Titania:Anastasia Kolegova
Oberon:David Xaleyev
Puck:Vasily Tkachenko
Helena:Zlata Yalinich
Hermia:Yana Selina
Lysander:Yuri Smekalov
Demetrius:Alexander Romanchikov
Hippolyta:Anastasia Matvienko
Theseus:Vitaly Amelishko
Pas de deux:: オクサーナ・スコーリク Oxana Skolik / コンスタンチン・ズヴェレフ Konstantin Zverev


『眠れる森の美女』より第三幕 The Sleeping Beauty

振付:マリウス・プティパ Marius Petipa
復元振付:セルゲイ・ヴィハレフ Sergei Vikharev
音楽:ピョートル・チャイコフスキー Pyotr Tchaikovsky

オーロラ姫:アリーナ・ソーモワ Alina Somova
デジレ王子:ザンダー・パリッシュ Xander Parish
リラの精:エカテリーナ・コンダウーロワ Ekaterina Kondaurova
Carabosse the Wicked Fairy:Islom Baimuradov
The Diamond Fairy:Valeia Martynyuk
Princess Florine:Maria Shirinkina
Bluebird:Alexei Timofeyev

# カナ表記はWOWOWによる。それ以外のキャストは当日のプレイビルを参照しました。

感想

現代の振付家であるコンスタンチン・ケイヘル、20世紀を代表する振付家ジョージ・バランシン、そしてマリウス・プティパの振付を復元したセルゲイ・ヴィハレフ版「眠れる森の美女」と年代を遡っていく趣向が良いですね。

ケイヘルの「四季」は、自然賛歌的な作品だったプティパのものとは趣を変えて、人間の関係性や人生を表現する作品でした。冬から始まり春になって…春が意外に暗いのは、ロシアの春の訪れが遅いからですよね、きっと。振付のための振付というか奇をてらった感じが抜けないのは、まだダンサーの身体に馴染んでいないから、かしら。とはいえ、長身のダンサーたちが長い四肢を存分に生かして踊る姿には有無を言わせぬパワーがあります。チェブィキナとベリヤコフはしっとり大人の雰囲気。

40分4場の作品で、ソリストもコール・ドも場ごとに衣装を変えて出てくるので大変そう。コール・ドは基本のグレーレオタードにパーツを組み合わせて変化を出しているようだからまだ良いにしても、ソリストは全とっかえだもんね。冬の女性陣のチュチュがチュールとは違う質感で、回転とかジャンプとか多用した振付でふわっとなる感じが好きでした。それと、夏の衣装で登場してサングラスを外してニカって笑うベリヤコフが可愛い。

「真夏の夜の夢」は第2幕。ストーリーのないディヴェルティスマンながら、マリインスキーのダンサーが踊るとアームスが美しいから思いがけず堪能してしまいました。マリインスキーはルイザ・スピナテッリの衣装なんですね。それがまた美しくて眼福。クラシック・チュチュの三人のうち、セーリナとマトヴィエンコは踊りの質もわかっていたしそれぞれに安心して見ていましたが、ズラータ・ヤリニッチの音感も結構好きかもしれない。ワガノワからエイフマン経由で入団した方なんですね。もう少し踊りが見てみたいなあ。男性陣ではスメカロフが素敵すぎて目が離せなかったです。

パ・ド・ドゥのスコーリクはものすごい人気ですね。あの衣装はあまり彼女には似合ってない気がしたかな。ズヴェレフのパートナーを大切に扱う様には感銘を受けつつ、この二人はそんなに合っていないような印象も。この2幕はクラシックチュチュ組の方が振付的に好みなのもあって、あまりピンとこなかったかも。それと、コレゴワの華やかなタイターニアがよかったです。短い登場時間なのに、ちゃんとタイターニアだった。彼女でこの作品の1幕を見てみたいなあ。

最後は「眠れる森の美女」のヴィハレフ復元版。以前のガラ公演DVDで見たときはファデーエフ王子が金髪縦カールの鬘姿だったのですが、この映像ではパリッシュは地毛+付け毛テールでちょっとホッとしたり。ソーモワの姫は、この日の出演者の中ではちょっと格が違いました。伝統のマリインスキーのオーロラに現代性も少し加味されてて凄く良かった。パリッシュはヴァリエーションは伸びやかなんだけど途中でバテちゃったね。サポートもまだ少し物足りないけど…でもコレは出演者全体に言えるかなあ。男性陣はサポート頑張れって人が多かった気がする。

青い鳥のティモフェーエフもここに配役されるってことは期待の人なのでしょうけど、サポートもソロもまだこれから、ということかな。伸びやかで素直な踊りは今後が楽しみです。シリンキナのフロリナ王女はお手本みたいな安定感。コンダウローワとバイムラードフの大いなる無駄遣いもすごい…

そして、サファイアの精が石井久美子さんでしたよね!石井さんって四肢の長さとか顔の小ささが他のロシア人ダンサーたちと全く遜色ないので、よく見てないとわからないことがある位。指の先から踊る喜びを振りまくような彼女の踊りがとても好きなので、他の演目も含めて大活躍だったのが嬉しかったです。