Von Wundern und Superhelden - 55 Jahre Stuttgarter Ballett / Of Miracles and Superheroes – Documentary on the Stuttgart Ballet

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監督:ハロルド・ヴェーツェル
出演:リード・アンダーソン、タマシュ・デートリッヒ 他
制作:2016年 / 90分

録画

2016年、ジョン・クランコがシュツットガルト・バレエの芸術監督になってから55周年の年に制作されたドキュメンタリーがクラシカジャパンで放映されました。日本語字幕付きでこの貴重なアーカイブ満載のドキュメンタリーを見られる幸せ。


クレジット

監督
ハロルド・ヴェーツェル Harold Woetzel
出演
アリシア・アマトリアン Alicia Amatriain, プリンシパル
トレイシー・シルヴァーマン Tracy Silverman, 電子ヴァイオリニスト、作曲家
デヴィッド・ムーア David Moore, プリンシパル
ロマン・ノヴィツキー Roman Novitzky, プリンシパル
エリサ・バデネス Elisa Badenes, プリンシパル
デミス・ヴォルピ Demis Volpi, 常任振付家
リード・アンダーソン Reid Anderson, 芸術監督
ジョン・クランコ John Cranko, アーカイヴ映像
タマシュ・デートリッヒ Tamas Detrich, 副芸術監督
アンナ・オサチェンコ Anna Osadcenko, プリンシパル
ジェイソン・レイリー Jason Reilly, プリンシパル
ハンス・ファン・マーネン Hans van Manen, 振付家
ジョルジェット・ツィングリーデス Georgette Tsinguirides, 舞踏記譜家
ダニエル・カマルゴ Daniel Camargo, プリンシパル
ビルギット・カイル Birgit Keil, 元プリンシパル
ウラジーミル・クロス Vladimir Klos, 元プリンシパル
マリシア・ハイデ Marcia Haydee, 元プリンシパル、元芸術監督1976-1996年
フリーデマン・フォーゲル Friedemann Vogel, プリンシパル
ニコライ・ゴドノフ Nikolay Godunov, ソリスト
ジョン・ノイマイヤー John Neumeier, ハンブルク・バレエ芸術監督・振付家、シュツットガルト・バレエ1963-69年在籍
ウィリアム・フォーサイス William Forsythe, 振付家、シュツットガルト・バレエ1973-78年在籍
アン・ウーリアムズ Anne Woolliams, アーカイヴ映像 1968年
バルバラ・マタッチ Barbara Matacz, バレエ教師
タデウス・マタッチ Tadeusz Matacz, ジョン・クランコ・バレエスクール校長

感想

監督のハロルド・ヴェーツェルが2015-16年の1年間カンパニーに同行して撮影した映像に、クランコ時代から現在に至るまでの貴重なアーカイブ映像をふんだんに加えて制作したドキュメンタリーです。90分みっちりありますが、濃密な歴史を彩る魅力的なダンサーや振付家が目白押しすぎて、まだ見足りない!と思ってしまいました。

まず最初に登場するデミス・ヴォルピ振付「サロメ」でカンパニーの現在地を明確に示すことで、”クランコ以前”からクランコとカンパニーが築き上げたもの、そして急逝したクランコのあと(テトリーを挟んで)を受け継いだハイデが広げたレパートリーと若い振付家たちに与えた機会、それを受け継いだアンダーソン、、というカンパニーの歩みがよりクリアになった、ように思います。

現役ダンサーたちやアンダーソン、ハイデ、デートリッヒの歴代芸術監督だけでなく、ビルギット・カイルやウラジーミル・クロス、ノイマイヤーやフォーサイス、ファン・マーネンなどのコメントも充実。ノイマイヤーは古いアーカイブにもダンサーとしてちょいちょい映っているのも嬉しいです。2015年の日本公演の映像もありました。

驚かされるのは、後述するツィングリーデスの1960年「眠れる森の美女」映像もそうだけれど、”シュツットガルト・バレエの奇蹟”と言われた最初のニューヨーク公演をはじめ数多くの取材映像があること。シュツットガルト・バレエがこの州都においてとても愛されていたことの証でもあると思うし、バレエという芸術の位置付けも日本のそれとは全く違うのだな、とも。

リード・アンダーソンがそうであったように、このカンパニーそしてバレエ学校は海外から若いうちに親元を離れて集まる人が多く、「だからみんなで助け合うしかないんだ」というアンダーソンの言葉が、アットホームという言葉だけでは表せないカンパニーの結束の一端を表していたようにも感じました。

とにかく印象に残るエピソードやお宝映像だらけなのですが、クランコとシュツットガルト・バレエが主役だとしたら、もう一人の主役はジョルジェット・ツィングリーデスですね。”クランコ以前”の1945年!からカンパニーと契約しているツィングリーデスが踊る1960年「眠れる森の美女」の映像は、ドイツのテレビ史上最も初期のバレエ映像とのこと。彼女はクランコに派遣されてイギリスでベネッシュノーテーションを学び 記譜しているそうで、その膨大なファイルも写っておりました。勤続70年(!)の彼女の功績を称え、リード・アンダーソンが舞台上で彼女に最も名誉ある州首相メダルを贈呈した際には、アンダーソンがお茶目にツィングリーデスをリフトしたときの彼女ポーズがとても可愛らしかったな。


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