Who has Stolen the Bolero by Maurice Ravel

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監督:ファビアン・コー=ラール
出演:マニュエル・ロザンタール、クロード・ルルーシュ 他
制作:2016年 フランス / 53分

録画

クラシカジャパンで録画。ラヴェルの著作権と遺産問題を、「ボレロ」の制作エピソード、そしてこの大人気曲が世界中のアーティストの創作意欲をいかに掻き立てているか、という側面を交えつつ描いたドキュメンタリー。


クレジット

監督
ファビアン・コー=ラール Fabien Caux-Lahalle
出演
ジャン=フランソワ・エッセール Jean-François Heisser, ピアニスト
マニュエル・ロザンタール Manuel Rosenthal, 作曲家 / ラヴェルの直弟子
アルトゥール・ルービンシュタイン Arthur Rubinstein, ピアニスト
フロランス・モト 音楽批評家
マニュエル・コルネジョ フランス「ラヴェル友の会」会長
レオン・レイリッツ Leon Leyritz, 彫刻家
ルネ・ドマンジュ デュラン出版社長
アンドレ・シュミット 弁護士
ダニエル・エノック=マイヤール エノック出版社長
アラン・リシャール Alain Richard, 政治家
エマニュエル・ピエラ 弁護士
カトリーヌ・イリバレン 看護師
アンドレ・マルフェイ ラヴェル・アカデミー副代表
クリスチャン・ユロー SACEM法律家
クロード・ルルーシュ Claude Lelouch, 映画監督
ジャック・ラング Jack Lang, 政治家
イザベル・アタール 国民議会議員
エリザベット・ジュリアーニ 国立図書館上級司書
ハス・モーサ レゲエ歌手

感想

フランスでは2016年5月1日に著作権が消滅してパブリックドメインになっているそうですが、「ボレロ」という曲が生み出してきた著作権料の莫大さゆえ、そこには想像を絶する争いと魑魅魍魎の世界が…。ラヴェル自身は独身でその弟エドゥアールも晩婚だったため子供がなかった、というラヴェル家の周囲には次々と新たな「関係者」が登場し、もはや全くラヴェルとはなんの関係もない人たちがその莫大な遺産を争うという。

その一方で、「ボレロ」という曲そのものにも改めて魅了されます。イダ・ルビンシュタインからの依頼で誕生したこの曲は、元々準備していた曲が使えないことがわかったために短い制作期間である種実験的に作られた作品であったと。元がバレエ曲なれどアレンジして使うことがあまりないせいか、バレエの紹介はほとんどなかったのですが。ルース・ページのバレエ(YTに全編映像がありました)、そしてエポックメイキングとなった「愛と悲しみのボレロ」のためにジョルジュ・ドンが踊るところ、そしてその映画撮影風景もチラリと見ることができました。ベジャールさんも一瞬しか映らなかったなあ…。

様々にアレンジされミックスされた「ボレロ」の数々は圧巻。ラヴェル本人はアレンジに寛大だった面があるようですが、後の著作権管理者は租税回避の一方で曲のアレンジは一切認めず、高い使用料を取り…2016年に著作権が消滅するまで(アメリカではあと数年残っているとのこと)の狂詩曲には目をみはるばかりでした。まったく著作権管理者はどの世界でも…と思ったり。

日本モーリス・ラヴェル友の会が字幕監修に入っているのが素晴らしいと思います。映像内でコメントするのが、最初は音楽関係者なのにそのうち弁護士や政治家ばかりになるのも、この問題の影響力の大きさをうかがわせますね。面白かった。