Monuments in Motion - The Great Ghosts by Yoann Bourgois

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制作・演出・舞台美術:ヨアン・ブルジョワ
収録:2017年10月3-14日 パンテオン(パリ) / 54分

録画

プレミアム・シアターで録画。先月放映された「イン・ワン・コンティニュアス・ビート」と同じく« Monuments en mouvement »シリーズとして上演されたもので、こちらには津川友利江さんが参加されています。この作品は今年も上演されていますよね。


クレジット

制作・演出・舞台美術
ヨアン・ブルジョワ Yoann Bourgeois
音楽
フランツ・シューベルト Franz Schubert
衣裳
Sigolène Petey
テキスト
Le poète l'a dit by Charles Péguy (excerpt)
Philosophical prose / Promontorium somnii by Victor Hugo (except)
映像編集
ルイーズ・ナルボニ Louise Narboni

出演

Prologue:津川友利江 Yurié Tsugawa
Inertia:エリーズ・ルグロ Elise Legros / ジャン・イヴ・フォン Jean-Yves Phuong
Trajectory:ソニア・デルボスト・ヘンリー Sonia Delbost-Henry
Balance:エステル・クレマン・ビアレム Estelle Clément-Béalem / ラファエル・デュフール Raphaël Defour
Energy:ダミアン・ドルアン Damien Droin / リュカ・ストゥルーナ Lucas Struna / エミリアン・ジャヌトー Emilien Janneteau / ヨアン・ブルジョワ Yoann Bourgeois

#人名表記は NHKによる

感想

パリのパンテオンで開催されたヨアン・ブルジョワのパフォーマンス自体は「The Mechanics of History, an attempt to approach a point of suspension」というタイトルだったみたいですね。

「グレート・ゴースト~偉大なる幽霊たち~」というのはこの映像作品のタイトルなのでしょうか。パンテオンに埋葬された偉人たちを示すのかな。登場するダンサーたちがみんな亜麻色といいますかリネン色の衣装を着ているのが、パンテオンの建物に使われた石材あるいは彫刻の色のようでもあって、彼らもパンテオンに存在するゴーストのように見えなくもないけれど、そういうことなのかな?ちなみに、朗読されるテキストはシャルル・ペギーとヴィクトル・ユーゴーで、前者についてはわからないけれど、ユーゴーはパンテオンに埋葬されています。

共同制作のパリ市立劇場によれば、ブルジョワのこの作品は”a meditation on Earth’s gravity”なのだそうです。確かにどのパートも重力と戯れるかのよう。

パンテオンの中に設置した4つの装置(trampoline, turntable, precarious balancing and “Seesaw of Levity”)でそれぞれダンサーがパフォーマンスを行っていくのですが、プロローグの津川友利江さんだけは装置ではなく起き上がり小法師のような姿でゆらゆらと動きます。おそらく彼女がいる位置が普段フーコーの振り子が設置してある場所ですよね。そして彼女の周囲を、衛星のように振り子が周回する。なんて美しい光景だったことでしょう。ところで…あの振り子はその振り子なの?

ターンテーブル上の男女の関係性、Seesaw of Levityに乗る?女性。見つめながら、自分も一緒にバランスをとっているような気分になります。不安定な天秤のパートでは朗読とシューベルトの音楽がぱったり止むのですが、それに気づかないくらい二人のバランスの取り方を息を詰めて見つめてしまうんですよね。まだかまだかと思って見つめていた壁画に、ようやくピュヴィス・ド・シャヴァンヌの聖ジュヌヴィエーヌを見つけて嬉しくなったのもこのパートでした。そして最後がヨアン・ブルジョアの代名詞的な階段のついたトランポリン。

それぞれの装置のパートの合間には、パンテオンの屋上を目指す人や彫刻と一体化しようとする?人たちが映ります。屋上にたどり着いた彼がパリを見渡す様はどこか聖ジュヌヴィエーヌのよう。焼け落ちてしまったノートルダム大聖堂の尖塔がすぐ近くに見えるのに、胸が痛くなりました。

最後に津川さんを中心に配置されたそれぞれの装置が俯瞰で映るところがまたカッコイイのです。パンテオンに入場してこのパフォーマンスの光景が見えてきたなら、どれだけワクワクしたことでしょう。


この記事の更新履歴

  • 2019.06.12 - 感想書きました。