Le Corsaire / Teatro alla Scala, Milan

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振付:アンナ・マリー・ホームズ
出演:ニコレッタ・マンニ、ティモフェイ・アンドリヤシェンコ、マッティア・センペルボーニ 他
収録:2018年4月11,16,19日 ミラノ・スカラ座 / 109分

録画

NHKプレミアムシアターで録画。ミラノ・スカラ座バレエによるアンナ・マリー・ホームズ版「海賊」です。ホームズ版の映像化はABT、ENBに続いて3つめだと思いますが、美術スタッフも編曲はカンパニーによって違うし、演出もそれぞれ少し異なるので、受ける印象も変わりますね。


クレジット

振付
アンナ・マリー・ホームズ Anna-Marie Holmes
原振付
マリウス・プティパ Marius Petipa
コンスタンティン・セルゲイエフ Marius Petipa
音楽
アドルフ・アダン Adolphe Adam
チェーザレ・プーニ Cesare Pugni
レオ・ドリーブ Léo Delibes
リッカルド・ドリゴ Riccardo Drigo
オルデンブルク公爵 Prince Oldenbourg
編曲
ケヴィン・ガリエ Kevin Galiè
舞台美術・衣装
ルイザ・スピナテッリ Luisa Spinatelli
照明
マルコ・フィリベック Marco Filibeck
指揮
パトリック・フルニリエ Patrick Fournillier
演奏
ミラノ・スカラ座管弦楽団 Teatro alla Scala Orchestra
撮影
Arnalda Canali

キャスト

メドーラ(ギリシャの娘):ニコレッタ・マンニ Nicoletta Manni
ギュリナーラ(メドーラの友人):マルティナ・アルドゥイーノ Martina Arduino
コンラッド(海賊の首領):ティモフェイ・アンドリヤシェンコ Timofej Andrijashenko
ランケデム(奴隷商人):マルコ・アゴスティーノ Marco Agostino
ビルバント(コンラッドの友人):アントニーノ・ステラ Antonino Sutera
アリ(奴隷):マッティア・センペルボーニ Mattia Semperboni

ズルメア(ビルバントの恋人):アントネッラ・アルバーノ Antonella Albano
オダリスク:ヴィルナ・トッピ Virna Toppi / マリア・セレステ・ローサ Maria Celeste Losa / アレッサンドラ・ヴァッサロ Alessandra Vassallo
パシャ(トルコの総督):アレッサンドロ・グリロ Alessandro Grillo
海賊の恋人たち:エマヌエラ・モンタナーリ Emanuela Montanari / マリアフランチェスカ・ガリターノ Mariafrancesca Garritano / クリスティアン・ファゲッティ Christian Fagetti / マッシモ・ガロン Massimo Garon

感想

スカラ座の「海賊」はこのシーズンの新制作、でしたっけ。ウィーン国立バレエのルグリ版の美術も手がけたルイザ・スピナテッリがこちらの美術も手がけていてます。ホームズ版に共通する印象を残しつつゴージャスなテキスタイル使いがとても美しい。1幕 市場のバックドロップも独特でまるでジェロームの描く東方絵画のような雰囲気でした。

花園の場のチュチュの色合いが鮮やかすぎたのだけが好みから外れたけれど…その後のパシャの御殿で暮らす後宮の女たちのハーレムパンツのほうがよほど夢のように素敵でしたわ。パシャにとっては日常過ぎて夢にも見ないのはわかるけれどー。

ストーリーの荒唐無稽さをダンサーの超絶技巧と勢いで凌駕しちゃうのが「海賊」の面白さだと思うのですが、その点で観客の喝采を浴びたのがアリ役のマッティア・センペルボーニ。まだコール・ドながら大抜擢、ということでいいのかな。パ・ド・トロワのヴァリエーションとコーダに観客大盛り上がりでした。ピルエットめちゃ早くて軸が全くブレないのね。私の好みとしては、大歓声に応える際もぜひアリとして存在していてほしいのだけど、その辺りは今後のお楽しみですね。スカラ座の観客を味方に付けちゃった彼のこと、しっかり覚えておかなくては。

新プロダクションということもあってスカラ座のダンサーたちはまだ役が入りきっていないのかな、というところも散見。もう少しみんなキャラ立ちしてくれたら楽しいのに。一方で演技プラン的にそこ笑顔でいいの?と思うところがあったり…でも私も他の版の「海賊」に引きずられて視野が狭くなっているところもあるでしょうね。カメラワークに引きずられて集中できなかったところもあったし。

踊りにもう少しメリハリがほしいなーと思ったりもしたのですが、ケヴィン・ガリエの編曲ゆえかスカラ座管弦楽団が演奏するからなのか音楽にどこか上品さがあったので、この音楽なら、この舞台の世界観が正解かな、とも思い直しました。

私のスカラ座定点観測ファジェッティ君は海賊一味で、ひときわ濃い髭面さんになっておりました。せっかくフォルバンを踊っていたのに、あまり映らなくて残念…。