Dancing Beethoven

ダンシング・ベートーヴェン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]

監督:アランチャ・アギーレ
出演:マリヤ・ロマン、エリザベット・ロス、ジュリアン・ファヴロー 他
制作:2016年 スイス スペイン / 本編80分 + 特典2分

画像リンク先:amazon.co.jp - Blu-ray+DVDセット

モーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団による「第九交響曲」公演は収録され映像化されましたが、こちらはアランチャ・アギーレ監督によるメイキングドキュメンタリー。


商品情報

国内|Blu-ray+DVD(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント:BABO-81308) Release: 2018/07/04

特典映像:日本劇場版予告

クレジット

監督
アランチャ・アギーレ Arantxa Aguirre
出演
マリヤ・ロマン Malya Roman
ジル・ロマン Gil Roman
大貫真幹 Masayoshi Onuki
ジャン=ピエール・パストリ Jean-Pierre Pastori, モーリス・ベジャール・バレエ団財団理事長
ロジェ・ベルナール Roger Bernard, 美術制作
ピョートル・ナルデリ Piotr Nardelli, 振付指導
ジョン・ホープウェル John Hopewell, 作家
カテリーナ・シャルキナ Kateryna Shalkina
キーラ・カルケヴィッチ Kyra Karkevitch
ジュリアン・ファヴロー Julien Favreau
吉岡美佳 Mika Yoshioka
三浦雅士 Masashi Miura, 評論家
飯田宗孝 Munetaka Iida
キャサリーン・ティエルヘルム Kathleen Thielhelm
オスカー・シャコン Oscar Chacon
那須野圭右 Keisuke Nasuno
エリザベット・ロス Elizabet Ros
ズービン・メータ Zubin Mehta
アランナ・アーキバルド Alanna Archibald
Simon Hoffman チェリスト
収録
「第九交響曲」
振付:モーリス・ベジャール Maurice Bejart
音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven
クリスティン・ルイス Kristin Lewis, Soprano
藤村実穂子 Mihoko Fujimura, Contralto
福井敬 Kei FUkui, Tenor
アレクサンダー・ヴィノグラードフ Alexander Vinogradov, Basseu
栗友会合唱団 Ritsuyukai Choir

Bejart Ballet Lausanne

Carme Maria Andres / Alanna Archibald / Jasmine Cammarota / Lisa Cano / Cosima Munoz / Mari Ohashi / Marsha Rodriguez / Elisabet Ros / Kateryna Shalkina / Kathleen Thielhelm / Aldriana Vargas Lopez / Pauline Voisard / Catherine Zuaznabar / Clelia Mercier / Chiara Posca

Gabriel Arenas Ruiz / Javier Casado Suarez / Oscar Chacon / Julien Favreau / Fabrice Gallarrague / Mattia Galiotto / Kwinten Guilliams / Valentin Levalin / Iker Murillo Badlola / Keisuke Nasuno / Hector Navarro / Masayoshi Onuki / Vito Pansini / Juan Pulled / Laurence Rigg / Felipe Rocha / Vitali Safronkine / Juan Sanchez / Jiayong Sun / Denovane Victoire / Connor Barlow / Ergys Lalaj / Kevin Lila / Antony Maestre Benitez / Angelo Perfido

Tokyo Ballet

吉岡美佳 / 上野水香 / 乾友子 / 高木綾 / 奈良春夏 / 渡辺理恵 / 村上美香 / 吉川留衣 / 岸本夏未 / 矢島まい / 川島麻実子 / 河合眞里 / 小川ふみ / 伝田陽美

柄本弾 / 梅澤紘貴 / 安田峻介 / 杉山優一 / 吉田蓮 / 松野乃知 / 原田祥博 / 和田康佑 / 岸本秀雄 / 宮崎大樹 / 上瀧達也 / 山田眞央 / 河上知輝

引用作品

「春の祭典」 Le sacre du printemps
「ボレロ」 Bolero
「ライト」 Light
「3人のソナタ」 Sonate a trois
振付:モーリス・ベジャール

感想

2014年2月、雪に覆われたローザンヌから、春の東京、夏のローザンヌ、そして秋の東京へと9ヶ月間、第九と同様に四つのパートからなっています。案内役はジルとキーラ・カルケヴィッチのお嬢さん、マリヤ・ロマン。女優さんだそうですね。

ダンサー、オーケストラ、合唱団の総勢350人からなる「第九交響曲」の準備がメインで、ダンサーたちのリハーサルの様子が見られますし、少しですが合唱団やオーケストラの準備の様子なども見られます。大小のアクシデントはあっても大げさにドラマを盛り上げるのではなく、「成るように成る、収まるところに収まる」ように映画は進みます。映画の中で再三出てきた「円」を描くように。

そこに、この人類愛と歓喜に溢れた作品に向き合う人たちのドラマも共鳴して行くのが面白い。最初は、案内役のマリヤ・ロマンがカンパニーの中で育った”ベジャールの赤ちゃん”だったことが彼女と両親との会話から伝わります。「キャリアの途中で出産することでどんな犠牲を払った?」と質問するマリヤに、母親のカルケヴィッチが「犠牲を払ったとは思わないわ」と即答。「お前が欲しかったのよ」と言われてはにかむ彼女が少しだけ身近に感じました。きっと女性にとってダンサーという仕事がどういうものか知った頃から、マリヤの中にはそんな疑問が恐れとともにあったのかもしれませんね。両親がダンサーという環境にあってもダンサーにならなかったマリヤが、彼女のゆりかごだったスタジオの中ではなく、外からガラス越しに稽古を熱心に眺めている様子もどこか象徴的でした。

そして第2幕のソリストにキャスティングされていたシャルキナが懐妊、という予想外のドラマも。シャルキナは「これからの道筋は子供が決めると思う。ご両親と同じよ」、オスカーは「子供はダンサーにはしないよ、スイスで生まれたらちゃんと勉強させないと」と、それぞれマリヤのインタビューに答えていたのも印象に残ります。2018年の今は二人ともBBLを離れ、夫婦とも別のカンパニーで古典を踊ったりもしている訳で、本当に人生ってわからないなーとも。

東京パートでは三浦さんが全てのインパクトをかっさらっておりました。東京バレエ団のリハーサルは短めだったけれど、吉岡美佳さんのインタビューあり。BBL大貫真幹さんのリハーサル映像が結構たっぷりあって、その美しい踊りを堪能できたのは嬉しかったです。

全体としては、タイトルが予想させるものよりは作品メイキングの色合いは薄めでありました。マリヤ・ロマンの半生を振り返るかのようなところもあって、BBLと東京バレエ団のドキュメンタリーを求めていた人にはもどかしさがあったのではないかとも。様々な人間模様が多層的に織りなして1つの映画になっているのは、どこかベジャールさんの振り付けにつながるかも、と思いながら見ました。


Official Trailer

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