Noé (Noah) / Malandain Ballet Biarritz

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振付:ティエリー・マランダン
出演:ミカエル・コント、イルマ・ホフレン 他
収録:2017年5月10-24日 シャイヨー宮国立劇場 / 72分

録画

クラシカジャパンで録画。2017年1月にスペインのサン・セバスティアンで世界初演された作品のフランス初演時に収録されたものだそうです。


クレジット

振付・演出
ティエリー・マランダン Thierry Malandain
音楽
ジョアキーノ・ロッシーニ:グローリア・ミサ Gioacchino Rossini: Messa di Gloria
装置・衣装
ホルヘ・ガラルド Jorge Gallardo
照明
フランシス・マナエール Francis Mannaert
映像監督
パトリック・ラウゼ Patrick Lauze

キャスト

ノア:ミカエル・コント Mickaël Conte
ノアの妻エムザラ:イルマ・ホフレン Irma Hoffren
カイン:フレデリック・ディベール Frederik Deberdt
アベル:アルノー・マウイ Arnaud Mahouy
セト:ミカエル・ガルシア Michaël Garcia
セム:ラファエル・カネ Raphaël Canet
ハム:バプティステ・フィッソン Baptiste Fisson
ヤペテ/烏:ユゴー・レイエ Hugo Layer
アダム:ダニエル・ビスカヨ Daniel Vizcayo
イヴ:パトリシア・ベラスケス Patricia Velázquez
鳩:クレール・ロンシャン Claire Lonchampt

Ione Miren Aguirre / Clemence Chevillotte / Romain Di Fazio / Clara Forgues / Mathilde Labe / Guillaume Lillo / Nuria Lopez Cortes / Ismael Turel Yague / Allegra Vianello / Laurine Viel / Lucia You Gonzalez

# 日本語表記はクラシカジャパンより。

感想

「ノアの方舟」を元に描かれた作品で、これまで見たティエリー・マランダンの振付作品と比べると、より大きなテーマを明確に打ち出したもののように感じました。

冒頭は、人類最初の殺人と言われるカインによるアベル殺害が示されます。フレデリック・ディベールとアルノー・マウイのパ・ド・ドゥは美しく、悲しい。しかしこの作品でその魅力を存分に発揮したのはノア役のミカエル・コント、そして最後に鳩役で登場するクレール・ロンシャンでした。コントの柔らかい背中と美しい四肢を存分に使った踊りは本当に魅力的でした。ロンシャンは中盤でバプティステ・フィッソンと踊ったパ・ド・ドゥをはじめ、印象的なダンスをなんども披露していました。最後の鳩の、白いドレス姿も素敵だったなあ。

洪水がおさまった後の世界で繰り広げられる歓喜のダンスの後で、再びカインがアベルを手に掛ける場面で幕。しかし2回目のそれは、オープニングとは違ってもっと確信的な「悪事」でした…。歓喜の後に見るだけに衝撃の強いラストです。

群舞の踊りは、なんだろう、ロッシーニだからかもしれないのですが、なんとなくベジャールさんのバレエを思い出させました。人類愛と生命力に満ちたダンス。この作品でのマランダンの振付は、組んで踊る面白さより個々のムーヴメントが増幅する効果を狙っているようでした。それが面白くないということではなく、あまり長く続くと飽きるなー、という。その中では上に書いたカインとアベルが強く印象に残りますし、そして中盤のクレール・ロンシャンとバプティステ・フィッソンのもの、そして終盤に踊られるいくつかのデュエットもダンスを見る喜びを感じさせるものでした。