Ingmar Bergman: Through the Choreographer’s Eyes

イングマール・ベルイマン-振付師の目を通して

監督:フレデリック・スタッティン
出演:アレクサンダー・エクマン 他
収録:2016年7月1日 フォーロー島(スウェーデン) / 本編51分 + 特典39分

画像リンク先:amazon.co.jp - 国内仕様DVD

NHKプレミアムシアターでも放映されましたが、私はBDを買って積んでおりました(とほほ…)。ベルイマンの生誕100年を記念して制作されたもので、4人のスウェーデンの振付家たちがフォーロー島にあるベルイマンの自宅でインスピレーションを得て作り上げた作品を収録しています。2017年のGolden Prague国際映画祭で特別賞受賞、とのこと。


商品情報

特典映像:ビハインド・ザ・シーンズ(制作の裏側)
字幕:日本語、英語、フランス語、韓国語

海外|DVD(Bel Air Classiques:BAC149) Release: 2018/03/16

FORMAT:NTSC / REGION:0

海外|Blu-ray(Bel Air Classiques:BAC449) Release: 2018/03/16

クレジット

Produced by
フレデリック・スタッティン(ノルディスク・ドラマ&ドキュメンター) Frederik Stattin, Nordisk Drama & Dokumentär
エグゼクティブ・プロデューサー
イングマール・ベルイマン Jr Ingmar Bergman Jr
マリー=ルイーズ・シド=シルヴァンダー Marie-Louise Sid-Sylwander

収録

「ベルイマンとダンスへの想い」 Some thoughts on Bergman and dance

振付・ダンス:アレクサンダー・エクマン Alexander Ekman
スクリプト:アレクサンダー・エクマン Alexander Ekman / イングマール・ベルイマン Ingmar Bergman
音楽:フレデリック・ショパン 夜想曲第2番 変ホ長調 Frédéric Chopin, Nocturne No. 2 in E flat major

映像:「野いちご」 Smultronstället (Wild Strawberries)
「恥」 Skammen (The shame)
「狼の時刻」 Vargtimmen (Hour of the Wolf)


「Samband - Band - Saraband」
振付:ペル・イスベルイ Pär Isberg
音楽:J.S.バッハ:チェロ組曲 Johann Sebastian Bach, Cello Suites
チェロ独奏:トルレイフ・テデーン Torleif Thedeen

ダンサー:ナージャ・セルラップ Nadja Sellrup / オスカー・サロモンソン Oscar Salomonsson


「A Pre-Study」

振付・ダンス:ポントゥス・リドベルイ Pontus Lidberg
音楽:ステファン・レヴィン Stefan Levin
声:スティナ・エクブラッド Stina Ekblad
ドラマツゥルギー:エイドリアン・シルヴァー Adrian Silver
馬丁:イサベレ・ルンドベルイ Isabelle Lundberg
馬:スヴィエ Svie


「Onapers」

振付:ヨアキム・シュテフェンソン Joakim Stephenson
音楽:ステファン・レヴィン Stefan Levin

ダンサー:ナターリエ・ノルドクィスト Nathalie Nordquist / イェニー・ニルソン Jenny Nilson

# 日本語標記は輸入元情報より。一部独自のものに変更しています。

感想

2016年7月、イングマール・ベルイマンが晩年を送ったフォーロー(フォーレ)島で開催された”Bergman Week”というフェスティバル期間中に、4人の振付家がこのフォーレ島でベルイマンにインスピレーションを受けて作った作品を世界初演・収録したものとのこと。DVD/Blu-ray化された映像作品としては、この4作品を繋ぐようにベルイマンのモノローグと島の風景などが収録されています。上演の舞台となったのは、1991年まではスウェーデンの軍事基地だったというブンゲ格納庫で、他にベルイマンの自宅とフォーロー島の屋外の映像も使われています。

私はこの中でインスピレーションの元となったであろうベルイマン映画は「ファニーとアレクサンデル」しか見ていないので、単純にダンス映像としての感想になってしまいますが…先ずはアレクサンダー・エクマンの自作自演がなんとも良かったです。エクマンってまずダンサーとしてとても魅力があるんですよね。恵まれたプロポーション、こちらも微笑まずにいられない笑顔やちょっと皮肉の効いたユーモア。録音した一人語りを流しながら踊るのですが、時に観客とグッと距離を縮めるような仕掛けもあって、観客たちも大喜び。

「Samband - Band - Saraband」はペル・イスベルイの振付作品。メイキングのインタビューによれば、彼の両親が新婚旅行に行った頃、1950年代のヨーロッパを無理なく表現したかった、と。映画「サラバンド」とリンクしている部分があるのかどうか…。スウェーデン・ロイヤル・バレエのセルラップとサロモンソンがセスナで降り立った男女の、一瞬ごとに関係性が変わるようなパ・ド・ドゥを踊ります。タイトルのうち、Sambandは関係性という意味の他に軍事通信というような意味もあるみたい。踊られた場所に由来するタイトル、って感じなのかなあ。イスベルイの振付はネオクラシックで、普通のお洋服と靴で整備場の床で踊るから舞台の上のような綺麗な形にはならないのだけど、心理的陰影もダンスもたっぷりでとても魅力ある作品でした。

3つ目の「A Pre-Study」はポントゥス・リドベルイの自作自演。本人と、スヴィエちゃんという馬(と馬丁さん)がいます。流れる台詞は「ファニーとアレクサンデル」かな…。

最後の「Onapers」は佳作。ヨアキム・シュテフェンソンの振付で、出演はスウェーデン・ロイヤル・バレエのノルドクィストと17年に引退した同イェニー・ニルソン。これは「仮面/ペルソナ」からインスピレーションを得たのだろうと思われますが、二人の静かでありつつ力強い表現力、演技に引き込まれました。女性二人のパ・ド・ドゥは男性の力に頼れない分、互いの体を使って作用し合う関係性があって、これって映画の世界そのものだと目から鱗でした。

特典映像には関係者のコメントと、彼らとともにフォーレ島を巡って歩くようでもあり。ベルイマン大好きな人には聖地ですね。奇岩の並ぶ海岸も美しく、とても魅力的な場所だと思いました。イスベルイが、ベルイマンは映画において振付家と同じことをしている、と言っていたのが印象に残っています。


Official Trailer

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