The Fountain of Bakhchisarai / Mariinsky Ballet

noimage

振付:ロスチスラフ・ザハロフ
出演:ヴィクトリア・テリョーシキナ、アナスタシア・マトヴィエンコ 他
収録:2017年5月27,28日 マリインスキー劇場 / 114分

録画

プレミアムシアターで録画。「バフチサライの泉」全幕の貴重な収録です。


クレジット

振付
ロスチスラフ・ザハロフ Rostislav Zakharov
音楽
ボリス・アサフィエフ Boris Asafiev
台本
ニコライ・ヴォルコフ Nikolai Volkov
原作
アレクサンドル・プーシキン Alexander Pushkin
舞台美術・衣装
ヴァレンティナ・ホダセヴィチ Valentina Khodasevich
指揮
ボリス・グルージン Boris Gruzin
演奏
マリインスキー劇場管弦楽団 The Mariinsky Orchestra
映像監督
Olivier Simonnet

キャスト

アダム公爵(ポーランドの貴族):アンドレイ・ヤコブレフ Andrei Yakovlev
マリア(アダム公爵の娘):アナスタシア・マトヴィエンコ Anastasia Matvienko
ヴァーツラフ(マリアの花婿):ザンダー・パリッシュ Xander Parish
ギレイ(クリミア・ハン国の王):ロマン・ベルヤコフ Roman Belyakov
ザレマ(ギレイの妻):ヴィクトリア・テリョーシキナ Viktoria Tereshkina
ヌラリ(ギレイの臣下):グリゴリー・ポポフ Grigory Popov

感想

プーシキンが追放処分を受けてバフチサライに寄った際に見た”涙の泉”のいわれを元に書いた物語詩から作られたバレエ。たっぷりと序曲を聞かせた後にプロローグ・エピローグ付き全4幕というのはなかなかのボリュームですよね。主な登場人物は、ギレイに父と恋人を殺され連れ去られたマリア、マリアを嫉妬から刺し殺し処刑されるギレイの第一寵妃ザレマ、そして自分に心を開くことのないまま死んだマリアをひたすらに嘆き続けるクリミア・ハン国王ギレイ。誰も幸せにならない物語ですね…。ストーリーに関しては、ギレイがもう少ししっかりしてくれませんと、という感想しか浮かびません。

このお話、長い上演時間に故に冗長なところもあるのですが、その分バラエティに飛んだ踊りの見せ場がたっぷり用意されています。第1幕にはポロネーズ、マズルカなどポーランドの民族舞踊と恋人たちのロマンティックなパ・ド・ドゥ。第2幕は後宮の女たちの踊りとギレイの愛を取り戻そうとするザレマの踊り、第3幕にマリアとザレマの対決、第4幕に儀礼の臣下ヌラリたちのタタールの勇壮なダンス。中でも見所は4幕のタタールダンス。ヌラリ役のグリゴリー・ポポフの踊りが素晴らしいです。

マリア役のマトヴィエンコ、美しいポーランド貴族の娘をよく演じていたと思います。ダンサーとして充実期にあるのかな、と。恋人ヴァーツラフ役のザンダーも爽やかノーブル。ギレイはほとんどが苦悩している演技だけれど、ベリヤコフはちょっと一本調子かな、とも。でも元々がそういうキャラクターなのだろうしねえ。テリョーシキナのザレマは誇り高く愛に生きていて、差し出す腕や脚で心が語られるのは流石。ホント好き。でもザレマとしたら、もっと激しいものが出てもよかったのかな、とも。

古い映像ではマリアをガリーナ・ウラノワ、ザレマをマイヤ・プリセツカヤが踊っているものがあり、バレリーナにとってザレマは「スパルタクス」のフリーギアや「愛の伝説」のメフメネ・バヌーみたいな位置づけの役なのかな、と思っているのですが。

全幕でしっかり見たら、2幕でギレイの心がマリアに移ったと知ったザレマを嘲笑する他の寵妃たち、とか割と面白いものがちょいちょい挟まっているのですね。歴史あるプロダクション、いろいろ発見があって楽しかったです。