Swan Lake / The Royal Ballet, 2012

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演出:アンソニー・ダウエル
出演:ゼナイダ・ヤノウスキー、ネヘミア・キッシュ 他
収録:2012年10月23日 コヴェントガーデン王立歌劇場 / 140分

録画

WOWOWで2012年のロイヤル・バレエ「白鳥の湖」が放映されました。未ソフト化の、ヤノウスキーとキッシュが主演の映像。これ本当に嬉しかった。WOWOWさん、今後も世界のカンパニーが映画館中継した映像を放映してくれたらいいのになー。


クレジット

振付
マリウス・プティパ Marius Petipa
レフ・イワノフ Lev Ivanov
追加振付
フレデリック・アシュトン Frederick Ashton (Act III Neapolitan Dance)
デイヴィッド・ビントレー David Bintley (Act I Waltz)
音楽
P.I. チャイコフスキー P.I. Tchaikovsky
演出
アンソニー・ダウエル Anthony Dowell
美術
ヨランダ・ソナベント Yolanda Sonnabend
照明
マーク・ヘンダーソン Mark Henderson
プロダクションコンサルタント
ローランド・ジョン・ワイリー Roland John Wiley
上演指導
クリストファー・カー Christopher Carr
指揮
ボリス・グルージン Boris Gruzin
演奏
ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 Orchestra of the Royal Opera House
映像
ロス・マクギボン Ross MacGibbon

キャスト

オデット/オディール:ゼナイダ・ヤノウスキー Zenaida yanowsky
ジークフリート王子:ネヘミア・キッシュ Nehemiah Kish
王妃:エリザベス・マクゴリアン Elizabeth McGorian
ロットバルト:ギャリー・エイヴィス Gary Avis
家庭教師:アラステア・マリオット Alastair Marriott
ベンノ:ヴァレリー・ヒストリフ Valeri Hristov

Act I
Pas de Trois:Helen Crawford / Yuhui Choe / Alexander Campbell
Chaperones:Tara-Brigitte Bhavnani / Nathalie Harrison
A General:David Pickering
Young Girls, Daughters of the Ladies-In-Waiting:Ellie Young / Tori Forsyth-Hecken
Waltz:Emma Maguire / Paul Kay
Christina Arestis / Claire Calvert / Laura McCulloch / Kristen McNally
Ryoichi Hirano / Valeri Hristov / Kenta Kura / Brian Maloney
Polonaise:Artists of the Royal Ballet

Act II
Cygnets:Meaghan Grace Hinkis / Emma Maguire / Elizabeth Harrod / Sabina Westcombe
Two Swans:Hikaru Kobayashi / Itziar Mendizabal

Act III
Lord Chamberlain:David Pickering
Six Princesses:Tara-Brigitte Bhavnani / Claire Calvert / Melissa Hamilton / Emma Maguire / Laura McCulloch / Kristen McNally
Spanish Dance:Deirdre Chapman / Itziar Mendizabal / Johannes Stepanek / Ryoichi Hirano
Czardas:Helen Crawford / Bennet Gartside
Artists of the Royal Ballet
Neappolitan Dance:Laura Morera / Ricardo Cervera
Mazurka:Christina Arestis / Jacqueline Clark / Olivia Cowley / Demelza Parish / Sander Blommaert / Kenta Kura / Jonathan Watkins / Thomas Whitehead

Act IV
Two Swans:Hikaru Kobayashi / Itziar Mendizabal
Swans, Cygnets, Peasants, Ladies-in-Waiting, Cadets, Servants, Pages, Dwarves:Artists of the Royal Ballet, Students of the Royal Ballet School

感想

6年前の映像だと流石にダンサーの入れ替わりを実感しますね。今も活躍しているダンサーは皆ちょっとずつ若く、いなくなったダンサーたちはとても懐かしい。1幕で時々背景がチラチラしていたのは私の視聴環境のせいなのかな。もしWOWOWで再放送があったらそのあたりをもう一度確認してみたいです。

キッシュさん、演技派ダンサーなのですね、知らなかったです。大げさなことはしないのに、画面越しに彼から伝わってくる情報量がすごく多くて驚きました。王子がトロワの女性の手の甲にキスするの、ゴールディングは礼儀って感じだったけどキッシュさんは本気で口説きにかかっているし… 相手がユフィちゃんだからっていいけど(何が・笑)。オデットに出会って親身に事情を聞いた後、優しく抱き寄せる仕草も口説きモードだったものなあ。そのくせ母親が来たら一目散で駆け寄っていく後ろ姿はくっきりマザコンだし。映画館中継用の映像だから余計にそう感じるのでしょうか、劇場で見たらどんな感じだったのかしら。

華麗なテクニックで自己主張するタイプではないけれど、身長が高いから見栄えがしますね。コンディション万全でなさそうなゼナイダのサポートも優しくしっかりしていて好印象。そう、ゼナイダは脚の故障でも抱えていたのでしょうかね。ポワントが不安定だったし、グランフェッテはほぼシングルで回りきったけれど、負担の少ない振付に変えている部分もいくつかありました。

身長の高さもあって、まさに白鳥の女王といった佇まい。2幕ではまるで白鳥たちの全責任を背負っているかのようで、自分が人間に戻れる日があるという希望も持っていないかのよう。だから、王子に心を開いて好意を抱くのも他の白鳥よりちょっと遅めで、ゆっくり心をかわしていく、大人の恋物語でした。王子への説明のマイムも1つ1つに感情がこもっていて、見ほれてしまいます。

3幕のオディールは華やかでした。あまり大げさでなく王子を魅力で絡め取っていくというか。キッシュ王子はオディールが登場した瞬間に彼女をオデットだと信じ込んでいるように見えたから、あとは簡単よね。演技派の二人だけにエンディングもドラマティックに感じました。

定点観測の家庭教師マリオットさん、この時はスキットルではなくカップでお酒をお召しでした。確かにスキットルの方がわかりやすいですよね。後ほどぐでんぐでんになる将校は平野さん。こちらはスキットルを取り上げられておりました。酔っ払い方が若くて可愛い。そして、少し戻りますが王子と村人たちとの乾杯のシーンでは、村娘のオリヴィア・ カウリーが飲む前から興味津々で、飲んでみたら思わず一気飲みして「ふぅー」なんて細かい演技をしていました。こちらも可愛い。他の映像にもこんな酔い方をした子がいたかな?あとで確認してみよう…。

この乾杯の前に村人たちがリボンを手にしていくところ、よく見たら後ろでトロワのユフィちゃんが介添人に髪の毛を直されながら色々言い含められているのが見えました(しっかり踊って王子に気に入られるのよ!的な)。細かいところまで流石ですよね。日本公演に持って来てくれた時には見ていないのですが、あちこち気になって複数回通うハメになっていたことでしょう。

それともう1つ気になることがありまして。2009年のヌニェス/ソアレス、そして2015年のオシポワ/ゴールディング、撮影は全てマクギボンさんなのですが、1幕で王妃が登場する場面で集まった人たちの最敬礼をにこやかに受けながら進む王妃が、舞台下手一番前にいるベンノを見てちょっと顔がこわばるんですよね。それを受けてベンノも微妙な表情になる、というところが毎回しっかり映っているのです。きっと何か意味があるのだろうと思うのですが、いつも王子を遊びに誘うベンノを快く思っていないだけ?それともこの二人に何かがあると仄めかされているのでしょうか。実際この場面以外はこの二人が絡む様子は見られないから、ベンノがよく思われてないだけ、が正しい気もする…。