English National Ballet in Paris

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監督:ウィリアム・トレヴィット、マイケル・ナン
出演:タマラ・ロホ 他
制作:2016年 / 60分

録画

NHKプレミアムシアターで録画。タマラ・ロホ芸術監督のもと、パリ・オペラ座 ガルニエ宮での「海賊」上演(2016年6月21-25日)を成功させたENB。その時の模様をバレエボーイズのナンとトレヴィットが撮影したドキュメンタリーです。


クレジット

監督
ウィリアム・トレヴィット William Trevitt
マイケル・ナン Michael Nunn
コメント(登場順)
トニー・リッツィ Tony Rizzi, ダンサー・振付家
タマラ・ロホ Tamara Rojo, ENB芸術監督
アリーナ・コジョカル Alina Cojocaru
ジェームズ・ストリーター James Streeter
クセニア・オフシャニク Ksenia Ovsyanick
ローレッタ・サマースケールズ Laurretta Summerscales
シュヴェル・ディノット Shevelle Dynott
ベゴーニャ・カオ Begoña Cao
エミリオ・パヴァン Emilio Pavan
加瀬栞 Shiori Kase
イサック・エルナンデス Isaac Hernández
ロイパ・アラウホ Loipa Araújo, ENB副芸術監督
コニー・ヴォールズ Connie Vowles
高橋絵里奈 Erina Takahashi
ドミニク・ヒッキー Dominic Hickie
イレク・ムハメドフ Irek Mukhamedov, ENB主席バレエマスター
ガヴィン・サザーランド Gavin Sutherland
Hua Fang Zhang
佐々木陽平 Yohei Sasaki

# ムハメドフより後に登場したスタッフについてはクレジットがなかったので当方調べ。サザーランドさんの前に出て来た方だけお名前がわかりませんでした。

感想

最初にこのドキュメンタリーを見始めた時は誰が監督かは知らなかったのですが、編集にウィットがあり、聞き手と話し手の間にも温かい交流があるのをを感じて心地よさがありました。「なんかこの感じ知ってる…」と思いながら見ていたら、最後にトレヴィットとナンの名前があり「そうか!」と。彼ららしいドキュメンタリーでした。納得。

タマラ・ロホを芸術監督に迎え新作「海賊」の上演を成功させたENBが、バンジャマン・ミルピエ芸術監督(当時。この映像にもパーティで談笑する様子は映っていましたが、コメントはなし)のもとパリ・オペラ座バレエに招聘されてガルニエ宮で「海賊」を上演。その貴重な機会を取材したのが今回のドキュメンタリーです。一番多く時間が割かれているのはタマラのインタビューですが、若い頃からテクニックも強く明確な意見を持ったパーソナリティというイメージに加えて、ユーモアやキュートなところもしっかり見せてくれるのは流石の手腕。

タマラの芸術監督とダンサーの兼業について、アリーナ・コジョカルを迎え入れたこと、ダンサーたちがバレエを始めた年齢や彼らのキャリアと夢、古典のカンパニーの新しい方向性、主席バレエマスターのムハメドフ以下充実した指導者たち、、などインタビュー中心に、如何にカンパニーが大きな情熱を持って日々取り組んでいるか、家族のように近しいかなどが語られます。語り手それぞれの個性も垣間見えてカンパニーに親近感も湧いて来ました。

一番のナイスキャラはジェームズ・ストリーターかもしれません。ちょっと紅潮した笑顔で男の子がバレエを習う精神的プレッシャーをさらりと触れたり、今の所キャリアは怖いくらい順調だし、カンパニーで絵里奈と出会えたのは幸運だった、などと。高橋絵里奈さんとストリーターのご夫妻は同じ部屋でインタビューを受けていたらしく、相手が自分のことを話しているのが聞こえた時の反応が可愛らしい。素敵なご夫婦ですね。

オフシャニクがこのシーズンを最後にベルリンへプリンシパル待遇で移籍することについても本人のコメントと、タマラのコメント。ハイライトは、途中のインタビューで「プリンシパルになりたい」と話していた加瀬さんが、ガルニエでの公演後に登場したタマラ・ロホのスピーチでプリンシパル昇進を告げられたことでしょうか。

そして最後のパートには、スタッフやダンサーたちが「海賊」のストーリー紹介を試みます。これ、ABT「海賊」でも同じような流れがあるのですが、実際説明は難しいですよね。佐々木陽平さんがいい味出してました。お元気そうで嬉しい。

合間にはガルニエ宮の舞台で踊るダンサーたちの様子もたっぷり。ガルニエの舞台傾斜に合わせた床を準備して臨んだそうですが、今までのどの映像より傾斜がはっきりわかったように思います。オダリスクの一人として踊る金原さん、猿橋さんと加瀬さんの奴隷の踊りなどもありました。

オリジナルのエンドクレジットは入っていなかったのですが、終わり方もバレエボーイズの二人らしい。良いドキュメンタリーでした。