The Nutcracker / New National Theatre Ballet

くるみ割り人形 ウエイン・イーグリング振付 新国立劇場バレエ団 オフィシャルDVD BOOKS (最新バレエ名作選)

振付:ウェイン・イーグリング
出演:小野絢子、福岡雄大 他
収録:2017年11月3日 新国立劇場オペラパレス / 109分 + 特典映像37分

画像リンク先:amazon.co.jp - DVD BOOK

ウェイン・イーグリングが振付を手がけた新制作の「くるみ割り人形」がDVD BOOKとして登場。新国立劇場バレエのDVD BOOKシリーズで2つ目の「くるみ割り人形」ですね。小野絢子さんと福岡雄大さんの看板ペアが主演。


商品情報

国内|DVD BOOK(世界文化社:978-4418180011) Release: 2018/04/26

特典映像:新制作リハーサル / 主演ダンサー・インタビュー

クレジット

振付
ウエイン・イーグリング Wayne Eagling
音楽
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky
美術
川口直次
衣裳
前田文子
照明
沢田祐二
指揮
アレクセイ・バクラン Alexei Baklan
演奏
東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmonic Orchestra
合唱
東京少年少女合唱隊

キャスト

クララ / こんぺい糖の精:小野絢子
ドロッセルマイヤーの甥 / くるみ割り人形 / 王子:福岡雄大
ドロッセルマイヤー:菅野英男
ねずみの王様:奥村康祐
クララ(こども):亀井瑠奈
フリッツ:大澤雄帆
ルイーズ:細田千晶
乳母:丸尾孝子
シュタルバウム:貝川鐵夫
シュタルバウム夫人:本島美和
クララの祖父:福田圭吾
クララの祖母:菊地飛和
ルイーズの友達:五月女遥 / 石山沙央理 / 原田舞子
詩人:宝満直也
青年:原健太
老人:髙橋一輝
召使い:太田寛仁 / 小川尚宏 / 土方萌花 / 廣田奈々 / 渡邊拓明 / 渡部義紀
スケートをする人々:中島駿野 / 小野寺雄 / 木村優子 / 関晶帆 / 八木進
瀧川雄太 / 田林真葵
客人たち:寺井七海 / 中田実里 / 若生愛 / 朝枝尚子 / 木村優子 / 関晶帆 / 守屋朋子 / 関優奈
小柴富久修 / 清水裕三郎 / 趙載範 / 中島駿野 / 福田紘也 / 佐野和輝 / 中島瑞生 / 浜崎恵二朗 / 門脇紅空 / 髙瀬水綺 / 高橋爽帆 / 田林真葵 / 中台ひまり / 望月紗栞
陶山湘 / 瀧川雄太 / 竹川海璃 / 竹川璃央 / 沼部太亮 / モレノ哲生
聖ニコラス:中家正博

兵士たち:趙載範 / 中島駿野 / 福田紘也 / 太田寛仁 / 小川尚宏 / 中島瑞生 / 浜崎恵二朗 / 渡邊拓朗
陶山湘 / 瀧川雄太 / 竹川海璃 / 竹川璃央 / 沼部太亮 / モレノ哲生
ねずみたち:宝満直也 / 宇賀大将 / 小野寺雄 / 佐野和輝 / 髙橋一輝 / 八木進
小ねずみたち:門脇紅空 / 髙瀬水綺 / 高橋爽帆 / 田林真葵 / 中台ひまり / 望月紗栞
騎兵隊長:原健太
軽騎兵:赤井綾乃 / 清水理那 / 稲村志穂里 / 関優奈

雪の結晶:飯野萌子 / 広瀬碧
川口藍 / 仙頭由貴 / 玉井るい / 中田実里 / 益田裕子 / 若生愛 / 朝枝尚子 / 石山沙央理 / 今村美由起 / 加藤朋子 / 菊地飛和 / 北村香菜恵 / 木村優子 / 小村美沙 / 柴田知世 / 清水理那 / 関晶帆 / 原田舞子 / 土方萌花 / 廣川みくり / 廣田奈々 / 守屋朋子 / 山田歌子 / 横山柊子

スペインの踊り:寺田亜沙子 / 渡辺与布 / 木下嘉人
アラビアの踊り:木村優里 / 小柴富久修 / 清水裕三郎 / 趙載範 / 中島駿野
中国の踊り:奥田花純 / 宝満直也 / 八木進
ロシアの踊り:福田圭吾 / 貝川鐵夫 / 本島美和
赤井綾乃 / 加藤朋子 / 柴田知世 / 廣川みくり
蝶々:細田千晶
花のワルツ:柴山紗帆 / 飯野萌子 / 原健太 / 浜崎恵二朗
川口藍 / 玉井るい / 中田実里 / 益田裕子 / 若生愛 / 今村美由起 / 小村美沙 / 原田舞子 / 土方萌花 / 山田歌子 / 趙載範 / 中島駿野 / 福田紘也 / 宇賀大将 / 太田寛仁 / 小川尚宏 / 佐野和輝 / 髙橋一輝 / 中島瑞生 / 渡邊拓朗

感想

新国立劇場バレエの「くるみ割り人形」は今回のイーグリング版で3プロダクションめ、ですね。劇場では見られず、この映像で全編を始めて見ました。今回は辛口ですので、このプロダクションを好き!楽しい!と思った方はどうぞブラウザを閉じてUターンなさってください。ダンサーと舞台スタッフは素晴らしい仕事をしているだけに、大好きな新国のダンサーさんたちにはもっと素晴らしい作品を踊ってほしい!と残念だし腹が立つんです…。


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さて、イーグリングの新国立劇場バレエへの振付作品は「眠れる森の美女」に続いて2作目。カンパニーのレベルの高さに合わせて振付の難易度をあげました!みたいな話が事前に流れて来ていて、実際にとてもチャレンジングな振付になっていたと思います。そしてダンサーさんたちは見事に踊りきっていて流石でした。ただ、その振付が好みであったかといえば、、私にはあまり音楽的にも思えなかったし、振りが物語を紡いでいるようにも見えなかったのが残念でした。

演出も好みではなかったです。イーグリングは芸術監督を務めていたオランダ国立バレエのイーグリング/ヴァン・スハイク版(以下HNB版)、同じく芸術監督だったENBの他、ハンガリー国立バレエでも「くるみ割り人形」を手がけているようですが、画像検索で見た感じだと、新国のはENBの版に近いのかな。そのENB版にしてもHNB版を下敷きにしていると思うのですが。

ENB版は見ていないのでわかりませんが、HNB版は1810年頃のアムステルダムの聖ニコラスの降誕祭の日の物語としてよく出来ていたと思うのです。が、そこからオランダのご当地性を抜いてクリスマスを当てはめて筋を通すことにはあまり成功していないように見えました。この「くるみ割り人形」に限らない話ですが、今の時代古典バレエの改定に当たってもドラマトゥルクを入れて相応の準備をしないと、観客を満足させるのは難しいのではないかしら、とも。


あまりネガティブなことばかり書いても私も悲しくなるので、楽しかった話を。この映像で一番好きなのは、福田圭吾さん演じるクララの祖父でした。最初にキャストを見たときにはなんたる無駄遣い!と憤るくらいの勢いだったのですが、1幕のダンスで「わしも若い頃はぶいぶい言わせてたんじゃ」ってセリフが聞こえて来そうな気概と足運びがあって流石の演技力。思わず笑顔になりました。

クララもおじいさまの姿を見てそう思っていたのでしょう、2幕の夢の中でロシアのリードとしてバリバリ踊る圭吾さんの姿、かっこよかったです!その脇を両親がロシアのお人形となってくるくる回っているのも可愛らしかったわ。本島さん、あのロシアの頭飾りがよくお似合いなんですよねえ。パーティの出来事がクララの夢に反映されるのはHNB版と共通するのですが、HNB版のおじいさまはさほど存在感がないので、これは新国版の成功したところかと。

小野絢子さんと福岡雄大さんのパートナーシップは盤石で期待を裏切りません。福岡さんは1幕から3役で出ずっぱりのハードさだったけれど、最後までエレガント。ずっとこの二人のペアは小野さんにばかり目がいっていたのですが、今回は福岡さんから目が離せませんでした。

ルイーズ役の細田千晶さんも品良く年頃のお姉さんを演じていて、彼女の踊りがたっぷり見られたのも嬉しかったです。2幕の蝶々も素敵だったけど、腕から下がるひらひらはいらない気がする…。ドロッセルマイヤーの菅野さんはキャラクテールも素晴らしいけれど、もっと踊っていてほしいです。もう一人の無駄遣いが奥村さんのねずみの王様かな。HNB版のねずみの王様はもっと踊りの見せ場があるのですが…でも時々すごく可愛い仕草をしたりするので目が離せなくて、王様専用カメラで全幕ずっと見ていたいと思ったくらい。
他の新国ダンサーズのみなさんも、もちろん素晴らしかったです。

演出的にギャーと思ったのは、クララママがおもちゃのネズミを水差しに入れちゃったことと、聖ニコラスがクララにプレゼントを渡さなかったこと。クララ、可哀想…。そういえば、新しく改訂される「くるみ」にムーア人形が登場しなくなって久しい、ように思いますが、そろそろ人形遊びと兵隊遊びもそれぞれ男女入り混じってするようになってもいい気がしますよね。

パーティシーンの成功が子役の演技力にかかってしまうのがリスキーに思えて、私はクララに子役を使うのはあまり好きではなく、その点でも今回のプロダクションは好みから外れています。今回の子役さんたちがどうという話ではなく、クララのように重要な役は自前で出すべきだとも思うので、本当は新国の研修生から選んだらいいのになー。イーグリング版のクララは中学生くらいが適当でしょうから研修生だと大人すぎるのでしょうけども。。

ああいけない、今回は最後まで辛口になってしまいました。でも本当に圭吾さんは最高だったよ!

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