La Fresque (The Painting on the wall) - Ballet Preljocaj

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振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
出演:バレエ・プレルジョカージュ
収録:2017年6月14-17日 マルセイユ国立劇場ラ・クリエ / 72分

録画

クラシカジャパンで放映されました。フレスコ画に描かれた女性に恋をする男性を描いた中国のおとぎ話を元にしたものだそう。2016年9月エクサンプロヴァンス初演で、2017年6月マルセイユ公演を収録しています。


クレジット

振付・演出
アンジュラン・プレルジョカージュ Angelin Preljocaj
原作
中国のおとぎ話 Traditional Chinese Tale
音楽
ニコラ・ゴダン Nicolas Godin
衣裳
アズディン・アライア Azzedine Alaïa
装置・映像
コンスタンス・ギセ・スタジオConstance Guisset Studio
照明
エリック・ソワイエ Éric Soyer
映像監督
フランソワ=ルネ・マルタン Francois-Rene Martin

出演

津川友利江 Yurie Tsugawa
マルゴ・クーシャリエール Margaux Coucharriere
クララ・フレッシェル Clara Freschel
ヌリヤ・ナギモワ Nuriya Nagimova
アンナ・タタロワ Anna Tatarova
ジャン=シャルル・ジュスニ Jean-Charles Jousni
セルジ・アモロス・アパリシオ Sergi Amoros Aparicio
マリウス・ドゥルクール Marius Delcourt
アントワーヌ・デュボワ Antoine Dubois
フラン・サンチェス Fran Sanchez

# 人名表記はクラシカジャパンによる

感想

エキゾティックで幻想的な異空間へと誘われます。19世紀のバレエは異国情緒で観客の旅情を満たしたところがあったそうだけど、この作品を見てそのことを思い出しました。もっと親密で美しい…存在するかどうかもわからない場所の絵本の頁をめくるかのような。コンスタンス・ギセの映像が醸し出す不思議な浮遊感は、異空間を幻想的に、そしてどこか宇宙的に表現していました。

この作品で印象的なところは、エリック・ソワイエの照明を受けてダンサーたちが舞台の上に作り出す陰影でした。アライアの衣装、とりわけ女性のスカートと彼女たちの髪が幻想的な軌跡を描いて行くのが強く心に残っています。その軌跡のために、女性はことさらハードに踊っていたのでは。髪や服を綺麗に動かすためのムーヴメントって、普通のダンスとは違う筋力が必要そう。

壁画の中の見初められた女性、津川友利江さんは白い衣装とまっすぐサラサラな黒髪が見惚れるほどに美しく無垢と官能性が同居する存在感。プレルジョカージュはダンサーの個性に合わせて作品を作る人だから、この作品はまさに津川さんの存在あってこそ。彼女のダンスの強度とあいまって片時も目が離せません。

みそめる方の若者はジャン=シャルル・ジュスニだと思うのだけど、中盤の力強いソロがよかったです。津川さんとのシーンも、恋する男の子の熱量があってよかったわ(そしてアライア、やはり男性の衣装は女性ほど力が入らなかった様子)。

ラストシーンの赤いバラは、深い絶望に差す一筋の救いなのか、それとももう二度と触れられない世界に残した彼の心なのか…