Mathieu Ganio, une Etoile romantique

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監督:マレーネ・イヨネスコ
出演:マチュー・ガニオ 他
制作:2017年 / 86分

録画

マレーネ・イヨネスコが製作したマチュー・ガニオのドキュメンタリーがWOWOWで放映されました。パリ・オペラ座とイヨネスコのDelange Production、それとWOWOWの共同製作なんですね。素晴らしい。
http://www.wowow.co.jp/detail/111832


クレジット

監督
マレーネ・イヨネスコ Marlene Ionesco
コメント
マチュー・ガニオ Mathieu Ganio / ドミニク・カルフーニ Dominique Khalfouni / ピエール・ラコット Pierre Lacotte / マリーヌ・ガニオ Marine Ganio / イザベル・シアラヴォラ Isabelle Ciaravola / ドロテ・ジルベール Dorothee Gilbert / オリアンヌ・モレッティ(舞台演出家) Orianne Moretti
収録映像(抜粋)
  • 「白鳥の湖」 Swan Lake

    振付:ルドルフ・ヌレエフ Rudolf Nureyev
    共演:アマンディーヌ・アルビッソン Amandine Albisson / フランソワ・アリュ François Alu
    指導:アニエス・ルテステュ Agnès Letestu

  • 「ドン・キホーテ」 Don Quixote

    振付:ルドルフ・ヌレエフ Rudolf Nureyev
    共演:アニエス・ルテステュ Agnes Letestu

  • 「ラ・シルフィード」 La Sylphide

    振付:ピエール・ラコット Pierre Lacotte
    共演(稽古):アマンディーヌ・アルビッソン
    指導:クロチルド・ヴァイエ Clotilde Vayer / ピエール・ラコット

  • 「天井桟敷の人々」 Les enfants du Paradis

    振付:ジョゼ・マルティネス Jose Martinez
    共演:イザベル・シアラヴォラ Isabelle Ciaravola

  • 「オネーギン」 Onegin

    振付:ジョン・クランコ John Cranko
    共演:イザベル・シアラヴォラ

  • 「マノン」 Manon

    振付:ケネス・マクミラン Kenneth MacMillan
    共演:イザベル・シアラヴォラ

  • 「白の組曲」イヴェット・ショヴィレ追悼公演 Suite en blanc

    振付:セルジュ・リファール Serge Lifar
    共演:リュドミラ・パリエロ Ludmilla Pagliero

  • 「ラ・ヴァルス」 La Valse

    振付:ジョージ・バランシン George Balanchine
    共演:ドロテ・ジルベール Dorothee Gilbert

  • 「ル・ラペル・デ・ゾワゾー」 Le Rappel des Oiseaux

    演出:オリアンヌ・モレッティ Orianne Moretti
    振付:ブルーノ・ブシェ Bruno Bouche
    ピアノ:福間洸太朗 Kotaro Fukuma

  • 「ジュエルズ」レティシア・プジョル引退公演(踊る映像なし) Jewels

    振付:ジョージ・バランシン
    共演:レティシア・プジョル Laetitia Pujol

  • 「グラン・ミロワール」 Grand Miroir

    振付:勅使川原三郎 Saburo Teshigawara

感想

2018年1月に放映されたドキュメンタリーなのに、その2017年10月に初演した勅使川原三郎振付作品のことまで入っているのに驚きました。WOWOWが共同製作に名を連ねているとはいえ、ポストプロダクションなども考えたら本当に出来立てほやほやの映像だったのではないかと。

チャコットDance Cubeの2017年12月のインタビューで本人が触れている通り、1月末の怪我があり撮影期間に大作を踊った訳でもないけれど、マチュー・ガニオのある1年、というドキュメンタリーになっています。WOWOWの番組紹介ではオーレリー・デュポン芸術監督やフォーサイス、キリアン、マクレガーらのインタビューがあるように書いてありましたが、最終的にはそれはカットになったのでしょうかね。それともいつかDVD化される時に入るのだろうか…。

キャリアの最初として、母ドミニク・カルフーニとともに1年間ツアーをまわり、何の問題もなく「マ・パヴロワ」の舞台に立った、と。カルフーニの話とともに、子供の頃のマチューの写真が何枚も登場するのですが、本当に本当に美しい子供なのね。しかもパパ(ドゥニ・ガニオ)にそっくり。カルフーニとマチュー、マリーヌの3人は仲の良い家族だそうで、マリーヌとマチューの写真も愛らしいものがたっぷり見られます。

マチューとマリーヌの絆にも感銘を受けました。マリーヌは他の人が言いにくいことも率直に、誠実に自分を思って助言してくれる。カンパニーにそういう人がいることは本当にラッキーだ、というマチュー。マリーヌが話すのは私は今回初めて見た気がするのですが、兄や母同様聡明で美しい心を持った人だと伝わりました。マリーヌがマチューに舞台袖で何か話していたのは「白鳥の湖」だったけど、同時にマチューは自分の王子像が伝わらないとアニエス・ルテステュに助言を求め、それがうまくいった、とも話していました。ヌレエフ版「白鳥の湖」王子の難しさを垣間見たようにも思います。

「ラ・シルフィード」リハーサル中に彼が怪我をした瞬間や、その後の舞台復帰も収められているものの、必要以上にドラマを煽ることないのにも好感を持ちます。その時々のマチューの素直な心情が聞けるのですが、順風満帆なキャリアを築いてきた人とは思えない(いや、それゆえなのかもしれませんが)ちょっと臆病というか慎重なところ、真面目さ、聡明さ、、、本当に美しい魂ですね。(ため息)

そんな彼がシアラヴォラと並んで話す時は、まるで姉とじゃれ合う少年のようになっていたのも印象的。「白の組曲」で舞台袖にいる時にパリエロと笑顔でリラックスしているように見えたのも、何だかとても良かった。ドロテはマルセイユ時代から知り合いで一目惚れだったの、と。

外部公演で福間洸太朗さんのピアノと共演したお芝居、新たな境地を開いた勅使川原三郎振付の「グラン・ミロワール」と、見どころたっぷりのドキュメンタリーでした。