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2017年12月31日/テレビ東京・BSジャパン/64分
司会:別所哲也、水原恵理
指揮:広上淳一/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/17_silvester.html

録画

今年の東急ジルベスターは、ヴァディム・レーピンとスヴェトラーナ・ザハーロワ夫妻、そしてボリショイ・バレエのデニス・ロヂキン、さらにはソプラノ小林沙羅さん、シルク・ドゥラ・シンフォニーも登場する豪華なものでした。カウントダウンはムソルグスキー作曲=ラヴェル編曲の『展覧会の絵』から〈バーバ・ヤガーの小屋、キエフの大きな門〉。


クレジット

司会
別所哲也、水原恵理
指揮
広上淳一
演奏
東京フィルハーモニー交響楽団
ソプラノ
小林沙羅
ヴァイオリン
ワディム・レーピン Vadim Repin
バレエ
スヴェトラーナ・ザハーロワ Svetlana Zakharova
デニス・ロヂキン Denis Rodkin
パフォーマンス
シルク・ドゥラ・シンフォニー

演目

  • J.シュトラウスⅡ:美しく青きドナウ

    シルク・ドゥラ・シンフォニー

  • ドヴォルザーク:『ルサルカ』より「月に寄せる歌」

    ソプラノ:小林沙羅

  • サン=サーンス:『瀕死の白鳥』〈振付:ミハイル・フォーキン〉

    バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ
    ヴァイオリン:ワディム・レーピン

  • ムソルグスキー(ラヴェル編):『展覧会の絵』より「バーバ・ヤガーの小屋」「キエフの大きな門」
  • チャイコフスキー:『眠れる森の美女』から「ワルツ」
  • モンティ:チャールダーシュ

    ヴァイオリン:ワディム・レーピン

  • カールマン:『チャールダーシュの女王』より「山こそ我が故郷」

    ソプラノ:小林沙羅

  • グラズノフ:『ライモンダ』から「グラン・アダージョ」〈振付:牧阿佐美〉

    バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ / デニス・ロヂキン
    ヴァイオリン:ワディム・レーピン

  • グリンカ:『ルスランとリュドミラ』序曲
  • アンコール:カバレフスキー 組曲『道化師』より第2曲「ギャロップ」

    シルク・ドゥラ・シンフォニー

  • アンコール:J.シュトラウスI『ラデツキー行進曲』

感想

レーピンのヴァイオリンで踊られたザハロワの「瀕死の白鳥」は、とても気高く美しい白鳥でした。彼女が踊るからなのか、オデット姫が叶わなかった恋を思いながらひっそりとその命を散らして行くようでもありました。この演目を見てそんな風に思ったのは初めてだったので、きっと私の中でザハロワとオデットが分かち難く結びついている証しなのかも知れません。

久しぶりに見たザハロワは少し上半身がゴツくなったかなーとも思ったけれど、ロシアの舞姫にありがちな「ついサービスでtoo much」に羽を動かして踊るようなところもなくて、さすがの美意識だわ、と。後ろ向きに出てきて前を向くあたりのアームスは水を滑る白鳥そのもののようで鳥肌が立ちました。繊細な彫刻のような高い甲の美しさも変わらなかったけれど、テレビ中継用の照明だとポワントワークはあまり目立って見えないのが残念ね。

カウントダウンの「展覧会の絵」は最後の10秒ほどは管楽器お気の毒というか頑張れ!って感じでしたけど、まあなんとかオンタイム?的な。それで気づいたのですが、今年のセットは大きな額縁がスクリーンになっているのと周辺にもたくさんの額縁が下がっているのがこの曲にあやかっていたのですね。スクリーンにそれぞれに関係のある絵画や映像が流れるのも邪魔にならない感じでよかったのではないかと。

新年1曲目に「眠れる森の美女」のワルツを持ってきたのはゲストゆえだと思いますが、新年の晴れやかさにもよく似合っていました。レーピンのチャルダッシュも超絶技巧とショーマンシップがさすがですよね。その横で広上さんが踊りながら指揮されていたのもなんだかおめでたい絵面でした。

「ライモンダ」は牧版の夢の場で衣装はボリショイの、かしら。トランスシベリア音楽祭でも踊ってくれた演目で、そういうところザハロワは偉いなーと。登場した時から幸せな姫君になっていたけれど、ロヂキンがひたすら姫に仕えるしもべ過ぎて愛というより敬意のパ・ド・ドゥだった。アダージオだけだから余計にね。ボリショイのプリンシパルが踊るには狭すぎるスペースだけど、せっかく来てくれたロヂキン、踊るところももう少し見たかった。でも、踊った直後にザハロワだけでなくロヂキンの話まで聞けたのはラッキーでした。