Nijinsky / Hamburg Ballett

バレエ 「ニジンスキー」 (全2幕)

振付:ジョン・ノイマイヤー
出演:アレクサンドル・リアブコ、カロリーナ・アグエロ、イヴァン・ウルバン 他
収録:2017年5月25,27日 ハンブルク国立歌劇場 / 134分

録画

来年の日本公演でも上演される「ニジンスキー」がプレミアム・シアターで放映されました。NHKさん本当にありがとう。クレジットにC Majorの名前も並んでいたので、きっと後日DVD/Blu-ray化されますね(2018.04.14追記:追記が遅くなりましたが、無事DVD/Blu-rayリリースされております)。


商品情報

海外|DVD(C-Major Entertainment:744208 / King International:KKC9296)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2018/02/20

[海外盤] Release: 2018/04/13

海外|Blu-ray(C-Major Entertainment:744304 / King International:KKC9295)

[国内仕様盤] Release: 2018/02/20

[海外盤] Release: 2018/04/13

クレジット

振付・照明
ジョン・ノイマイヤー John Neumeier
舞台美術・衣装
ジョン・ノイマイヤー John Neumeier, Based partly on original sketches by Leon Bakst and Alexandre Benois
音楽
フレデリック・ショパン:前奏曲 ハ短調 作品28 第20 Frederic Chopin
ロベルト・シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化 Robert Schumann
ニコライ・リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」から Nikolai Rimsky-Korsakov
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ:ビオラ・ソナタ 作品147から Dmitri Shostakovitch - Sonata for Viola and Piano Op. 147
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ:交響曲 第11番 ト短調 作品103「1905年」 Dmitri Shostakovitch - Simphony No.11 ”The Year 1905” Op. 103

キャスト

ヴァスラフ・ニジンスキー:アレクサンドル・リアブコ Alexandre Riabko
ロモラ・ニジンスキー(ヴァスラフの妻):カロリーナ・アグエロ Carolina Agüero
ブロニスラヴァ・ニジンスカ(ヴァスラフの妹):パトリシア・フリッツァ Patricia Friza
スタニスラフ・ニジンスキー(ヴァスラフの兄):アレイズ・マルティネス Aleix Martínez
セルゲイ・ディアギレフ(パトロン・興行師):イヴァン・ウルバン Ivan Urban
エレオノーラ・ベレーダ(ヴァスラフの母):アンナ・ラウデール Anna Laudere
トーマス・ニジンスキー(ヴァスラフの父):カーステン・ユング Carsten Jung
タマーラ・カルサヴィナ(バレエダンサー):シルヴィア・アッツォーニ Silvia Azzoni

アルルカン/ばらの精:アレクサンドル・トルーシュ Alexandr Trusch
黄金の奴隷/牧神:マルク・フベーテ Marc Jubete
牧神(のちに):カーステン・ユング Carsten Jung
ペトルーシュカ:ロイド・リギンス Lloyd Riggins
レオニード・マシーン(新ダンサー):Jacopo Bellussi ヤコポ・ベルーシ

Internal images of Nijinsky:Alexandr Trusch / Aleix Martinez
2 ballerinas:Mayo Arii / Xue Lin
their partners:Jacopo Bellussi / Florian Pohl
Additional guests in the Suvetta House:Eduardo Bertini / Laura Cazzaniga / Leslie Heylmann / Vladimir Kocic / Niurka Moredo

A Pianist:Ondrej Rudcenko

Corps de Ballet:Mayo Arii / Kristína Borbélyová / Florencia Chinellato / Yaiza Coll / Winnie Dias / Giorgia Giani / Georgina Hills / Nako Hiraki / Greta Jörgens / Xue Lin / Emilie Mazon / Hayley Page / Yun-Su Park / Lucia Rios / Madoka Sugai / Maria Tolstunova / Priscilla Tselikova / Mengting You

Leeroy Boone / Daniel Brasil / Filip Clefos / Christopher Evans / Graeme Fuhrman / Nicolas Gläsmann / Marcelino Libao / Matias Oberlin / Pietro Pelleri / Florian Pohl / David Rodriguez / Mathieu Rouaux / Pascal Schmidt / Thomas Stuhrmann / Konstantin Tselikov / Lizhong Wang / Eliot Worrell / Illia Zakrevskyi

Students of the Hamburg Ballet school:Olivia Betteridge / Charlotte Kragh / Frederike Midderhoff / Chiara Ruaro / Madeleine Skippen / Natalie Taylor / Rachel Wilton
Marco Arccadi / Borja Bermudez / Gabriel Brito / Francesc Deakin / Aurelian de Brocas / Marcelo Ferreira / Florimon Poisson


感想

2005年の来日公演で上演された際、初日のブベニチェクを見て打ちのめされて這い上がるのに時間がかかり…翌日のリアブコを見ないと後悔するだろうとわかっていながらチケットを買い足すことができなかった、ということをこの映像を見て思い出しました。あの時のショックと困惑がまたありありと蘇ってきています。今回もちゃんと感想が書ける気がしないけれど…言葉にできるものだけでも残して見ます。

先ずは映像化について、たった一度舞台を見ただけでは目に入らなかったところ、気づかずに通り過ぎたところが、映像になったおかげで繰り返し見られることを幸せに思います。撮影してくれたNHKさんには感謝しかないですし、日本でのリリース前提ゆえに(発売も日本が最速でしたし)この数年の海外版バレエDVDにはほとんど用意されない日本語字幕(特典映像の)があるのも嬉しい。

安っぽい言葉になってしまいますが、これ本当に大傑作ですよね。ノイマイヤーの才能にひれ伏します。彼が生きて作品を作り出すこの時代に私もいられることは本当に幸運なこと。装置の美しさ、構成、音楽の使い方、込められたものの重さ…「シェヘラザード」から香り立つ官能性はフォーキンのオリジナルを凌駕しているのでは。ニジンスキーのコレクターでもあるノイマイヤーだからこその、ニジンスキーを介して多層的に織りなされた世界は見るたびに新たな感情を呼び起こされます。登場人物それぞれへ向けられた慈しみの眼差しを感じられるのが好き。そして、2005年の時点よりずっとリアルになってしまった戦争への怖れ…。ショスタコーヴィチの音楽は2005年の時とはまた違った響きで迫ってきました。

リアブコは憑依型ゆえにニジンスキーの体験・感情を生きているから…見ているのは辛い、でも目は離せない。水晶のようにきらめく瞳が苦痛や悲しみに陰るのを見るのはしんどい。でも全ての感情をシャットダウンする瞳もまた悲しい。この舞台で彼は実際に声を出して叫ぶけれど、それより悲痛な叫びを肉体全体で発していて。彼の持つ美しいバレエテクニックと役への没入によって、観客もまた一瞬のうちにリアブコと共にニジンスキーの人生を追体験することになるのですね。

今回改めて思ったのは、これはニジンスキーの物語であると同時に、ロモラ、そしてディアギレフの物語でもあるのだ、ということ。バレエ史的には全く良い印象を持たれていないロモラだけれど、戦争の混乱の中を、ニジンスキーが腰掛けたソリを懸命に引くロモラの姿には感じるものがありました。ニジンスキーが精神を破壊されてからのロモラは、生身のニジンスキーを感じられたのだろうか、肉体しか存在しないニジンスキーを。

そしてディアギレフ。ウルバンが演じることで強面の厳しい顔とその裏にある熱い想いとが鮮やかで。リギンズについてはもう言葉がありません。踊ってくれて存在してくれて感謝しかない。ウルバンのディアギレフとリギンズのペトルーシュカは2005年の舞台でも見たけれど、時を経て同じ役でまた見ることができて、そしてそれが映像に残ってよかった。。。もちろんカンパニー全体が熱演でした。マルク・フベーテの匂い立つような黄金の奴隷、清潔感のあるばらの精だったトルーシュ、アレイズ・マルティネスのスタニスラフ、バレリーナ役の有井舞耀さんのラインの美しさも印象に残ります。


Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2018.04.14 - 感想書きました。
  • 2018.02.19 - オフィシャルトレーラー追加
  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
  • 2018.01.13 - 商品情報追加