Black Barrelina

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監督:フランシス・マケルロイ
出演:アシュリー・マーフィー、レイヴン・ウィルキンソン 他
制作:55分
http://blackballerinadocumentary.org

録画

クラシカで録画。10月のミスティ・コープランドの映画に引き続き、11月もバレエにおける有色人種排除を扱ったドキュメンタリーが放映されました。


クレジット

監督
フランシス・マケルロイ Frances McElroy
出演
アシュリー・マーフィー Ashley Murphy, ダンスシアター・オブ・ハーレム バレリーナ
ジョアン・マイヤーズ・ブラウン Joan Myers Brown, フィラデンコ創設者
ビアンカ・ファブレ Bianca Fabre
デロレス・ブラウン Delores Browne, ニューヨーク・ネグロ・バレエ 元バレリーナ
レイヴン・ウィルキンソン Raven Wilkinson, バレエリュス・ド・モンテカルロ 元バレリーナ
ヴァージニア・ジョンソン Virginia Johnson, ダンス・シアター・オブ・ハーレム芸術監督
ロイ・カイザー Roy Kaiser, ペンシルヴァニア・バレエ名誉芸術監督
キム・ベアーズ=ベイリー Kim Bears-Bailey, フィラデンコ副芸術監督
ジャン=ピエール・ボンフー Jean-Pierre Bonnefoux, シャーロット・バレエ芸術監督
アマンダ・スミス Amanda Smith, シャーロット・バレエ ダンサー

感想

とても考えさせられるドキュメンタリーでした。このドキュメンタリーはバレエ界において有色人種は未だ差別される排他的芸術だという現実を、色々な世代の黒人バレエダンサーと関係者へのインタビューから浮き彫りにしています。

登場する人たちの話に耳を傾ければ傾けるほど、バレエという芸術に対して混乱しています。彼らが感じるバレエの排他性は全くその通りで、今の世の中にあっては前時代的すぎる価値観であり、そんな中でもフロンティアとして道を切り開いてきた黒人バレリーナたちとそれに連なるダンサーたち、ここに登場する人たちの経験と言葉には重みがあり、強く響きました。

ただ、ヴァージニア・ジョンソンが言う通り、白人でも9割はバレリーナにはなれない世界なんですよね。それは肌の色や容姿だけでなく、身体条件に音楽性や芸術性など、本当に超越したものが求められる世界。もし実力が同程度なら、人種や容姿に限らずスポンサーの有無などで合否が決まる事もあるでしょう。更には男性ダンサーと女性ダンサーの比率のアンバランスさゆえに、女性には本当に狭き門なんですよね。そして恐らく、バランシンの影響が強いアメリカは、容姿の条件が特に厳しいのかもしれません。

だから仕方ない、とは全く思いませんが…その一方で、観客として、肌の色はともかく役柄に合った容姿は必要だと思う自分もいて。意識せず容姿に言及した感想をもったりしますしね。バレエそのものが容姿を前提とした特異性を持つ芸術だとも思うし、色々考え始めると、バレエ自体が立ち行かなくなりそう。古典とはいえ登場人物に人種問題をはらんだ作品もいっぱいありますもんね…。

…非常に混乱したままなのでまとめることはできませんが、引用されるアーカイブはどれも貴重で見応えがありました。レイヴン・ウィルキンソンからミスティ・コープランドやミケーラ・デ・プリンスなどまで様々な黒人バレリーナが踊る映像がありましたし、「ニューヨーク・ネグロ・バレエ」「フィラデンコ」の話を聞けたのも良かったです。


Official Trailer