A Ballerina’s Tale - The Incredible Rise of Misty Copeland

Ballerinas Tale [DVD] [Import]

監督:ネルソン・ジョージ
出演:ミスティ・コープランド
制作:2015年 アメリカ / 84分

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD

アメリカン・バレエ・シアターの当時ソリスト(現プリンシパル)ミスティ・コープランドの映画。どこが放映してくれるのかと楽しみに待っていましたが、クラシカで放映してくれました。ネルソン・ジョージ初の劇場映画監督作品でもあります。


商品情報

海外|DVD(MPI Home Video:IFC9449) Release: 2016/02/02

FORMAT:NTTC / REGION:1

海外|Blu-ray(MPI Home Video:IFC1967) Release: 2016/02/02

Region:A

クレジット

監督
ネルソン・ジョージ Nelson George
出演
ミスティ・コープランド Misty Copeland
ディルドル・ケリー Deirdre Kelly, 『バレリーナ』著者, グローブ&メイル紙元舞踊評論家
スーザン・ファレス=ヒル Susan Fales-Hill, アメリカン・バレエ・シアター元理事会副議長
レイラ・ファヤズ Leyla Fayyaz, ABT元ダンサー, ミスティの親友
ロビン・ガーデンハイヤー Robyn Gardenhire, ロサンゼルス・シティ・バレエ創設者・芸術監督
アリシア・グラフ・マック Alicia Graf Mack, アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター
ダイシャ・グラフ Daisha Graf, レコーディング・アーティスト, プロフェッショナル・コマーシャル・ダンサー
ヴィクトリア・ローウェル Victoria Rowell, 女優, ABTスタジオカンパニー元メンバー
ブレンダ・ディクソン・ゴッツチルド博士 Brenda Dixon Gottschild, 「The Black Dancing Body」著者
ギルダ・スクワイアー Gilda Squire, ミスティのマネージャー, 広報
ベヴィー・スミス Bevy Smith, 「ファッション・クイーンズ」司会者
トレイシー・ケンブル Tracey Kemble, 「B.O.R.N. to Style」製作総指揮
ネルソン・ジョージ Nelson George, 作家, 映画監督
マージョリー・リーバート Marjorie Liebert, ウェルネスコーチ, バレエ教師
レイヴン・ウィルキンソン Raven Wilkinson, バレエ・リュス・ド・モンテカルロ元バレリーナ
抜粋映像
マリウス・プティパ振付『ラ・バヤデール』
アレクセイ・ラトマンスキー振付『火の鳥』
ミハイル・フォーキン振付『瀕死の白鳥』
ジョージ・バランシン振付『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』
ケヴィン・マッケンジー振付(イワノフ=プティパ原振付)『白鳥の湖』

感想

ミスティ・コープランドが上昇気流に乗ったのはいつからだったか、、、おそらくプリンスのプロモーションビデオに出演したあたりから?気付いた時には黒人女性のアイコンとして大きな流れのど真ん中にいた彼女。今までバレエに縁のなかった人たちまでもがミスティの出演する公演に殺到してソールドアウト。アンダーアーマーのCM、「火の鳥」主役抜擢、怪我の克服、自伝、映画、プリンシパル昇進。

というわけでこの映画にはとても興味がありました。私自身はミスティの踊りを生で見たのは2008年の来日公演、ソリストとしての最初の頃に見たのが最後です。あの頃のABTはミスティに限らずソリストが主役や昇進を勝ち取るのはとても難しいことだったから…肌の色のせいだけでなくカンパニーの事情もあったとは思っているんですよね。でもそれをこじ開けた一番大きな鍵は彼女の意識の変化だったのだとこの映画を見て分かりました。スーザン・ファレス=ヒルが彼女のそばにいたことも大きかったでしょう。

彼女を押しとどめていた内圧が高ければ高いほど、それをこじ開けた時の爆発は凄まじい。ラトマンスキーが彼女を「火の鳥」の主役に抜擢したとき、公演会場には多くの黒人女性が足を運んだそうです。ミスティがアイコンになった瞬間、かもしれません。公演は大成功だったけれど、その時ミスティは足の骨折をおして踊ったのでした。このチャンスは何があっても逃すことはできない、劇場に押し寄せる人たちの期待を裏切ることはあり得ない、その覚悟が凄まじい。

ダンサー生命が危ぶまれる怪我から手術を経て長いリハビリの期間があり。ようやく舞台に復帰したあとは「白鳥の湖」の主役というバレエを象徴する配役を得て、そして(映画完成後には)プリンシパルへ。この怪我の期間のことは記憶になかったのですが、確かに長い期間ABTの配役にその名前がなかった時期がありましたね。まさかそんな大変なことになっていたとは。

映画は黒人女性が古すぎる価値観のクラシック・バレエの世界で生きる困難さとそれに打ち勝ったミスティ・コープランド、という大きなテーマで描かれているけれど、同じように苦労している日本人ダンサーのことも、つい考えてしまいます。それに、バレエ界の「見た目主義」は芸術の根幹と結びついているからなかなか難しいことも実感としてあります。今はわからないけど10年くらい前まではマリインスキーのプリンシパルでも「この役はあなたに合わない」と先生が言えば踊らせてもらえなかったわけだし、観客としての私も 同じくらいの実力なら見た目タイプな主役で見たいとか思ってしまうしね…。

そんな風に色々考えさせる映画でした。でも、ミスティのたゆまぬ努力は賞賛します。アイコンとして立ち続けることには相応の犠牲もプレッシャーもあるでしょうけど、それをきっちり成し遂げ続けていることにも。

ABT好きとしては、あれこれ楽しい映像が見られたのも良かったです。そう言えば、レイラ・ファヤズのABT時代の写真に、ホールバーグとの舞台後と思われるツーショットがありましたね。二人とも若くて可愛かった。


Official Trailer