Ghosts: A ballet based on Henrik Ibsen’s play / The Norwegian National Ballet

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振付:シーナ・エスペヨールド
出演:アンドレアス・ヘイセ 他
収録:2017年2月20,21日 オスロ・オペラハウス / 63分

録画

プレミアムシアターで録画。イプセンの戯曲「幽霊」をバレエ化したもので、2014年初演。振付のシーナ・エスペヨールドはノルウェー国立バレエのダンサーとのこと。音楽もこの作品の為に作られたもののようで、作曲を担当したニルス・ペッター・モルヴェル本人が舞台上でトランペットを演奏しています。


クレジット

振付
シーナ・エスペヨールド Cina Espejord
音楽
ニルス・ペッター・モルヴェル Nils Petter Molværs
戯曲
ヘンリック・イプセン Henrik Ibsen
演出
マーリット・モーウム・アウネ Marit Moum Aune
舞台美術
エーヴェン・ボルスム Even Børsum
衣装
イングリ・ニューランデル Ingrid Nylander
照明
クリスティン・ブレーダル Kristin Bredal
映像
Odd Reinhart Nicolaysen
ボイスオーバー
Håkon Ramstad
撮影
Tommy Pascal

キャスト

オスヴァル/アルヴィング陸軍大尉(オスヴァルの父):アンドレアス・ヘイセ Andreas Heise
オスヴァル(幼少期):クリストファー・アスク・ハグランド Kristoffer Ask Haglund
アルヴィング夫人(オスヴァルの母):カミーラ・スピッツオー Camilla Spidsøe
若き日のアルヴィング夫人:ソニア・ヴィノグラッド Sonia Vinograd
牧師マンデルス:オーレ・ウィリー・ファルクハウゲン Ole Willy Falkhaugen
若き日の牧師マンデルス:フィリップ・カレル Philip Currell
レギーネ(召使):グレーテ・ソフィーエ・ボールンド・ニューバッケン Grete Sofie Borud Nybakken
レギーネ(幼少期):アーレ・ウストロト Erle Ostraat
エングストラン(大工 / レギーネの養父):稲尾芳文 Yoshifumi Inao
トランペット演奏:ニルス・ペッター・モルヴェル Nils Petter Molvær

感想

ノルウェーの人にとってイプセンはどの戯曲も一般常識なのね、きっと。終演後の観客の熱狂をみてそう思いました。イプセンの戯曲から登場人物の心情に焦点を当てたと思われるこの作品、振付も割と面白いし、過去と現在の人間関係が交錯する演出には工夫を感じたのですが、全体としては今一つ入り込めず。

わざわざ朗読される冒頭の一節でノルウェーの方が実感するであろう季節感や湿度・明るさと言ったものも想像するしかなくて、前提が足りてないなーとも思いますし。二階建てセットで進行する別の(過去の)ドラマが追えなかったりする映像の限界もあったと思うし、私自身の理解が及ばなかったせいもあるのですけれど。

でも何よりも振付と感情が切り離されていた…からかもしれません。振付が表現するのは事象であって感情ではない、ように思ったんですよね。それはとてもユニークだなとは思うのだけど、ちゃんと戯曲を読まないと理解できないのかなー、あらすじをなぞる位じゃダメですか、と。それで冒頭の一言となった次第。

男性はみんな小狡くて…女性もしたたかなんですけどね。登場人物がそれぞれに後ろ暗いものを抱えての心理劇なのですが、愛ではなく欲、そして建前が絡み合ったなれの果て、のような。何が起きたかは踊りで表現されるけれど、その時彼らがどう感じたかは、自分で汲み取るしかないのかな。あるいは、そういう自分の生々しい感情に蓋をして生きているという表現なのか。わからないけど、わからないなりに新鮮な体験ではありました。

アルヴィング夫人のカミーラ・スピッツオーはとてもフィジカルの強いダンサー。それゆえに、過去の秘密を全部背負って生きてきたタフさがありました。オスヴァルと父親以外の登場人物は、みんなタフだけど。あと、小道具の使い方が効果的ですね。アルヴィング夫人のガウンとか大工エングストランの靴とか。

うーん、やっぱりちゃんと戯曲を読んでみようと思います。はい。


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