The Sleeping Beauty / The Australian Ballet

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振付:デイヴィッド・マカリスター
出演:ラナ・ジョーンズ、ケヴィン・ジャクソン、アンバー・スコット 他
収録:2015年 The State Theatre, Arts Centre, Melbourne / 128分

画像リンクなし

ABC(オーストラリア放送協会)のオンラインショップで購入。現在はオーストラリア・バレエのオフィシャルオンラインショップでも取り扱っています。PAL方式。


商品情報

海外|DVD(ABC)

FORMAT:PAL / REGION:4

クレジット

振付
マリウス・プティパ Marius Petipa
制作・追加振付
デヴィッド・マカリスター David McAllister
音楽
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Piotr Ilyich Tchaikovsky
装置・衣装
Gabriela Tylesova
Design Associate
Kat Chan
ドラマトゥルク
Lucas Jervies
照明
Jon Buswell
指揮
ニコレット・フレイヨン Nicolette Fraillon
演奏
Orchestra Victoria

キャスト

Princess Aurora:Lana Jones
Prince Desire:Kevin Jackson
The Lilac Fairy:Amber Scott
Carabosse:Lynette Wills*

The Lilac Fairy’s Cavalier:Rudy Hawkes
The Fairy of Joy and Her Cavalier:Amy Harris / Brett Simon
The Fairy of Grace and Her Cavalier:Natasha Kusen / Andrew Wright
The Fairy of Generosity and Her Cavalier:Robyn Hendricks / Ben Davis
The Fairy of Musicality and Her Cavalier:Benedicte Bemet / Jacob Sofer
The Fairy of Temperament and Her Cavalier:Miwako Kubota / Brett Chynoweth
The King and The Queen:Matthew Donnelly* / Lisa Bolte*
Catalabutte:Franco Leo*
Nurse:Kismet Bourne*
English Prince:Brett Simon
Spanish Prince:Ben Davis
Hungarian Prince:Rudy Hawkes
Swedish Prince:Andrew Wright
Aurora’s Girlfriends:Dimity Azoury / Imogen Chapman / Nicola Curry / Heidi Martin / Valerie Tereshchenko / Jade Wood
Knitting Women:Melody Martin / Emma McFarlane / Corey Herbert

Leader of the Hunt:Rohan Furnell
Desire’s Friends
- The Duke / Bluebird:Chengwu Guo
- The Duchess / Princess Florine:Ako Kondo
- Marchioness / Cinderella:Vivienne Wong
- Huntsman / Prince Charming:Andrew Wright
- Marchioness / The White Cat:Alice Topp
- Huntsman / Puss in Boots:Richard House
- Marchioness / Red Riding Hood:Jade Wood
- Huntsman / The Wolf:Jarryd Madden

* Guest artist

感想

2015年初演のマカリスター版「眠れる森の美女」は、SNS映えする豪華な衣装が注目を集めました。意外な気もしますが、これがデヴィッド・マカリスターの振付家デビュー作なのだそうです。見終わって思ったのは、この作品はマカリスターによるクラシック・バレエそのものへのオマージュだということ。ルイ14世スタイルの仮面舞踏会=結婚式で幕が降りるフィナーレは豪華絢爛でした。

振付的にはプティパ版を踏襲しつつ登場人物を整理。ほとんどの役は踊りが増えていたのではないでしょうか。1幕の求婚者たちも、2幕の狩の一行も踊りますし、狩の一行については王子の友人という設定で3幕には王子の愛読書である(お、おう...)お伽話の登場人物に扮して結婚式に出席というのが面白い。ただ、3幕で踊るのはフロリナ王女と青い鳥だけで、長靴を履いた猫や赤ずきんのディヴェルティスマンはカット(登場時とフィナーレは踊ります)。3幕の宝石の踊りも、リラの精と贈り物の妖精たちの踊りに。

そんな感じで音楽にも手を入れているようでした。情景とパノラマもなかった、と思うのね。全幕バレエの時間短縮は最近の傾向ではありますが…。もし自分がよく行くバレエ団がこの2曲をカットしたら、ちょっと悲しいかも。

貴族たちに至るまで結構踊るので、純粋な立ち役は数えるほど。ゲストアーティストも豪華で、特にリサ・ボルテが変わらぬ美しさと神々しさをたたえた愛情あふれる王妃で、玉座に座っているだけなのについ目がいってしまうという。こんなに王妃に見とれた「眠り」は初めてでした。カタラビュット役のフランコ・レオも怪演。何気なく舞台にいる乳母がキスメット・ボーンだったりするのも油断ならないのでした。

ドラマトゥルクが入っているだけあって、演出としてはより分かりやすく自然に。冒頭にカタラビュットがカラボス宛の招待状を一存で破り捨てるというような明快な説明があったり、あまり気が遣われてこなかった求婚者の扱いも結構ちゃんとしてました。2幕でもオーロラの幻影に魅せられた王子が「彼女を愛しています」とリラの精に宣言することでオーロラにお近づきになれるのが明確。王子のキスで目覚めたオーロラが自動的に王子と結婚することになる訳ではなく、自分で王子と結婚することを選んで、その印にバラの花を渡す、というのはとても今日的(でもそのバラ、100年前に別の求婚者から手渡されたバラですよね…笑)。

衣装と装置にボリュームがあるので、舞台に人が少なくても寂しく見えないというのはあったと思います。踊りにくそうな衣装もあるし、カラボスの手下の尻尾がちぎれて舞台に落ちてしまったりというのもあったので、再演で改定されていくのかも。このプロダクションで象徴的なのは妖精たちの衣装で、ヘッドピースと背中の羽根も凝っているし、お椀型のふんわり大きなチュチュに繊細な細工が乗っていて美しかったです。オーロラ姫と王子の衣装は豪華であっても装飾過多ではなく、踊りを満喫できるようになっていました。オーロラの友人たちや2幕妖精たちのチュチュも可愛い。

マカリスターは空間の使いが良いと感じました。前述の2幕妖精たちもそうですし、ガーランドダンスも少ない人数なのに豪華でした。あと宝石の踊りを妖精二人が鏡合わせに踊るのとかも、踊るダンサーは大変だけど違った魅力が出ていいなと。

オーストラリアのダンサーたちはエネルギーに溢れた踊りをするので、このグランバレエには時に過剰に思えたりもしたのですが、これは好みによりそうです。オーロラ役のラナ・ジョーンズは技術をひけらかすタイプでもなく、しっとり落ち着いたオーロラ姫でした。1幕はちょっと不調に見えたけど2/3幕はよかったから、そういう振付なのかも。ケヴィン・ジャクソンは安定の王子だしアンバー・スコットのリラが舞台を支配する様子も流石。青い鳥とフロリナをチェンウ・グオと近藤亜香さんが踊るのも豪華ですし、久保田美和子さんの妖精は四肢の先まで美しかったです。そして、2幕チェンウ・グオのもみあげ!


過去のオーストラリア・バレエのDVDはリリース後それなりに時間が経ってからamazon.co.uk等でも買える様になっていたので、これもいずれはそうなる可能性がありますね。あるいは、日本のレーベルか放送局がライセンス取って日本でも見る機会があれば更に嬉しい。

Official Trailer