Anastasia / The Royal Ballet

Kenneth Macmillan’s Anastasia

振付:ケネス・マクミラン
出演:ナターリア・オシポワ 他
収録:2016年11月2日 コヴェントガーデン王立歌劇場 / 112分

画像リンク先:amazon.co.jp - 国内仕様DVD

プレミアムシアターで録画。この映像もDVD/Blu-rayの発売が予定されていますが、それに先駆けてハイビジョン映像を自宅で見られるのは幸せなことです。


商品情報

海外|DVD(Opus Arte:OA1243D)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2017/09/29

[海外盤] Release: 2017/09/01

海外|Blu-ray(Opus Arte:OABD7222D)

[国内仕様盤] Release: 2017/09/29

[海外盤] Release: 2017/09/01

クレジット

振付
ケネス・マクミラン Kenneth MacMillan
音楽
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー Pyotr Il’yich Tchaikovsky
ボフスラフ・マルティヌー Bohuslav Martinu
舞台美術
ボブ・クロウリー Bob Crowley
照明
ジョン・B・リード John B. Read
指揮
サイモン・ヒューイット Simon Hewett
演奏
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団 Orchestra of the Royal Opera House
撮影
ロス・マクギボン Ross MacGibbon

キャスト

皇帝ニコライ2世:クリストファー・サウンダース Christopher Saunders
皇后アレクサンドラ:クリスティーナ・アレスティス Christina Arestis
皇女アナスタシア:ナターリア・オシポワ Natalia Osipova
ラスプーチン:ティアゴ・ソアレス Thiago Soares
4人の将校:平野亮一 Ryoichi Hirano / ヴァレリー・フリストフ Valeri Hristov / アレグザンダー・キャンベル Alexander Campbell / エドワード・ワトソン Edward Watson

Tsarevitch Alexewy(Their son, heir to the throne):Rory Toms
Grand Duchess Olga:Olivia Cowley
Grand Duchess Tatiana:Beatriz Stix-Brunell
Grand Duchess Marie:Yasmine Naghdi
Anna Vyrubova:Kristen McNally
Tsar’s Aide-de-Camp:Alastair Marriott

Act 1
Three Officers:Luca Acri / Tristan Dyer / Marcelino Sambe
Maid:Mica Bradbury

Act 2
マチルダ・クシェシンスカヤ:マリアネラ・ヌニェス Marianela Nunez
クシェシンスカヤのパートナー:フェデリコ・ボネッリ Federico Bonelli
Revolutionaries:Vincenzo Di Primo

Act3
アナ・アンダーソン:ナターリア・オシポワ Natalia Osipova
アナの夫:エドワード・ワトソン Edward Watson
His Brother:Tristan Dyer
Matron and Peasant Woman:Kristen McNally

感想

デュランテとサンサムが踊ったパ・ド・ドゥを映像で見たことがあるだけで、全幕を見たいとずっと思っていた作品でした。1幕が皇帝一家の幸せに影がさす様子、2幕が家族の幸せも国家の安泰も壊れてしまうまで、そして3幕がアナスタシアを名乗るアナ・アンダーソンによる回想、という構成。マクミランらしさを堪能できる作品ではあるけど…元のお話がお話なので終わり方が難しいなとは思いました。

1幕の皇帝一家は弟の健康状態以外は一見幸せそうではあるのだけど、実はアナスタシア以外は本人たちは無意識にしろ皆不幸のヴェールの内側にいるようで…2幕で社交界デビューしたアナスタシアも不幸のヴェールの内側の世界を知ってしまうのだけど、革命でその世界自体が消え失せてしまう。3幕で彼女が追い求める幻想は、最初から存在しなかった幸せなのか、仮初めでも楽しかった少女時代の思い出なのか。そうして見ると、アナ・アンダーソンがアナスタシアかどうかというのは、狂気の世界になくとも本人にもわからないことなのかもね。

初見が映像だと、特にロイヤル・バレエのドラマティック・バレエの場合は、カメラフレームの外で起きてるドラマが見られないので、本当の面白さがわからない…というのはある気がします。2幕のクシェシンスカヤと皇帝・皇妃の様子はもっとじっくり見せて欲しかった。そういうこともあって、劇場で見たら多分全く違う感想になるだろうと自分でも思うのですが、映像で見た限りでは、もう少しコンパクトに刈り込んでもよかったのでは、という印象も。

この作品の成否は3幕ほぼ出ずっぱり踊りっぱなしのアナ・アンダーソンにかかっていると言えると思うのですが、その点オシポワの狂気の表現はすごかった。あの驚異の身体能力がこれ以上ない程にモノを言う。表情も極限状態を表しているけれど、天井桟敷からオペラグラスなしで見てても十分すぎるほどに伝わるはず。夫やラスプーチンと次々に変わるパートナーとの踊りも凄みがありました。1幕の少女時代、2幕の社交界デビューもナチュラルで以前のような作為的な感じもなく好感を持ちました。ロシアの踊りの美しさも印象に残ります。

2幕のクシェシンスカヤとパートナーのパ・ド・ドゥも美しくて。ヌニェスもボネッリも踊っているのを見るだけでこちらが幸せになれるダンサーなので、この場面は一服の清涼剤のようでした。ただし、クシェシンスカヤをめぐる皇帝と皇妃のやりとりなどを思うと、ヌニェスのクシェシンスカヤは屈託がなさすぎるような気もするのだけど。過去の上演歴などを見ると、この役はデュランテの他、都さんやバッセルなどが踊っているそう。都さんはどんな風に踊られたのかしら…。この時代のキャストの全幕映像、ないのかなぁ。。。

ラスプーチン役はソアレスで、彼は以前もこの役を踊っているようなのですが、どうかな、もう少し癖のある人が演じても面白そう。今回だと確か平野さんもこの役を踊っているのですよね、見てみたかったかも。オフィサー役はバッチリ堪能しました。立ち役かと思いきやサウンダーズさんの皇帝や皇妃役のアレスティスも結構踊っていて、出演者にはもれなくハードな作品のようでしたね。

2幕の革命家のリードダンサーだと思うけど、昨年のローザンヌでロイヤル・バレエのスカラシップを獲得したヴィンチェンツォ・ディ・プリモくんがすごーく良い踊りをしていて目を引きました。1年の研修ののち、今シーズンからはバレエ・アイルランドに所属するみたいです。ロイヤルの他のレパートリーを踊る彼も見たかったな…。

Official Trailer

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