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出演:井上バレエ団、貞松・浜田バレエ団、新国立劇場バレエ、牧阿佐美バレヱ団
収録:2017年4月8日 NHKホール / 140分

録画

毎年の恒例行事となったNHKバレエの饗宴。今年も貞松・浜田バレエ団の森優貴初演作品や新国立劇場バレエのバランシンなど見所たっぷりの公演でした。


クレジット

指揮
園田隆一郎
演奏
東京フィルハーモニー交響楽団

演目

「ナポリ」第3幕から 井上バレエ団

振付:オーギュスト・ブルノンヴィル August Bournonville
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド Edvard Helsted / ホルガー・シモン・パウリ Holger Simon Paulli / ハンス・クリスチャン・ロンビュー Hans Christian Lumbye
ゲストバレエミストレス:ペトルーシュカ・ブロホルム Petrusjka Broholm

テレシーナ:宮嵜万央里
ジェンナロ:荒井成也
パ・ド・シス:田中りな / 速水樹里 / 阿部真央 / 源小織 / 中尾充宏 / 江本拓
バリエーション:浅田良和 / 田中りな / 江本拓 / 荒井成也 / 宮嵜万央里 / 速水樹里 / 源小織
3人の踊り:越智ふじの / 大長紗希子 / 秋吉秀美

大島夏希 / 野澤夏奈 / 粕谷知美 / 小川彩子 / 近藤沙也子 / 井野口美沙 / 中堀菜穂子 / 矢野伶奈 / 阿部碧 / 高根由紀子 / 井上愛 / 髙橋翔子 / 清水友梨香 / 鶴見香帆 / 齋藤美姫 / 佐藤萌子 / 滝沢あかね / 葛西仁黎花 / 齊藤絵里香 / 高野緑 / 藤井ゆりえ / 貫渡竹暁


「死の島 - Die Toteninsel」(新作初演)貞松・浜田バレエ団

振付:森優貴
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ Sergei Rachmaninov

堤悠輔 / 瀬島五月 / 水城卓哉 / 東沙綾 / 宮本萌


「テーマとバリエーション」新国立劇場バレエ団

振付:ジョージ・バランシン George Balanchine
音楽:P.I. チャイコフスキー P.I. Tchaikovsky

米沢唯 / 福岡雄大
寺田亜沙子 / 奥田花純 / 細田千晶 / 飯野萌子
木下嘉人 / 中家正博 / 小柴富久修 / 浜崎恵二朗
川口藍 / 中田実里 / 広瀬碧 / 益田裕子 / 若生愛 / 朝枝尚子 / 今村美由起 / 小村美沙
小口邦明 / 清水裕三郎 / 中島駿野 / 福田紘也 / 宇賀大将 / 小野寺雄 / 佐野和輝 / 八木 進


「眠りの森の美女」から第3幕 牧阿佐美バレヱ団

原振付:マリウス・プティパ Marius Petipa
演出・振付:テリー・ウエストモーランド Terry Westmoreland
音楽:P.I. チャイコフスキー P.I. Tchaikovsky

オーロラ姫:青山季可
フロリモンド王子:ラグワスレン・オトゴンニャム Otgonnyam Lkhagvasuren
リラの精:中川郁
フロレスタン24世王:逸見智彦
王妃:坂西麻美
カタラブット:保坂アントン慶
金の精:濱田雄冴
銀の精:阿部裕恵
サファイヤの精:今勇也
ダイヤモンドの精:太田朱音
白猫:日髙有梨
長靴を履いた猫:元吉優哉
フロリン王女:織山万梨子
ブルーバード:清瀧千晴
赤ずきん:米澤真弓
狼:石田亮一
貴族(ポロネーズ):尾形結実 / 茂田絵美子 / 岡本麻由 / 田辺彩 / 佐藤かんな / 三宅里奈 / 塩澤奈々 / 西山珠里 / 島津華子 / 渡部由綺子 / 白濱春可 / 光永百花
中島哲也 / 依田俊之 / 細野生 / 松田耕平 / 鈴木真央 / 米倉大陽 / 山際諒 / 橋本哲至 / 石山陸 / 渡會慶 / 丸山周 / 近藤悠歩
リラの精のお付き:武本真利亜 / 阿部千尋 / 竹村しほり / 風間美玖 / 上中穂香 / 須谷まきこ / 檀上侑希 / 高橋万由梨
白猫の小姓:市川明季 / 大西慧 / 高橋優乃 / 深津陽穂
宮廷の小姓:新貝美咲子 / 鈴木佳恵
宮廷の御兵隊:海老原航 / 細谷森


感想

オープニングは井上バレエ団の「ナポリ」。最初のパ・ド・シスを見るとルグリ先生の声が脳内に響き渡る…のは私だけではないですよね。ブルノンヴィル作品をレパートリーの軸に据えるカンパニーだけあって、まるで舞台にいる全員の中に同じリズムが刻まれているかのようなステップ。細かいさばきを目で追ってしまいます。

男性はゲストが多かったと思いますが、皆さんブルノンヴィルしっかり体に入ってますねー。女性ももちろん足遣いなど鮮やかなのですが、やっぱりブルノンヴィルって男性を輝かせる振り付けだと思うわ。あと足さばきに目が行きがちだけど上半身のスタイルもすごく重要なのだと改めて認識しました。そうそう、江本拓さん久しぶりに拝見出来て嬉しかったです。

貞松・浜田バレエ団は待望の森優貴作品。しかも新作。前に持ってきた「ドン・キホーテ」よりカンパニーの特色が出ていいですよね。これを楽しみに劇場へ足を運んだ人も多かったのではないかしら。普段からクラシックだけでなくナハリンやキリアンも踊ったりする身体性が生きていて見応えありました。それぞれの個性を楽しみましたが、特に惹かれたのは髪をアシンメトリーにまとめた女性とおそらく水城卓哉さん?背の高い男性。彼らが踊る他のコンテンポラリー作品もぜひ見たい、と思いました。

新国は「テーマとヴァリエーション」。新国のバランシンが映像で手元に残せるなんて至福以外の何ものでもありません。NHKさん本当にありがとうございます。恥ずかしながらこの作品を良いと思ったことは今までほとんどなかったのですが、今回ようやくその良さがわかった気がします。音楽を視覚化ってまさにこの舞台のことよねって。

福岡さんと米沢さん、合いますね。そして米沢さんのプリンシパルロールのリリカルな輝かしさにひれ伏しました。今まで見た彼女の映像の中で一番好き。彼女がその踊りに込めるものは私の中でうまく昇華できないものもあるのですが、今回はツボすぎて目が離せませんでした。彼女のバランシン、もっと色々見たいです。福岡さんとも音楽性が合うのかな、もっとこの二人の組み合わせも見せて欲しいわ。コリフェ以下の皆さんもみんなプロポーションは良いし美しく揃いニュアンスのある踊り。NYCBのあの肉体でなくてもバランシンを美しく確実に踊れるのが素晴らしいし誇らしい。

最後は牧阿佐美バレヱ団の「眠り」3幕。装置が入って出演ダンサーも多いので豪華でした。青山季可さんの主役のオーラが印象に残ります。舞台を引っ張る気概にあふれていて頼もしく思いました。

あとはいろんな意味で牧さんの目が行き届いた舞台だという印象。芸術監督の価値観で作られる舞台というのはもちろん1つのあり方だろうとは思うのですが、その指導を守るのに精一杯いで役が抜けちゃう方が多かったような。場数の問題もあるのかもですが、勿体無いですよね…。とはいえカンパニーの変化も感じられましたし、次から次へとホープが出てくるのは流石。次は「三銃士」とか「ホフマン物語」あたりも見てみたいかも。


今回は海外からのゲストなしでしたが、それぞれのカンパニーの特色が見えるレパートリーなら十分満足できる、と思いました。まだこの催しに出演していない国内のカンパニーなども今後出演してくれると良いなと思います。