Casse-Noisette Compagnie / Les Ballets de Monte-Carlo

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振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
出演:オルガ・スミルノワ、アルチョム・オフチャレンコ 他
収録:2015年12月28日グリマルディ・フォーラム / 108分

録画

クラシカで録画。マイヨーのモンテカルロ・バレエ団芸術監督就任20周年を記念して2013年に初演された作品です。ネット配信の際にも見たのですが、その時はぼんやりとしか気付かなかった事が、今回改めて見たらクリアになって面白かったです。見れば見るほど新しい発見もあって、あちこち楽しい。


クレジット

振付
ジャン=クリストフ・マイヨー Jean-Christophe Maillot
音楽
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー P.I. Tchaikovsky
装置
アラン・ラガルド Alain Lagarde
衣裳
フィリップ・ギヨテル Philippe Guillotel
(カール・ラガーフェルド&ジェローム・カプランとの共同) et la complicite de Karl Lagerfeld et Jerome Kaplan
照明
ドミニク・ドゥリヨ Dominique Drillot
追加音楽
ベルトラン・マイヨー Bertrand Maillot
ドラマツルギー
ジャン=クリストフ・マイヨー
ジャン・ルオー Jean Rouaud
指揮
ニコラ・ブロショ Nicholas Brochot
演奏
モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 L’Orchestre Philharmonique de Monte-Carlo
映像監督
ヴァンサン・マシップ Vincent Massip

キャスト

第1幕
ドロッセルマイヤー:マリアンナ・バラバス Marianna Barabas
守護天使:アレクシス・オリヴェイラ Alexis Oliveira / ジョルジュ・オリヴェイラ George Oliveira
くるみ割り人形:ステファン・ブルゴン Stephan Bourgond
父:アルヴァロ・プリート Alvaro Prieto
母:小池ミモザ Mimoza Koike
クララ:アンハラ・バジェステロス Anjara Ballesteros
フリッツ:ルシアン・ポスルウェイト Lucien Postlewaite
シャルマン, クララの友人:クリスティアン・ツヴァルジャンスキー Christian Tworzyanski
ゾーエ, フリッツの友人:ヴィクトリア・アナニャン Victoria Ananyan
アルブレヒト:ガブリエレ・コッラード Gabriele Corrado
ジゼル:リイサ・ハマライネン Liisa Hamalainen
モナコ公立プリンセス・グレース・アカデミーの生徒たち L’Academie Princesse Grace
第2幕
『シンデレラ』 Cendrillon
シンデレラ:アンハラ・バジェステロス Anjara Ballesteros
進行役:ジョルジュ・オリヴェイラ George Oliveira / アレクシス・オリヴェイラ Alexis Oliveira
継母:小池ミモザ Mimoza Koike
父:アルヴァロ・プリート Alvaro Prieto
姉たち:ガエル・リウ Gaelle Riou / アンヌ=ロール・セイラン Anne-Laure Seillan
『ラ・ベル』 La Belle
ラ・ベル:オルガ・スミルノワ Olga Smirnova
リラの精:アンナ・ブラックウェル Anna Blackwell
3人の精:アレッサンドラ・トノローニ Alessandra Tognoloni / ティファニー・パチェコ Tiffany Pacheco / キャンデラ・エッベセン Candela Ebbesen
3人の王子:ガブリエレ・コッラード Gabriele Corrado / ルシアン・ポスルウェイト Lucien Postlewaite / クリスティアン・ツヴァルジャンスキー Christian Tworzyanski
カラボス:モード・サブラン Maude Sabourin
『真夏の夜の夢〜Le Songe』 Le Songe
パック:ステファン・ブルゴン Stephan Bourgond
タイターニア:マリアンナ・バラバス Marianna Barabas
『ロミオとジュリエット』 Romeo et Juliette
マリオネットのロミオ:ガエタン・モルロッティ Gaetan Morlotti
マリオネットのジュリエット:アシエ・エデソ Asier Edeso
マリオネットのティボルト:ブルーノ・ロケ Bruno Roque
マリオネットのマキューシオ:レアルト・デュラク Leart Duraku
マリオネットのローレンス神父:オレリアン・アルベルジュ Aurelien Alberge
『愛の目覚め』 L’Eveil A L’Amour
オルガ・スミルノワ Olga Smirnova / マリアンナ・バラバス Marianna Barabas / ジョルジュ・オリヴェイラ George Oliveira / アレクシス・オリヴェイラ Alexis Oliveira / アルヴァロ・プリート Alvaro Prieto / 小池ミモザ Mimoza Koike / ガブリエレ・コッラード Gabriele Corrado / リイサ・ハマライネン Liisa Hamalainen / ルシアン・ポスルウェイト Lucien Postlewaite / ヴィクトリア・アナニャン Victoria Ananyan
『ロミオがラ・ベルを目覚めさせる』 Romeo Reveille sa Belle
ラ・ベル:オルガ・スミルノワ Olga Smirnova
ロミオ:アルチョム・オフチャレンコ Artem Ovcharenko
『フィナーレ』 Final
モナコ公国モンテカルロ・バレエ団


#人名の日本語表記はクラシカジャパンによる


感想

以前にマイヨーが振り付けた「くるみ割り人形サーカス Casse-Noisette Circus」は、前大公レーニエ三世の在位50周年を記念して作られた作品で、「くるみ割り人形」とサーカス(モナコはレーニエ3世が創設したモンテカルロ国際サーカスフェスティバルが毎年開催されているお土地柄)とが融合した作品でした。

2013年初演のこの作品はマイヨーの芸術監督就任20周年を記念したものですが、前作と同じプロローグで始まる(美術:ジェローム・カプラン)ところが、積み重ねた年月とレーニエ大公の思い出とが重なって素敵だな、というのが最初の印象。

1幕はバレエ・リュスやバランシン、白鳥の湖など「マイヨー以前」のバレエとカンパニーへのオマージュ。加えてモナコ公室のバレエ支援への感謝もたっぷり込められているみたい。グレース王妃が創設したプリンセス・グレース・バレエ・アカデミーの生徒たちが出演している事もそうだし、1幕でカンパニーのパトロンとして登場するドロッセルマイヤーは、モンテカルロ・バレエにおけるカロリーヌ公女を想起させる、という点においても、ね。キャラクターはだいぶ違うと思うけど(笑)この時ドロッセルマイヤーが着ていた衣装はラガーフェルドで、実際カロリーヌ公女はカール・ラガーフェルドととても親しくていつもシャネルをお召しな訳ですから、ねぇ。

ドロッセルマイヤーが持ってきた”くるみ割り人形”はクララとカンパニーに新しいムーヴメントをもたらします。それはマイヨーその人なのかもね。オリジナルでツリーが大きくなるところからおもちゃのファイトシーンをへて雪のシーンまでの音楽を当てはめた場面の作り方がいいなーと思って見ていました。新しいものが生まれて既存の価値観とせめぎ合い、降り始めた雪が新しい世界へ誘う、というような。

迎えた2幕でドロッセルマイヤーが見せるのはマイヨーが20年間にこのカンパニーで創ってきた作品のモチーフ。仙女とかリラの精とか、ドロッセルマイヤー的なキャラクターがいる作品が多いからまとまりがあってよいかも。このショーケースにボリショイのスミルノワとオフチャレンコがゲストで出演しているというのは、ボリショイで新作を創った事がマイヨーにとって新しい章の始まりなのだなーとも思いました。

初演でコピエテルスがドロッセルマイヤーを踊ったというのは、見た人達を心底羨ましく思います。もちろん今回のマリアンナ・バラバスも素敵だったんだけど。この映像で第2幕を見ているだけでも過去にこれらの作品で見たあのダンサーやこのダンサーが目に浮かんだくらいなので、コピエテルスが舞台の上にいたら、連想される背景はどれだけだったかと。あ、でも、お久しぶりのガエタン・モルロッティがロミジュリの人形芝居でロミオ役だったのには笑ってしまいました。お顔は、ほんの少ししか映らなかったのは残念。

最後はまたサーカス一家に戻りつつ…ドロッセルマイヤー≒仙女は恋人達を導き、晴れやかでど派手で多幸感につつまれるエンディング。小池ミモザさんやオリヴェイラ双子、ステファン・ブルゴン、アンハラ・バジェステロスなどダンサーたちが魅力を振りまいていて、マイヨーの魔法をたっぷり楽しみました。バレエ学校の生徒たちの中で目を惹いたのは永久メイさんですよね。ちらっと映っただけでも凄いダンサーなのが伝わりました。今後が楽しみ。


最初にも書きましたが、見る度「あら、これはもしや?」と発見があって、書いたそばから感想を書き直したくなる程です。私の勝手な思い込みが許される程の面白さ、とも言えるかも。