Nureyev - Dance to Freedom

Nureyev - Dance to Freedom - Based on a True Story [DVD]

監督・脚本:リチャード・カーソン・スミス
出演:アルチョム・オフチャレンコ 他
製作:2015年 BBC / 90分

画像リンク先:amazon.co.uk - 欧州版DVD

ボリショイ・バレエのオフチャレンコがヌレエフ役を演じる事でも話題になったドキュドラマがクラシカ・ジャパンで放映されました。つまり日本語字幕付き。ありがたや。今年のクラシカジャパンのラインナップは本当に素晴らしくて、視聴料以上の価値があるというものです。


商品情報

欧州|DVD(IMC Vision) Release: 2016/10/31

仕様確認中

クレジット

監督・脚本
リチャード・カーソン・スミス Richard Curson Smith
出演

アラ・オシペンコ Alla Osipenko, キーロフ・バレエ団元プリマバレリーナ
セルゲイ・ヴィクーロフ Sergei Vikulov, キーロフ・バレエ団元プリンシパルダンサー
ワジム・デスニツキー Vadim Desnitsky, キーロフ・バレエ団元ソリスト
マリーナ・ワシリエワ Marina Vasilyeva, キーロフ・バレエ団元バレリーナ
ガブリエラ・コムリョーワ Gabriela Komleva, キーロフ・バレエ団プリマバレリーナ
タチアナ・レガート Tatiana Legat, キーロフ・バレエ団元バレリーナでユーリー・ソロヴィヨフの妻
タマラ・ザクレフスカヤ Tamara Zakrzevskaya, ヌレエフの友人
アルセン・マルティロージア Mrsen Martirosian, 元KGB士官
アレクサンドル・ミハイロフ Alexander Mikhailov, 元KGB士官
ピエール・ラコット Pierre Lacotte, ダンサー、振付家、ヌレエフの友人
ギレーヌ・テスマー Ghislaine Thesmar, 元パリ・オペラ座バレエ団エトワール
ルネ・シルヴァン Rene Sirvin, 舞踊評論家
パトリック・バンサール Patrick Bensard, 当時のル・ブルジェ空港警備責任者の甥
ラウラ・カペッレ Laura Cappelle, 舞踊ライター
アルカディ・ソコロフ Arkady Sokolov, バレエライター
アリアン・ドルフュス Ariane Dollfus, ヌレエフの伝記作家
マイケル・コックス Michael Cox, ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス国際関係学部教授


音声インタビュー

クララ・セイント Clara Saint


ドラマ

ルドルフ・ヌレエフ:アルチョム・オフチャレンコ Artem Ovcharenko
クララ・セイント:スヴェトラーナ・スミルノーワ Svetlana Smirnova
ユーリー・ソロヴィヨフ:アルチョム・ヤコヴレフ Artem Yakovlev
ヴィタリー・ストリゼフスキー:ユーリー・ウトキン Yuri Utkin
ピエール・ラコット:デニス・アリエフ Denis Aliev
コンスタンチン・セルゲイエフ:ウラジーミル・チェルニチョフ Vladimir Chernychov
アラ・オシペンコ:スヴェトラーナ・ベドネンコ Svetlana Bednenko
ナタリア・ドゥジンスカヤ:ナタリヤ・グリゴルーツァ Nataliya Grigorutsa
タマラ・ザクレフスカヤ:アリーナ・ムルザガリョーワ Alina Murzagalieva
クレール・モット:エレナ・ルシナ Elena Rusina
グレゴール・アレクシンスキ:コンスタンティン・コルド=ショーソエフ Konstantin Kordo-Syesoev
ギレーヌ・テスマー:アンナ・チホミロワ Anna Tikhomirova


感想

製作中から話題になっていたこのdocu-drama、とても面白かったです。亡命から相応の時が経ち亡くなった関係者も増えてくる中で、その証言を集めた事がとても大きいと思うし、ずっと口を閉ざしてきたクララ・セイントが顔は出さないものの音声インタビューに応じているのが(そしてルドルフについて話すのはこれが最後、とキッパリ)何より貴重です。

ここで描かれているのは事件の1つの側面であって、例えばヌレエフが事前に亡命を決めていたかといった事も分からないし、全てはKGB議長を失脚させる為に巧妙に仕組まれたのだと言う人も…。だけれども、ヌレエフの亡命は国を揺るがす程の大事件であった事は確かで、それに少しでも関わってしまった人たちの人生にも大きな影響を与えた、という事が改めて浮き彫りになっています。

ヌレエフの亡命で一番その運命が変わってしまったソロヴィヨフは後年謎の死を遂げてしまう訳ですが、彼の話こそ聞いてみたかったですよね。ソロヴィヨフの妻だったレガートの言葉も重く、見ているこちらもやるせない気持ちになります。

インタビュー映像を見る度に率直な印象を受けるオシペンコは、この映像でも変わらず率直でした。ヌレエフの亡命前もその型破りな個性に振り回される事は多々あったでしょうし、亡命直後のロンドンではホテルの部屋に軟禁状態、その後も10年は海外公演に参加できなかったという事ですから、どうしてもそういった困惑は言葉に出てしまいますよね。ヴィクーロフやコムレワ、ワシリエワなどあまり目にする機会のない方々のお元気な姿が見られたのもよかったです。


再現ドラマ部分もよく出来ていたのではないかしら。オフチャレンコは、これまでヌレエフ似だと思った事はなかったのですが、彼の特徴を抑えた踊り方もしているし表情もよく研究してそれらしくなっていたのに感心。特に亡命後最初の舞台でヤジだけでなくコインや割れたグラスまでもが舞台に投げつけられる中で、強い覚悟と闘志に燃えて出ていく様子、とてもよく表現していると思いました。

オシペンコ役のベドネンコも、(映像で知るだけですが)オシペンコの当時としてはモダンなクールビューティな感じが出ていて、よい配役。

あと印象に残ったのはドゥジンスカヤ役のナタリア・グリゴルーツァでした。ワガノワの直弟子で名教師である事と、あの技術に優れて華やかな踊りを踊る彼女は私の中ではなかなか結びつかないのだけど…今回更に、芸術監督セルゲイエフの妻でカンパニーの女王様として君臨するもう1つの姿が一致しなくなってしまった(笑)。デフォルメされているのだとは思いますが、この時代のドゥジンスカヤのパーソナリティも知らない訳なので何とも言いがたい…でも、グリゴルーツァのドゥジンスカヤは最高でしたとも。


亡命後のヌレエフがしばらく隠れていた時のエピソードは初耳、だったと思います。これもクララ・セイントの証言のおかげですね。