Mata Hari / Net National Ballet

Mata Hari: Ballet By Ted Brandsen [DVD]

振付:テッド・ブランセン
出演:アンナ・ツィガンコーワ 他
収録:2016年2月23日 アムステルダム ミュージックシアター / 115分

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外盤DVD

NHKプレミアムシアターで録画。2016年2月6日世界初演のオランダ国立バレエ「マタ・ハリ」が同月23日に収録されて、早速DVD/Blu-rayのリリースも決まり、NHKでも放映に。SNSなども使った大々的なプロモーションを展開していたので、視聴できるのを楽しみにしていました。


商品情報

特典映像:確認中

海外|DVD(Euroarts:2061628) Release: 2016/09/30

FORMAT:NTSC / REGION:0

海外|Blu-ray(Euroarts:2061624) Release: 2016/09/30

クレジット

振付&演出
テッド・ブランセン Ted Brandsen
音楽
タリク・オリーガン Tarik O’Regan
上演台本
ジャニーヌ・ブロート Janine Brogt
舞台美術・照明
クレマン&サヌ Clement & Sanou
衣装
フランソワ・ノエル・シェルパン Francois-Noel Cherpin
指揮
マシュー・ロウ Matthew Rowe
演奏
オランダ・バレエ管弦楽団 Dutch Ballet Orchestra
撮影
Jeff Tudor

キャスト

マタ・ハリ/マルガレータ
アンナ・ツィガンコーワ Anna Tsygankova
ルドルフ・マクラウド(マタ・ハリの夫)
ケーシー・ハード Casey Herd
キーペルト中尉(ドイツの軍人)
ヨセフ・ヴァルガ Jozef Varga
ワディム・ド・マスロフ(ロシア人将校)
アルトゥール・シェステリコフ Artur Shesterikov
シヴァ神
チェ・ヨンギュ Young Gyu Choi
寺院の踊り子
グアン・ウェンティン Wen Ting Guan
フリーダ
エマヌエラ・メルディアノヴァ Emanouela Merdjanova
イサドラ・ダンカン
エリカ・ホーウッド Erica Horwood
マダム
ナディア・ヤノフスキー Nadia Yanowsky
MC
エド・ヴァイネン Edo Wijnen
ギメ
アナトール・バベンコ Anatole Babenko
ラドゥー中尉
ロマン・アルトゥースキン Roman Artyushkin
Aunts
Wendeline Wijkstra / Pascalle Paerel / Hannah de Klein
Uncles
Wolfgang Tietze / Peter Leung / Matthew Pawlicki-Sinclair
Adam Zelle (Margaretha’s father)
Nicolas Rapaic

感想

創立50周年を迎えたオランダ国立バレエのビッグプロジェクト、芸術監督テッド・ブランセンによる全幕新作「マタ・ハリ」。振付家によれば、オランダ女性の人生を描いた全幕バレエは初めてでは、との事。

全2幕の作品で、1幕が両親の離婚により祖父母に育てられる事となったマルガレータ(後のマタ・ハリ)がオランダ領東インドでの不幸な結婚生活を経て離婚し一人に戻るまで、第2幕がパリに渡ってマタ・ハリとなり人気を博した後にスパイとして処刑されるまで、という構成になっています。

1幕後半に、マルガレータが天啓?を受ける幻想の場面(シヴァ神!)があったり、マタ・ハリとしてヨーロッパ各地を巡るのがディヴェルティスマン的な要素になっていて、グランド・バレエの形もある程度踏襲していました。その中にディアギレフとバレエ・リュスやイサドラ・ダンカンがいたのはよいアイデア。もちろん、設定はバレエ用にアレンジしてあるみたいですが、イサドラ・ダンカンの台頭でマタ・ハリのダンサーとしての活躍の場が狭まったのは確か、、と昔何かの本で読んだ覚えが…。


テッド・ブランセンはマタ・ハリにマノンを重ねたのかな、と思うところがいくつか。ギメのサロンでマタ・ハリがお披露目された後に赤いドレスでタキシード男性陣に囲まれていくところは、着飾ったマノンが男達にリフトされていく場面の通じるものがあったし(「Diamond is a girls’s best friend」の雰囲気もあった)彼女がスターとして祭り上げられ、それに陶酔していく様子が強烈な印象として残りました。

ツィガンコーワはほとんど踊ってるか着替えてるかなのでは?ってくらい舞台の上にいて、大熱演。汗も涙も凄かった…。登場した時から内に燃えさかる炎を抱えているかのようで、最初に見た時はちょっと貫禄ありすぎでは…と思った位。でもあれはきっと抑圧された暮らしの中で自由を渇望し続けた故の凄みだったのでしょう。NHKで放映時の字幕には「マルガレータは幸せな結婚を求めたが…」とあったけれど、彼女が絶えず求めたのは自由、あるいは自分を自由を与えてくれる男性だったのではないかな…。

個性豊かで力量あるダンサーを大量投入しての作品なので、踊りは見応えがありました。ロートレックの絵の中から出てきたみたいなマダム(ナディア・ヤノフスキー)、踊り子さんとしてほっそい芯で回りまくるミケーラ・デ・プリンス、そしてMCのエド・ヴァイネンとムーランルージュの場面は目移りする楽しさ。

1つ難点としては、ダンサーの表現ではなく台本起因のものだと思うけれど、登場人物の感情に説得力がないなーと感じた事。昔のおとぎ話バレエならそれも仕方ないという気がするけど、新作ならばその辺りは何とかして欲しかったし、再演の時にはまた変わってくるだろうと期待しています。今回は誰にも感情移入できないまま物語が進んでいったのが残念でした。あと…マタ・ハリ/マルガレータのドレス、シルエットがあまり綺麗じゃないのが惜しい。

とはいえ、マタ・ハリを筆頭に登場人物が踊りまくるので、舞台上にみなぎるパワーは相当なもの。これ、たぶん実際劇場で見たら圧倒されるのではないでしょうか。そして、このカンパニーは若手男性ダンサーが充実していて眼福なのがいいよね。


Official Trailer

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