The Little Humpbacked Horse / Mariinsky Ballet

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振付:アレクセイ・ラトマンスキー
出演:アリーナ・ソーモワ、ウラジーミル・シクリャローフ ほか
収録:2013年11月 マリインスキー第2劇場 / 108分

録画

WOWOWのマリインスキー・バレエ特集で放映されました。日本公演にも持ってきてくれた作品だけど、収録はそれより後、ですよね。ソーモワがキュートで適役!と思いました。


クレジット

振付
アレクセイ・ラトマンスキー Alexei Ratmansky
音楽
ロディオン・シチェドリン Rodion Shchedrin
台本
マクシム・イサーエフ Maxim Isaev, after the tale of Pyotr Yershov
美術
マクシム・イサーエフ Maxim Isaev
照明
ダミール・イスマギロフ Damir Ismagilov
音楽監督・指揮
ヴァレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev
演奏
マリインスキー歌劇場管弦楽団 The Mariinsky Orchestra
撮影
Vincent Massip

キャスト

姫君:アリーナ・ソーモワ Alina Somova
イワン/皇子:ウラジーミル・シクリャローフ Vladimir Shklyarov
仔馬:Vladislav Shumakov
雌馬/海の女王:アナスタシア・ペトゥシコーワ Anastasia Petushkova
皇帝:アンドレイ・イワーノフ Andrey Ivanov
侍従:イスロム・バイムラードフ Islom Baimuradov
ダニーロ:コンスタンチン・スヴェレフ Konstantin Zverev
ガウリーロ:イワン・シートニコフ Ivan Sitnikov

Horses:Yuri Smekalov
Sea Horses:Kamil Yangurazov
Wet-Nurses:Nelli Smirnova / Sofia Ivanova-Skoblikova / Xenia Romashova / Margarita Frolova / Svetlana Ivanova / Anastasia Nikitina
Gypsy Dance:Olga Belik / Maria Adzhamova / Maria Lebedeva / Olga Kulikova-Gromova / Ekaterina Ivannikova / Anton Pimonov / Fedor Murashov / Karen Ioannisian
Old Man:Vladimir Ponomarev

感想

いわゆる「せむしの仔馬」ですね。有吉京子「SWAN」で作品とあらすじを知って、のちにラドゥンスキー振付の映画版を見ましたが、今回はそれと同じシチェドリンの音楽を使ってラトマンスキーが振り付けたもの。ロシアの昔話が鮮やかに展開されるのを楽しみました。2009年マリインスキー・バレエ来日公演時のジャパンアーツのブログに、あらすじが掲載されています。
http://ja-ballet.seesaa.net/article/123612954.html

イワン役のシクリャローフ、こういうコミカル路線は水を得た魚のようで見ていて楽しい。充実期にあるダンサーをみる幸せに浸れます。兄たちとのユーモラスなダンスも楽しいし、仔馬とのユニゾンも眼福。仔馬役のShumakov、シクリャローフと相性の良い、綺麗に体を使えるダンサーでした。かっこいい雌馬 / 海の女王のアナスタシア・ペトゥシコーワ、大きな馬役のエルマコフとヤングラゾフの3人もダイナミックでかっこよかったな。

どこか滑稽でありつつ無尽蔵の体力を要求するハードな振付は、背の高い男性ダンサーたちが踊ると更に映えて迫力があります。そこに小柄なイワーノフが皇帝として登場するのも効果的。イワーノフは滑稽な演技も達者だから、おバカな皇帝だけどちょっと憎めない愛らしいところがあって。美しい姫君の残酷なリクエストである熱湯チャレンジで死んでしまうところ、ちょっとかわいそうになってしまいました。その皇帝にうんざりしながら使える侍従のバイムラードフも怪演でした。彼が舞台にいるだけで空気が変わるんですよね。得難いキャラクテールです。

かぐや姫のごとく皇帝に無理難題を要求する姫君、アリーナ・ソーモワもとても良かったです。絵本から飛び出したかのような美しい姫君が恵まれた四肢の長さを存分に生かして踊っていて、彼女にぴったり。ちょっとモダンなアームスの動きと、つま先を強調したムーヴメントの美しいこと。以前はちょっと苦手だったけど、この作品の彼女はとても好き。残酷さと無邪気さ、愛らしさのバランスが良くて、「まーこの姫君なら仕方ないか」って思える。

ラトマンスキーの振付はクラシックに現代的なポーズをちょいちょい差し込むのがユーモラス。グラン・パ・ド・ドゥの形式を崩したのは、もしかしたらシチェドリンの音楽が持つオリジナルなのかもしれないけど、ラドゥンスキー版を見直さないとわからないや(そして今はその時間がない)。

全出演者が登場してのフィナーレには死んじゃったはずの皇帝まで出てきてびっくりしたけど、それゆえにこれがおとぎ話だと納得もいくし、超豪華な動く絵本の最後、とも受け取れる。フィナーレで全出演ダンサーに拍手を送れる作品はそう多くないから、こういうhappily ever afterなエンディングも悪くないよね。劇場をニコニコの笑顔で後にできそう。


この記事の更新履歴

  • 2018.03.07 - 感想書きました。