Viscera / Afternoon of a Faun / Tchaikovsky Pas de deux / Carmen - The Royal Ballet

ロイヤルバレエ ヴィサラ/牧神の午後/カルメン/チャイコフスキーのパ・ド・ドゥ[DVD]

出演:カルロス・アコスタ、マリアネラ・ヌニェス 他
収録:2015年11月12日 コヴェントガーデン王立歌劇場 / 117分

画像リンク先:amazon.co.jp - 国内仕様盤DVD

映画館中継のあったこの公演は、DVD/Blu-rayリリースに先立ちNHKプレミアムシアターで放映されました。アコスタのフェアウェル公演でもあり、彼のスピーチまでしっかり流れたのが嬉しかったです。


商品情報

海外|DVD(Opus Arte/ナクソスジャパン:OA1212D)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2016/05/25

[海外盤] Release: 2016/04/29

海外|Blu-ray(Opus Arte/ナクソスジャパン:OABD7202D)

[国内仕様盤] Release: 2016/05/25

[海外盤] Release: 2016/04/29

クレジット

指揮:
エマニュエル・プラッソン Emmanuel Plasson
マーティン・イェイツ Martin Yates, Carmenのみ
演奏
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団 Orchestra of the Royal Opera House
合唱
コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団 The Royal Opera Extra Chorus
撮影
ロス・マクギボン Ross MacGibbon

収録

「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」 Tchaikovsky Pas de deux

振付:ジョージ・バランシン George Balanchine
音楽:P.I. チャイコフスキー Pyotr Il’yich Tchaikovsky
衣装:アンソニー・ダウエル Anthony Dowell
照明:ジョン・B.リード John B. Read
Staging:Patricia Neary

ヤーナ・サレンコ Iana Salenko
スティーヴン・マックレー Steven McRae


「牧神の午後」 Afternoon of a Faun

振付:ジェローム・ロビンス Jerome Robbins
音楽:クロード・ドビュッシー Claude Debussy
衣装:Irene Sharaff
装置・オリジナル照明:Jean Rosenthal
照明:Les Dickert
Staging:Jean-Pierre Frohlich / Jonathan Cope

サラ・ラム Sarah Lamb
ワディム・ムンタギロフ Vadim Muntagirov


「ヴィサラ」 Viscera

振付・衣装:リアム・スカーレット Liam Scarlett
音楽:ローウェル・リーバーマン Lowell Liebermann
照明:John Hall
ピアノソロ:Robert Clark

ラウラ・モレーラ Laura Morera
マリアネラ・ヌニェス Marianela Nunez
平野亮一 Ryoichi Hirano
崔由姫 Yuhui Choe / ミーガン・グレイス・ヒンキス Meaghan Grace Hinkis / エマ・マグワイア Emma Maguire / アレクザンダー・キャンベル Alexander Campbell / ヴァレンティーノ・ズケッティ Valentino Zucchetti
Olivia Cowley / Isabella Gasparini / Tierney Heap / Chisato Katsura / Yasmine Naghdi
Nicol Edmonds / Benjamin Ella / Kevin Emerton


「カルメン」 Carmen

振付:カルロス・アコスタ Carlos Acosta
音楽:ジョルジュ・ビゼー Georges Bizet
編曲:マーティン・イェイツ Martin Yates
美術:Tim Hatley
照明:Peter Mumford

カルメン:マリアネラ・ヌニェス Marianela Nunez
ドン・ホセ:カルロス・アコスタ Carlos Acosta
エスカミーリョ:フェデリコ・ボネッリ Federico Bonelli
運命:マシュー・ゴールディング Matthew Golding
スニーガ:トーマス・ホワイトヘッド Thomas Whitehead
Remendado:Valentino Zucchetti
Dancaire:Tomas Mock
Frasquita:Kristen McNally
Mercedes:Lara Turk
占い師(メゾ・ソプラノ):フィオーナ・キム Fiona Kimm
ギター奏者:David Buckingham

感想

最初の「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」はマックレーの為に組み込まれたような作品ですよね。プログラムの中ではちょっと毛色が違うというか。彼のヴァリエーションの、あのとびきりの高揚感と音楽性が素晴らしかったです。サレンコはあちこちでマクレーと組んでいるからお互いお気に入りのダンサーなのでしょうし、技術的・体格的には得がたいパートナーなのだろうとは思うのです。でも、この作品には予定調和過ぎるというか…ワクワクが足りないと思ってしまうのは贅沢すぎる感想かしら。そろそろ自前でマックレーに合うダンサーを見つけてほしい時期かな、とも。

「牧神の午後」は凄くよかった!ラムもムンタギロフも輝くばかりに美しくて、その二人が鏡に映る自分たちの美だけを自覚しながら踊り続けるのが、説得力がありすぎる。今まで他のダンサーで見ても何となく納得できなかった振り付けもこの二人だと全てが美しくて説得力しかない。品がある二人だから、鏡で自分たちを確認するのも嫌らしくないし。ロビンスが見たら大絶賛するんじゃないかしら、と思ってしまいました。やー、よかった。ホントにこのペア好き。

スカーレットの「ヴィサラ」は、ラウラ・モレラ、女性3/男性2 + 女性5/男性3のパートと、ヌニェス/平野さんのしっとりしたパ・ド・ドゥからなる作品。実力者揃いで見応えあります。ユフィさんは女性3に入ってるけど、リードダンサーの存在感と踊りだと思うな。

この映像はDVD/Blu-rayリリースよりプレミアムシアターの放映の方が先でしたが、最後のアプローズで指揮者が登場するタイミングで「振付:リアム・スカーレット」ってクレジットが出るのですよね。見る度に一瞬ビビるわ(笑)。


プログラムのハイライトは、アコスタが自身の振付でロイヤル・バレエに別れを告げた「カルメン」。アコスタはこの作品に「見た事ある」要素をあちこち取り入れているのが安易に感じられるところではありました。キューバ出身のアコスタにとってはアロンソ版をベースにするのは呼吸するのと同じくらい自然な事なのだろうと思うのですが、それにプティやらスペイン的な要素に現代までのバレエ・ダンスの流れまでを取り込んで仕上げちゃったのかな、とか。

とはいえアコスタの振付や演出はストレートな表現が多くて、その辺が私には面白みに欠けるように見受けられました。私こそが固定観念に囚われすぎているのかもしれませんけどね。それと、登場人物が紡ぐ物語そのものが希薄にも感じられて、あまり心が動かなかったかな…。見た事ある要素のあれこれより、私にはそちらの方が気になったのでした。

ただ、出演するダンサーはラテン系を中心に若手のダンサーが多くて、その辺りは若手へのエールとも感じられて好印象。ヌニェスは下着姿になっても筋肉質で、色っぽさは薄めだったのは意外でした。エスカミーリョ役のボネッリは清潔感と色気と情熱を全て同じだけ際立たせる事ができる素晴らしい存在感。大好きだわー。スニーガを踊ったトーマス・ホワイトヘッドのソロもよかったですよね。そして、ゴールディングの運命の無駄遣い感。

最後のアコスタのスピーチ、後ろで彼を見つめるダンサーたちの表情を見ると、彼が本当に慕われていたのがよくわかって感動的でした。自分の振付作品でカンパニーにお別れできるダンサーはそう多くないと思いますし、彼の今までの努力が最高の形で返ってきたのかな、と。


Official Trailer

この記事の更新履歴

  • 2016.11.08 - 感想書きました。