The Bolshoi: Dancing for Russia

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監督:ヴィクトリア・ペイジ
案内役:デボラ・ブル
制作:2014年 / 44分

録画

クラシカ・ジャパンで録画。元はイギリスのSky Arts制作のドキュメンタリーです。クラシカ・ジャパン(東北新社)配給の映画「ボリショイ・バビロン」公開を記念してのボリショイ特集は大変見応えがありました。


クレジット

監督
ヴィクトリア・ペイジ Victoria Page
案内役
デボラ・ブル Deborah Bull
出演

ジュディス・マックレル Judith Mackrell, 『ガーディアン』誌バレエ評論家
ウェイン・マクレガー Wayne McGregor, 英国ロイヤル・バレエ常任振付家
タマラ・ロホ Tamara Rojo, イングリッシュ・ナショナル・バレエ芸術監督
ボリス・アキモフ Boris Akimov, ボリショイ・バレエ団バレエマスター
リュドミラ・セメニャカ Lyudmila Semenyaka, ボリショイ・バレエ団バレエミストレス
イレク・ムハメドフ Irek Mukhamedov, ボリショイ・バレエ団元プリンシパル
ニーナ・アナニアシヴィリ Nina Ananiashvili, ボリショイ・バレエ団元プリンシパル
クリスティナ・エズライ Christina Ezrahi, 『クレムリンの白鳥』著者
マラト・シュテリン Marat Shterin, ロンドン・キングズ・カレッジ神学者
マリーナ・レオノワ Marina Leonova, ボリショイ・バレエ学校校長
イリヤ・クズネツォフ Ilya Kuznetsov, ボリショイ・バレエ学校教師

感想

ボリショイが唯一無二の存在であるその理由を、バレエスタイルの特徴、長い歴史と政治や宗教との密接な関係、長く君臨したグリゴローヴィチ、独自の師弟システムなどなどから紐解きます。そしてボーダレスな現代においてはボリショイ・バレエも変容している事も。コメントで登場する人々の言葉はそれぞれに興味深かったですが、中でも外側からボリショイスタイルを見てのタマラ・ロホとウェイン・マクレガーの言葉には深く頷きました。そしてムハメドフの有り様も変わってなくってニコニコしちゃった。

案内役のデボラ・ブルはボリショイ劇場の内部でアレクサンドル・ヴェトロフのクラスレッスンと本番直前の「眠れる森の美女」コール・ドのリハーサルを見学し、その夜の「眠れる森の美女」も鑑賞。また、ボリショイ・バレエ学校を訪れて授業を見学します。ボリショイ劇場の資料館も訪問。

クラスレッスンで分かったのはロパーティンとホールバーグ位でした。コメントで登場した現役ダンサーは最後の方にあったグダーノフ(グローバライゼーション否定派的な)だけだったかな。まぁバレエマスターの話もアキモフ先生とセメニャカ先生だけだったけども。

バレエ学校の方ではレオノワ校長と教師のクズネツォフのインタビューの他、イギリスから留学している男女1人ずつの学生さんのコメントも。男の子の、最初の授業でファーストポジションで立ったら「そうじゃない」と。彼の太ももの筋肉をぐっと回して「これが正解だ、忘れるな」と言われた、というエピソードが印象的。

挿入された映像は過去の全幕映像からの短い抜粋が断片的にぱらぱらと、という感じでした。現地でのカンパニーやバレエ学校での取材映像がもう少し多かったら、更に幸せだったかと。


デボラ・ブルは子どもの頃からマイヤ・プリセツカヤに憧れていたのだそうです。ホワイトロッジに入学し、自分の部屋のベッド脇の壁にプリセツカヤのポスターを貼っていたのだとか。現役時代に二度モスクワを訪れているそうですが、その時踊ったのはボリショイ劇場の舞台ではなかったとのこと。そんな彼女がナビゲーターとして20年振りにロシアの地に立つと、当時とは全く違うモスクワの姿が。

知的で落ち着いた印象のある彼女が、タクシーの車内からライトアップされたボリショイ劇場を見た時に、そして憧れのプリセツカヤが踊ったボリショイ劇場のステージに立った時に、吐露する素直な言葉が、そしてその感極まった表情がとても印象に残りました。舞台の中央でそっとポーズを取る後ろ姿にグっと来たわ。彼女のその姿こそが、ボリショイ・バレエが特別であることを何より雄弁に語っていたと思います。よいドキュメントでした。


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