L’Allegro, il PenSEROSO ED IL MODERATO / Mark Morris Dance Group

L’Allegro Il Penseroso Ed Il Moderato [DVD] [Import]

振付:マーク・モリス
出演:マーク・モリス・ダンス・カンパニー
収録:2014年7月 テアトロ・レアル / 本編97分 + 特典13分

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD

マーク・モリス・ダンス・グループがマドリードのテアトロ・レアルで行った公演を収録した映像。PBSのGreat Performanceで放映された際にはバリシニコフによるイントロダクションがあったのですよね。今回の映像にも出てくるかしらと期待していたのですが、残念ながらそのイントロダクションは入っていませんでした。


商品情報

特典映像:Insights: Mark Morris on L’Allegro - Overture: Concerto grosso in G Major, op. 6, nº 1

海外|DVD(Bel Air Classiques:BAC123) Release: 2015/06/29

FORMAT:NTSC / REGION:0

海外|Blu-ray(Bel Air Classiques:BAC423) Release: 2015/06/29

クレジット

音楽
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル Georg Friedrich Handel
台本
ジェイムズ・ハリス James Harris
チャールズ・ジェネンズ Charles Jennens
原作
ジョン・ミルトン《陽気な人》および《思い耽る人》 John Milton
振付
マーク・モリス Mark Morris
装置
エイドリアン・ローベル Adrianne Lobel
衣装
Christine Van Loon
照明
ジェームス・F.インガルス James F. Ingalls
指揮
ジェーン・グラヴァー Jane Glover
演奏
テアトロ・レアル管弦楽団&合唱団 Orchestra and choir of the Teatro Real
ソプラノ
サラ=ジェーン・ブランドン Sarah-Jane Brandon
エリザベス・ワッツ Elizabeth Watts
テノール
ジェイムス・ギルクリスト James Gilchrist
バリトン
アンドリュー・フォスター=ウィリアムズ Andrew Foster-Williams
映像
Vincent Bataillon

出演

Chelsea Lynn Acree / Sam Black / Max Cappelli-King / Brandon Cournay / Rita Donahue / Zachary Enquist / Domingo Estrada Jr. / Julie Fiorenza / Benjamin Freedman / Lesley Garrison / Lauren Grant / Jennifer Jones / Brian Lawson / Aaron Loux / Laurel Lynch / Claudia Macpherson / Stacy Martorana / Dallas McMurray / Maile Okamura / Brandon Randolph / Nicole Sabella / Billy Smith / Utafumi Takemura / Noah Vinson / Nicholas Wagner / Jenn Weddel / Michelle Yard

感想

ヘンデルの「L'Allegro, il Penseroso ed il Moderato」はパストラル・オーデというそうですね。タイトルの日本語訳にもイロイロあるようで、日本ではそんなに馴染みのある作品ではないのかな。声楽の事はよくわからないのですが、ユニークな位置づけにある作品なのは間違いないようですね。美しいテアトロ・レアル+気合いの入った音楽環境。きっとこれだけ条件の整った収録はなかなかないでしょうから、海外amazonでの熱狂的なファンによる「待ってたぜ!」レビューに納得したのでした。

声楽曲に振り付けられたものなので歌詞を理解した方がより多層的に楽しめるのは確かでしょう。が、歌詞の内容は私にはとても難しく…。あちこち検索して先人の知恵をお借りしたところ、1部は田園地域で、2部は都会で、ジョン・ミルトンの詩に基づいた陽気な人(男声)とふさぎの人が(女声)交互に主張しあい、第3部に登場した中庸な人(チャールズ・ジェネンズによる)が登場して「ほどほどがいいよ!」という流れの作品なのだそうです(だいぶ端折りました)。

しかしながら この映像は二部構成。原曲とマーク・モリス・ダンス・グループ(以下MMDG)のサイトにあったリブレット(L’Allegro, il Penseroso ed il Moderato | Libretto PDF)を見比べてみますと、マーク・モリスは基本的に三部はばっさりカット、一部と二部もいくつかカットしたり一部順番を入れ替えた中に、三部の歌詞も数曲入れて構成…したようです。中庸な人は一部と二部にちょっとだけ登場する感じ。


という事で、私は歌詞の1つ1つを理解するのは一旦諦めて、心地よい音楽(古楽好き)と音楽的な振付、衣装と照明とシンプルな舞台転換とにうっとりと身を任せて鑑賞いたしました。ウィリアム・ブレイクにインスピレーションを得たという装置、私は好きに決まってるのです。

色の違う布を重ねた、それぞれ形の違う女性陣のワンピース。田園地帯が舞台だという1幕は茶、カーキ、モスグリーン、芥子色、灰青といった自然を由来にしたようなくすんだ色合い。2幕は彩度が上がって、華やかな色合いに。装置は紗幕や幕で空間を仕切ったりする程度のシンプルさ。照明が綺麗に映えていました。それこそスカートやドレープの揺れ、ダンサーたちの髪がなびくのまでが音楽的でうっとり。

この作品、1988年にマーク・モリスがモネ劇場の舞踊監督に就任した際 最初に手掛けた作品だったそうですね。短い歌曲の連なりの中に様々な形と組み合わせのダンスが登場して、心地よく翻弄されました。ギリシャ神話を想像させたり、あれやこれや気になるモチーフもちりばめられているような。これ、ちょっと上の席から見た方が楽しいと思う。この映像もあとちょっとだけ上からの映像があってもいいかもしれません。

MMDGのダンサーたちはクラシック・バレエの人とは身体の使い方もプロポーションも違うけれど、音楽性と独自のエレガンスがあると思うのです。クラシックのダンサーがこれを踊ったら、そりゃあ美しい四肢の軌跡を楽しめるだろうとは思いました。でも群舞まで心地よい音楽性で見られるのはMMDGならではだろうと。基本的にクラシック・バレエのダンサーの踊りが大好物な私としては珍しくコレは本当に気に入って、ここしばらくBGV的にずっと再生しております。そして見る度何かしらハッとさせられる。

色と音のキラキラした洪水に身を任せたあと、喝采のカーテンコールに登場した歌手と指揮者、マーク・モリスは黒の衣装で登場します。この黒色の強さにもドキっとします。オケピにいる歌手と指揮者は当然全身黒着用なのだけど、マーク・モリスが黒の上下に真っ赤なスニーカーで登場するのがいいよね。ダンサーたちに深紅の衣装はいないので、計算されたアイキャッチなのでしょう。実際、毎回目で追ってしまうのでした。


Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2017.06.28 - リンクメンテナンス