Bete et la Belle (Beauty and the Beast) / Ballet du Capitole de Toulouse

ベラルビ:バレエ《美女と野獣》[DVD]

振付:カデル・ベラルビ
出演:渡邊峻郁、ジュリー・ロリア 他
収録:2013年10月29日 トゥールーズ・キャピトル劇場 / 106分

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD

カデル・ベラルビ振付の「美女と野獣」といえば2005年にカナダのグラン・バレエ・カナディアンの為に振り付けられたもの、、なのですが、トゥールーズでレパートリー入りさせるにあたって、再構築をおこなったようです。原題は「La Bete et la Belle」すなわち「野獣と美女」。そんなところからも伺える通り、ディズニーやボーモン夫人のお話をそっくりなぞったバレエではありません。


商品情報

特典映像:キャスト・ギャラリー

海外|DVD(Opus Arteナクソス ミュージックストア:OA1157D)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2015/01/28

[海外盤] Release: 2015/01/05

海外|Blu-ray(Opus Arteナクソス ミュージックストア:OABD7158D)

[国内仕様盤] Release: 2015/01/28

[海外盤] Release: 2015/01/05

クレジット

振付・演出
カデル・ベラルビ Kader Belarbi
美術
ヴァレリー・ベルマン Valerie Berman
照明
マルク・パレント Marc Parent
音楽
ルイ・クロード・ダカン Louis-Claude Daquin
ヨーゼフ・ハイドン Jooseph Haydn
ジェルジ・リゲティ Gyorgy Ligeti
モーリス・ラヴェル Maurice Ravel
撮影
リュク・リオロン Luc Riolon

キャスト

美女:<ジュリー・ロリア Julie Loria
野獣:渡邊峻郁 Takafumi Watanabe
The Toreador:Azbek Akhmedyarov

Act 1
The Toreador:Azbek Akhmedyarov
The Cranes:Juliana Bastos / Caroline Betancourt / Emilia Cadorin / Julie Charlet / Lauren Kennedy / Eukene Sagues-Abad / Silvia Selvini / Pierre Devaux / Shizen Kazama
The Swan:Valerio Mangianti
The Vulture:Demian Vargas
The Pimp:Jeremy Leydier
The Ostriches:Taisha Barton-Rowledge / Solene Monnereau
The Goose Feet:Maki Matsuoka / Vanessa Spiteri
The Magpie Tails:Matthew Astley / Petros Chrkhoyan / Giuseppe Depalo / Evgueni Dokoukine / Nicolas Rombaut
The Snake Tails:Virginie Baiet-Dartigalongue / Juliette Thelin / Alexander Akulov / Theodore Nelson
Act 2
The Aristocrats:Juliana Bastos / Lauren Kennedy / Matthew Astley / Valerio Mangianti / Demian Vargas
The Huntsmen:Juliette Thelin / Giuseppe Depalo / Jeremy Leydier
The Dogs:Virginie Baiet-Dartigalongue / Taisha Barton-Rowledge / Caroline Betancourt / Emilia Cadorin / Julie Charlet / Maki Matsuoka / Solene Monnereau / Eukene Sagues-Abad / Silvia Selvini / Vanessa Spiteri / Petros Chrkhoyan / Pierre Devaux / Evgueni Dokoukine / Shizen Kazama / Theodore Nelson / Nicolas Rombaut

感想

「マ・メール・ロワ」眠れる森の美女のパヴァーヌで始まり、同曲 妖精の園で終わる、という曲の使い方から「眠れる森の美女」的な暗喩があるのかなーと思ったのですが、お話の内容ではなくて「美女が眠りについている間の出来事」という事を示していたのですね、きっと。ペローの「眠れる森の美女」も100年の眠りの間に夢によって人間的成熟をしたような事をどこかで読みましたし、そういう意味ではこちらも同じかな。

舞台からはむしろ「くるみ割り人形」が連想されました。美女の部屋で始まり美女の部屋で終わる構成もそうだし、他の人が見向きもしない存在を愛おしく思う心が描かれるのも。もっとも、プロローグとエピローグで挟まれた本編で描かれるのは、シュガーコーティングのお菓子の世界ではありません。幾重にも意味が取れる作品であらすじも一筋縄ではいかないのでそちらの説明は断念しますが、美女の夢あるいは意識下の世界ならば説明が難しいのも仕方ないかと。

いずれにせよ、美女、野獣、半獣の様々なキャラクターたち、そして貴族と猟師と猟犬と。自分と違う(見た目であれ種であれ階級であれ)存在を排除したり愛したりする 心あるいは本質ののありよう…が描かれていたと思います。美術にも振付にも性的な暗喩がけっこうあって、美女の成長には精神的なものもセンシュアルなものも含まれるのだけど、そこをしっかり描くのが流石。


美女役のジュリー・ロリアはデミソリストとのこと。小柄で可愛らしいけど色んな意味でバランスの取れたダンサーですね。インナーワールドに入り込むプロローグはマッツ・エック的な振付で、それがとても彼女に合っていた気がしました。野獣役の渡邊峻郁さんは「海賊」に続いて今回も猫背で屈折した人物像。2人の2幕最後のpddがよかったです。野獣といってもマスクをつけたり着ぐるみ姿ではないので役作りが難しかっただろうと思うのですが、すっとした立ち姿と癖のない踊りからキャラクターの内面の清廉さと情熱とが伺えました。カーテンコールでようやく笑顔が見られたのも嬉しかった。次は晴れやかな役で見てみたいです〜。

1幕の半獣たちが入れ替わり出てくるところは「くるみ」のディヴェルティスマンみたい。クローゼットから一斉に顔を出す鶴(となっているけどピンク色でフラミンゴっぽい)たちが楽しい。この鶴軍団は男女入り交じってまして、ポワントメンズがゴツかわいいかったわ。風間自然さんが目立ってました。白鳥はロングスカート姿の大柄な男性。ベジャール版サロメっぽいかな、と一瞬。白鳥と一緒に出てきたのはハゲタカらしい。これを踊ったダンサー(Demian Vargas)は割と好きなタイプでした。

2幕は貴族のお遊びである狩猟が象徴的に出てきます。貴族がいて、猟師がいて、猟犬がいて。美女が属する貴族側から見れば、狙われる野獣はそれより下のヒエラルキー。でも本当に野獣は貴族より野卑なんだろうか。。この場面だけリゲティから離れてハイドンなどのホルン曲が登場するのも印象的でした。


ベラルビの振付そのものより作品の描き方に興味を覚えます。例えばクローゼット。美女のインナーワールドへの入口であろうクローゼットはずっと舞台上にあって、美女が出入りするだけでなく野獣以外のキャラクターも出たり入ったり。野獣はその上に登ったりドアを開けたりはするけれど、中には入らない。そして最後に…。

「海賊」に続いてこの作品もとてもシンプルな舞台装置だけれど、淋しくは感じません。照明も綺麗。ダンスシーンはユーモラスなところはとてもよいのだけど、攻撃的なシーンは割とさらっと流れていくので、そちらにもそれなりのアクセントを付けて踊ったら迫力が増して更に面白くなりそう。


この映像を含んだ商品

Ballet du Capitole: Trois ballets de Kader Belarbi(更新日:2017/06/28)

海外|DVD BOX(Opus Arte:OA1241BD)

[国内仕様盤] Release: 2017/07/28

[海外盤] Release: 2017/06/30

海外|Blu-ray BOX(Opus Arte:OABD7220BD) Release: 2017/06/30

[国内仕様盤] Release: 2017/07/28

[海外盤] Release: 2017/06/30


Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
  • 2017.06.05 - DVD/Blu-ray BOX 「Ballet du Capitole: Trois ballets de Kader Belarbi」情報追加
  • 2015.09.01 - 感想書きました
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