Le Corsaire / English National Ballet

イングリッシュ・ナショナル・バレエ 〜アドルフ・アダン:バレエ《海賊》[DVD]

振付:アンナ・マリー・ホームズ
出演:アリーナ・コジョカル、ワディム・ムンタギロフ 他
収録:2014年1月 ロンドン・コロシアム / 100分

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD

タマラ・ロホを芸術監督に迎えたイングリッシュ・ナショナル・バレエが、イギリスのカンパニーとして初の「海賊」全幕を制作。映像化されました。主演はアリーナ・コジョカルとワディム・ムンタギロフ。


商品情報

特典映像:キャスト・ギャラリー

海外|DVD(Opus Arte/ナクソス ミュージックストア:OABD7153D)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2015/04/28

[海外盤] Release: 2015/03/30

海外|Blu-ray(Opus Arte/ナクソス ミュージックストア:OABD7153D)

[国内仕様盤] Release: 2015/04/28

[海外盤] Release: 2015/03/30

クレジット

演出・振付
アンナ・マリー・ホームズ Anna-Marie Holmes
原振付

マリウス・プティパ Marius Petipa
コンスタンティン・セルゲイエフ Konstantin Sergeyev

音楽

アドルフ・アダン Adolphe Adam
チェーザレ・プーニ Cesare Pugni
レオ・ドリーブ Leo Delibes
リッカルド・ドリゴ Riccardo Drigo
オルデンブルク公爵 Prince Pyotr van Oldenbourg
レオン・ミンクス Ludwig Minkus
ユーリ・ゲルバー Yuly Gerber
ボリス・フィチンゴフ=シェーリ Baron Boris Fitinhof-Schnell
アルバート・ザベル Albert Zabel

編曲
Lars Payne and Gavin Sutherland
台本

ジュール=アンリ・ヴェルノワ・ド・サン=ジョルジュ Jules-Henri Vernoy de Saint-Georges
ジョゼフ・マジリエ Joseph Mazilier

美術
ボブ・リングウッド Bob Ringwood
照明
ニール・オースティン Neil Austin
指揮
ギャヴィン・サザーランド Gavin Sutherland
演奏
イングリッシュ・ナショナル・バレエ管弦楽団 Orchestra of English National Ballet

キャスト

メドゥーラ(ギリシャの娘)
アリーナ・コジョカル Alina Cojocaru
コンラッド(海賊の首領)
ワディム・ムンタギロフ Vadim Muntagirov
ギュリナーラ(ギリシャの娘)
高橋絵里奈 Erina Takahashi
ランケデム(奴隷商人)
ドミトリー・グルジェフ Dmitri Gruzdyev
アリ(コンラッドの忠臣)
ジュノア・スーザ Junor Souza
ビルバンド(コンラッドの友人)
ヨナ・アコスタ Yonah Acosta
パシャ(トルコの総督)
マイケル・コールマン Michael Coleman
パシャの家来
ホアン・ロドリゲス Juan Rodriguez
Lead Villager
Nancy Osbaldeston
Odalisques
Shiori Kase / Alison McWhinney / Laurretta Summerscales
Lead Roses
Nancy Osbaldeston / Ksenia Ovsyanick / Adela Ramirez / Laurretta Summerscales
Lead Flowers
Jem Choi / Senri Kou, / Jenna Lee / Jia Zhang

# カナ表記はナクソス・ジャパンのものをもとに。

感想

解説によると、アンナ=マリー・ホームズの改定版としては 1997年ボストン・バレエ、1998年ABTに続く3つめの版だそうです。セルゲイエフ版を元にしているので大まかなところは同じですが、お話の設定や構成などENB用に変えているようです。

リーフレットのシノプシスによるとENBのバージョンはコンラッドとメドーラは最初から恋人同士の設定らしいのですが、舞台上では明示されていませんし舞台を観てもあまりそういう感じがしません。シノプシスの間違いもありえますが、断定できる訳でもなく。「海賊」だから仕方ないなーと思いながら見ました。

ABTの版との比較でいうと、ENB版の海賊一味には女性がいませんね。だから(?)2幕洞窟の場面でビルバントの発砲から始まるパ・ド・シスがない。←これ好きなのでちょっと残念〜。そして、一味に女性がいない=洞窟にいるのはメドーラと奴隷市で奪ってきた女性たちだけなので、メドーラがコンラッドに「あの女性たちを解放して」と頼んで聞き入れられた時の海賊衆の怒りが凄い。ボスは恋人に鼻の下を伸ばしているのに、自分たちが今から期待していたハズのお楽しみを取り上げられる訳で…ABT版でも海賊衆は怒っていたけども、ENB衆の怒りは更に激しいのです。

この男衆の怒り、もしや3幕でビルバントと一緒にコンラッドに刃向かう男衆が観られたりして!と勝手に盛り上がってしまったのですが、残念ながらそれはなかったです…。男衆、パシャのハーレムで女の子たちをゲットしてそのまま消えちゃったなー。エピローグの海賊船にはコンラッドとメドーラ、アリとギュリナーラしか乗ってなかった…。


コジョカルはとても可憐なメドーラ。演技的に深みが必要な役ではないので彼女の魅力の全てが詰まっているとはいえないかもしれないけれど、盤石なテクニックと愛らしさとを楽しみました。夢の花園をあんな儚げに踊ってみせるとは思わなかったわ。ギュルナーラ役の高橋絵里奈さん、コジョカルに全く引けを取らないトップレベルのプリンシパルですし、気品とどこか楽天的な愛らしさがギュリナーラにぴったり。全幕の主役でも見たいなぁ。。

ムンタギロフのコンラッドは長髪で彼としてはワイルド目な風貌ながら、踊るとにじみ出るエレガントさ。首領としてのリーダーシップがありながらメドーラにはメロメロなので、余計に女奴隷を解放した時に手下を怒らせちゃったんだなーと納得しちゃいました。そして寝室で「目を隠して」ってメドーラに言われて両手で目を隠す仕草の可愛いこと〜。コジョカルとの並びもよくて、このペアでもっと色んな作品を見たいと思いました。アリ役のジュノア・スーザは長身で四肢が長く、しなやかに踊るタイプ。ビルバント役のヨナ・アコスタはバネの効いた踊りと演技力とのバランスもよく、彼の存在が効いていたと思います。

佐々木陽平さんがレペティトゥールを務めるENBには他にも日本人ダンサーもたくさんいらして、この映像でも活躍が見られますね。ライジングスターが揃ったオダリスクの一人に加瀬栞さん、夢の花園のリードフラワーの一人にSenri Kouさん。クレジットはされていませんが、おそらく海賊衆の中に猿橋賢さん、奴隷商人の一人に中村誠さんがいた…ような。

プロダクション全体の印象として「海賊」としてはチューンナップがやや甘めかな、という印象はありました。ABTとかマリインスキーとかマールイとか、お家芸のところを見る機会が多かったので、点が辛くなっているのだろうと自分でも思いますが…再演を重ねていくうちにもっともっと面白くなっていくのでしょう。


美術を担当したのはアカデミー賞衣装デザイン賞受賞のデザイナー、ボブ・リングウッド。オリエンタリズムを強調した装置が非常に印象的でした。実際に劇場で見たら歓声をあげてしまいそう。ENB…ぜひ日本に招聘お願いします。


Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
  • 2015.08.25 - 感想書きました。
vc