Cinderella / Het National Ballet

Prokofiev: Cinderella [Anna Tsygankova, Matthew Golding, Larissa Lezhnina] [Opus Arte: OA1114D] [DVD] [2013] [NTSC]

振付:クリストファー・ウィールダン
出演:アンナ・ツィガンコーワ、マシュー・ゴールディング
収録:2012年12月 オランダ国立歌劇場 / 139分

画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD

オランダ国立バレエとサンフランシスコ・バレエの共同制作であるクリストファー・ウィールダン振付の「シンデレラ」が早速映像に。装置、衣装、ビデオプロジェクション、ちりばめられたユーモア…「不思議の国のアリス」に見られた彼の作品作りは更に進化して、まるで豪華な絵本のようです。


商品情報

特典映像:60 Wigs / Interview with Christopher Wheeldon / Interviews with the dancers / Commentary with Christopher Wheeldon and Jackie Barrett / Cast gallery

海外|DVD(Opus Arte/ナクソス・ジャパン:OA1114D)

FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2014/07/30

[海外盤] Release: 2013/07/29

海外|Blu-ray(Opus Arte/ナクソス・ジャパン:OABD7126D)

[国内仕様盤] Release: 2014/07/30

[海外盤] Release: 2013/07/29

クレジット

振付・演出
クリストファー・ウィールドン Christopher Wheeldon
音楽
セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev
美術
ジュリアン・クローチ Julian Crouch
照明
ナターシャ・カッツ Natasha Katz
指揮
エルマノ・フローリオ Ermanno Florio
演奏
オランダ・シンフォニア Holland Symfonia

キャスト

Cinderella:Anna Tsygankova
Prince Guillaume:Matthew Golding
Stepmother Hortensia:Larissa Lezhnina
Stepsister Edwina:Megan Zimny Gray
Stepsister Clementine:Nadia Yanowsky
Benjamin:Remi Wortmeyer
Cinderella's father:Alexander Zhembrovskyy
Cinderella's mother:Erica Horwood

感想

ウィールドンはペローではなくグリム童話を下敷きにこの「シンデレラ」を作り上げています。ロッシーニのオペラのように王子と友人(ウィリアムとハリーのように見えなくもない子供時代の彼ら!)が互いに身分を入れ替えてみたり。登場人物への目線がいつも優しいと感じる、とっても素敵なプロダクションでした。先に書いたけれど、本当に絵本のよう。最初は説明っぽいなーと思ったりもしたのですが、スグに没頭。1ページずつ読み進めるようなワクワク感があって本当に幸せでした。

「シンデレラ」の王子は割とどのプロダクションでも匿名性が高くて(大抵は名前すらない)「おとぎ話における幸せの象徴」みたいなところがあるのですが、ウィールドンはシンデレラと王子の子供時代から交互に描写することで、王子の個性も描いています。子供の頃からずっと仲の良い友人ベンジャミンの個性も。ゴールディングの王子は真っ直ぐ爽快。ノーブルといつでも遊び足りない感じが絶妙です。もちろん踊りは言う事なしですから、近頃の世界中での客演も当然ですよね。そして、ベンジャミン役のRemi Wortmeyerもとっても素晴らしいです。柔らかくバネの効いた踊りが素晴らしかった!彼の恋物語も素敵に描かれています。

シンデレラの方は序曲でお母さんが亡くなるところから。4人の「運命 fates」は彼女から母親を奪ってしまうけれど、その後はずっと彼女を側で見守っています。魔法使いは登場せず、シンデレラが流した涙で巨木に育ったハシバミ(母の墓の側に植えられた)の下で、四季の精と運命と小鳥たちによって舞踏会の準備が整えられて、馬車で走っていくシンデレラ。ウィールダンのバージョンに相応しい馬車だったなーと。

ツィガンコーワは肩から腕の筋肉がくっきり浮き上がっていてノースリーブだとなかなかマッチョだと最初は思いましたが、あっという間に気にならなくなります。リフトされ続ける振付がとっても多いので(男性もそうだけど)大変だろうと思いますが、鮮やかに踊っておりました。

シンデレラのお父さんは健在だけど新しい家族に遠慮しまくり。継母役のレジュニナは怪演。まだまだシンデレラもイケる気がするのだけど(そして新国の途中降板を思い出す…)鮮やかでございました。義姉2人のうち片方が可愛いけど意地悪で、もう一人は優しいけど気が弱くて姉?に逆らえないのね。この優しい方をナディア・ヤノウスキーが演じていてとっても可愛らしかった。舞踏会の後、シンデレラを含めて家族それぞれが迎える変化にもウィールドンの優しい視線が感じられました。(グリム童話みたいな最後が義姉に訪れなくて良かった…)

シンデレラと王子の恋が、互いに着飾った舞踏会ではなくその前からほのかに始まっているのもいいし、シンデレラの靴がホントはそんなに大切じゃない(という言い方は変かな、靴が履ける人を探しているのは確かなのだけど、王子は靴が履けようが履けまいが、シンデレラを探しに来たのじゃないか、と思ったので)というのも、素敵だと思うのです。それに…ラストシーン、王子とシンデレラの結婚式が執り行われた場所には思わずぐっときてしまいました。

他にも1つ1つ取り上げて「あーだったこーだった、綺麗!面白い!」って書きたいところですが、ここは我慢(笑)。ご覧になって、それぞれに感嘆していただきたいです。

ジュリアン・クローチの美術は見事というより他ありません。お得意のマスクものも可愛かったし、宮殿もシンデレラ宅のキッチンも素敵でした。あのシンデレラの舞踏会のドレスは、お着替えを手伝ってくれたアレのソレが素敵で…(笑)。ハシバミと馬車のシーンを手がけたBasil Twistにも最大級の拍手を送りたいです。美しいシーンでした。

それでもカメラでは捉え切れてないところがたくさんたくさんあると思うのです。絶対生で見た方が数倍数十倍楽しめるプロダクションだと思うし、是非とも生で見たい。オランダ国立バレエには是非ともコレを持って来日をお願いしたい、です。


特典の1つに、ウィールダンと彼のアシスタントであるJackie Barrettのオーディオコメンタリーというのがありました。バレエ映像でオーディオコメンタリーって珍しいですよね。字幕がないので全部は聞き取れなかったのですが、振付家たちの隣に腰掛けて解説を聞きながら映像を見るような楽しさがありました。たぶん、これとキャストギャラリー以外の特典はオランダ国立バレエのYTオフィシャルにアップされているのと同じではないかしら。未確認ですが見た覚えがあるものでした。振付の作業がとても和気藹々と進んでいて、こちらまでニコニコしちゃいます。


この映像を含んだ商品

Two Ballet Favourites by Christopher Wheeldon(更新日:2017/09/02)

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FORMAT:NTSC / REGION:0

[国内仕様盤] Release: 2017/09/29

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海外|Blu-ray(Opus Arte:OABD7227BD)

[国内仕様盤] Release: 2017/09/29

[海外盤] Release: 2017/09/01


Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え
  • 2017.08.04 - Two Ballet Favourites by Christopher Wheeldon 情報追加
  • 2015.01.05 - 国内代理店変更によるリンク貼り替え
  • 2014.03.08 - リンクメンテナンス
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