Giselle / The National Ballet of Japan

DVDバレエ名作物語6ジゼル 新国立劇場バレエ団オフィシャル (バレエ名作物語vol.6)

改定振付:コンスタンチン・セルゲーエフ
出演:米沢唯、厚地康雄 他
収録:2013年2月23日 新国立劇場オペラ劇場 / 本編112分 + 特典映像約20分

画像リンク先:amazon.co.jp - DVD BOOK

新国立劇場バレエのオフィシャルDVDブック 「バレエ名作物語 Vol.6 ジゼル」が発売になりました。新国立劇場バレエの2013年2月の公演から初日でもゲストでもなく、たった1日だけ主役を務めた米沢さんと厚地さんの日。見たかった2人なのでとても嬉しい。


商品情報

国内|DVD BOOK(世界文化社:978-4-418-13003-0) Release: 2013/6/20

特典映像:「ジゼル」主演ダンサー特別インタビュー

クレジット

音楽
アドルフ・アダン Adolphe Adam
振付

ジャン・コラリ Jean Coralli
ジュール・ペロー Jules Perrot
マリウス・プティパ Marius Petipa

改訂振付
コンスタンチン・セルゲーエフ Konstantin Sergeyev
美術
ヴャチェスラフ・オークネフ Vyacheslav Okunev
照明
沢田祐二
指揮
井田勝大
管弦楽
東京交響楽団

キャスト

ジゼル
米沢唯
アルベルト
厚地康雄
ミルタ
厚木三杏
ハンス
輪島拓也
クールランド公爵
貝川鐵夫
バチルド
湯川麻美子
ウィルフリード
清水裕三郎
ベルタ
西川貴子
村人のパ・ド・ドゥ
細田千晶 / 奥村康祐
ドゥ・ウィリ
細田千晶 / 寺田亜沙子

本の内容

  • あらすじ
  • プロダクション・ノート
  • DVD出演者一覧
  • ダンサー・プロフィール
  • ジゼル10の扉
  • ダンサーの試金石『ジゼル』を踊るということ
  • 『ジゼル』とその背景
  • 新国立劇場バレエ団の軌跡2012/2013 Season
  • 新国立劇場バレエ団ダンサー一覧
  • バレエ公演レビュー&プレビュー
  • DVDチャプター・プログラム

感想

新国では意外に上演機会の少ない「ジゼル」。コンスタンティン・セルゲイエフのロシアスタイルをレパートリーにしています。が、今回は芸術監督ビントレーの要望でデズモンド・ケリーさんがステージングにあたり、演劇的要素が大きく加味されて全く別のバージョンのように生まれ変わっていました。

ケリーさんのお名前はアーティスティックスタッフではなくカンパニーのゲスト・バレエマスターとしてクレジットされていますが、演出としてお名前記載した方がいいのでは、という位大きな変更だと個人的には感じます。ドラマティックでくっきり鮮やかな物語は今の新国によく合うし好もしく感じますが、セルゲイエフ版と一言で済ませられるものでもなくなっていますしね。新国ブログによれば沢田祐二さんの照明も手が入っているそうですし、キャストの若返りもあって、ビントレーの血が吹き込まれてる感がひしひしと。


米沢さんのジゼルは可憐でした。身体能力や技術をよくよくコントロールしていて、決してやりすぎたり発散しすぎたりがありません。面白いと思ったのは、生き生きと恋をする1幕であっても彼女の周囲のどこかに霊界と繋がる穴が空いているようなひんやりした空気が時折感じられた事。それゆえに1幕の村娘が じきに精霊となる運命が予感されるよう…。

厚地さんのアルベルトは見事な貴族様でした。お戯れ系で、可愛らしい初心な村娘をからかうようなアルベルト。身バレした後のバチルドへの態度は「気乗りしない縁談」風ではなく、バチルドとの将来が視界に入ってる感じに見えました。今まで見た中で一番いい雰囲気のアルベルトとバチルド。お戯れ1幕と憔悴しきった2幕のコントラストもよくて。

米沢さんも厚地さんも、振付を踊る事と演じる事とが限りなくイコールな、とても素晴らしいペアでした。厚地さんを新国で見られなくなるのは本当に残念ですが、またゲストで来て踊って下さいね。


ハンス役の輪島拓也さんは想像よりマッチョでしたね。優男系になるのかなって勝手に思っていたので、びっくりしました。このまま突き詰めたら新国名物になれそうな予感(上演機会が少ないから難しいかもですが)。踊る場面が2幕だけなのは残念ですが、そちらもパワフルでした。そして、ベルタ(ジゼル母)の西川さんの立ち役がこんなに素晴らしいとは。毅然としつつ愛情に溢れたリアルな母でした。あの扉の向こうでいつもジゼルとどんな風に暮らしているかが見える。凄いと思いました。

バチルド役の湯川さんは鉄板。アルベルトとバチルドがよい雰囲気だったのは、2人とも結婚前(あるいは結婚後も?)のお遊びは不問という前提が2人の生きる世界にはあるのだなーと納得できるというか。だから、バチルドはジゼルが「彼は私の婚約者です!」という叫びを遮って聞かなかった事にする。愁嘆場も見なかった事にする(貴族はみんな後ろ向きますよね、あれ、今回初めて納得した)。説得力ありました。

ペザントpddは細田さんと奥村さん。可愛らしいペアでした。様々に演劇的色合いがついた他の役の中で、「ジゼルの友人がお祭りを祝って」踊るために登場。明るくて爽快で、よいアクセントになっていました。

2幕は照明が変わったせいか、意外に明るく感じました。映像だからというのもあるのかな。劇場で見たら綺麗だったでしょうね。厚木さんは私のファースト・ミルタなのですが、変わらずにひんやりと怖くて美しい。寺田さんも怖い系のウィリでした。細田さんはペザントの甘い雰囲気を少し残した踊り。ドラマ重視の1幕とは対照的な2幕は、コール・ド・ヴィリのフォーメーションも満足度も高くて素晴らしかったです。

ということで、満足度の高い舞台映像でした。米沢さんのジゼルにはいろいろ考えさせられてしまい、今も言葉が見当たりません。とにかく他にはいないジゼルだったと思うのです。小柄な人ゆえに、長い手脚の軌跡を見る人に残像として残すタイプではないのですが、コントロールの効いた動きが素晴らしかった…。

そうそう、特典映像の主演2人のインタビューもよかったです。最後にジゼルに出てくるマイムの説明と、そのマイムを使っての2人の寸劇(ショートコントw)が受けます。あれ、誰が考えたのかしら…ふふふ。

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この記事の更新履歴

  • 2018.01.15 - HMV & BOOKS online 店名変更による差し替え