Graeme Murphy's Romeo and Juliet / Australian Ballet

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振付:グレアム・マーフィー
出演:マドレーヌ・イーストー、ケヴィン・ジャクソン 他
収録:2011年アートセンター・ステイトシアター(メルボルン) / 120分

録画

クラシカで録画。HD化してからのクラシカ、だいぶ攻めてくれていて頼もしい限り。こちらは2011年に初演されたグレアム・マーフィー版「ロミオとジュリエット」。初演の公演期間中に収録され(たぶんプルミエの舞台では…)、1週間後くらいに現地でテレビ放映されたものだろうと思います。


商品情報

豪州|DVD(ABC:764558)

FORMAT:未確認 / REGION:未確認

クレジット

音楽
セルゲイ・プロコフィエフ Sergei Prokofiev
振付
グレアム・マーフィー Graeme Murphy
制作補
ジャネット・ヴァーノン Janet Vernon
衣装
五十川明 Akira Isogawa
装置
ジェラルド・マニオン Gerard Manion
照明
ダミアン・クーパー Damien Cooper
プロジェクションデザイン
Jason Lam
音楽監督・指揮
ニコレット・フレイヨン Nicolette Fraillon
演奏
オーケストラ・ヴィクトリア Orchestra Victoria
映像監督
サイモン・フランシス Simon Francis

キャスト

ジュリエット
マドレーヌ・イーストー Madeleine Eastoe
ロミオ
ケヴィン・ジャクソン Kevin Jackson
マキューシオ
ダニエル・ガウディエロ Daniel Gaudiello
ティボルト
アンドリュー・キリアン Andrew Killian
ベンヴォーリオ
ジェイコブ・ソーファー Jacob Sofer
キャピュレット卿
ダミアン・ウェルチ Damien Welch
キャピュレット夫人
エイミー・ハリス Amy Harris
モンタギュー卿
ジョン=ポール・イダシャク John-Paul Idaszak
モンタギュー夫人
アリス・トップ Alice Topp
Prince of Darkness
アダム・ブル Adam Bull
Prince of Peace
トリスタン・メッセージ Tristan Message
乳母
エリザベス・ヒル Elizabeth Hill

感想

最初に見た時はとても混乱しました。ヴェローナからインドの市場、砂漠へと明らかに時空を超えた場所へと舞台が移ろっていくのにもかかわらず、登場人物はそういった場の変化に影響を受けずに話が進んでいくのです。頭の中が「???」で一杯になりました。理解する手がかりを探そうと音楽に手引きを求め…たいけれど、2幕仕立てとしてプロコフィエフの音楽は切り刻まれ順番をいじられているので更に混乱。これは私の見たかったロミジュリなんだろうか…。

どうやらグレアム・マーフィーは、人種や時代、場所や信仰にかかわらず不変のもの、として両家の争いと愛の悲劇を表したかった、、ように思います。でも…どうなのかな、映像で繰り返し見ている今の時点では私には彼の試みはあまり成功しているように思えないのです。グレアム・マーフィー好きの私にもかかわらず。生で見たらまた違う印象を受けるでしょうけれど、どうやら現地でも賛否両論あったようです。それもそうだろうな…。

美術はそれぞれにとても美しいです(衣装:五十川明、装置:ジェラルド・マニオン)。映像プロジェクションは蛇足だったように感じられたけれど、いずれにしても予算が潤沢に用意された大きなプロジェクトだったのだろうなーと想像できるゴージャスな舞台。1つ1つの場面はよいと思うのですが、1つの物語として見た時にはノイズが大きすぎるように感じてしまいました。

それと、音楽のアレンジ、入れ替えも成功しているようには感じられず。私にはあまり必然性が感じられなかったのですが…。


グレアム・マーフィーの振付は印象的なものも多いけれど、音楽的でないところも散見されて、手放しで絶賛とは行かず。初演でぎこちない部分があるにしてもね、と。ただ、男性と女性が手を合わせる事の意味を繰り返し見せているのは彼の上手いところかも。指で輪を作って縁を繋ぐ事、手と手を絡めること、男性のエスコートに手を預ける事…。

ロミオがティボルトを殺めてからの一連の場面も上手いと思いました。キャピュレット夫人が嘆くうちに、キャピュレット卿、モンタギュー卿と夫人も巻き込んでの大混乱へ。そして両親の目の前で街から追放されていくロミオ。母の愛、死がもたらすものの重大さ…。振付家が音楽を上手く捉えた場面だと思いました。

それと、全体として見たらノイズになりかねない部分だけれど、インドの広場でのボリウッド的群舞は面白いものでした。そこに今結婚したばかりというインドのカップルが出てきて踊るのだけど、この振付も好きでしたね。マンドリンの曲(といってもマクミラン版だと舞踏会でジュリエットがつま弾く方の曲)で踊っていたのはたぶんVivienne WongとChengwu Guo。ロミオとジュリエットの結婚とのリフレインとか、エキゾチックなところとか、上手いなーと。
他にもロミオとジュリエットの邪魔をするティボルトとか、振付の一部でも印象的なものは多いです。

逆に死神(Prince of Darkness)の存在であるとか(アダム・ブルは好きなダンサーだし素敵だったけれど)、ところどころで見られた時が止まるようなシークエンスはそんなに成功しているように見えなかったかな。親書をロミオに届けに行く使者を殺めるのが死神っていうのはよかったと思うのだけど…。


ダンサーではなんと言ってもマキューシオ役のダニエル・ガウディエロがとてもよかった。マキューシオという役は踊れるダンサーが配役されるものだけれど、色香もあるし音楽性もあるし、いいダンサーですね。彼とかティボルト役のアンドリュー・キリアン、死神役のアダム・ブルあたりはロミオにもキャストされていたようで、あらあら、見てみたいかったわ。

マドレーヌ・イーストーとケヴィン・ジャクソンのペアにも不満はありません。イーストーは流石に完成度高かったです。男性の振付はトリッキーなリフト含め特にハードなので、ケヴィンの方は彼女ほどの完成度までは達していないようだけれど、よいペアでした。

予想以上の貫禄にちょっと焦ったけれどダミアン・ウェルチのキャピュレット卿も見られたし、愛らしいジュリエットの友人たちには本坊さんと久保田さんがいるのがわかりました。


そうそう、エンドクレジットを見ていて知ったのですが、根本里奈さんはオーストラリア・バレエに入団されたのですねー。ご活躍お祈りしていますよ。


(2013.12.16追記)オーストラリアでは8月にDVDが発売されているそうです。仕様はわかりませんが、今までオーストラリア・バレエから取り寄せたDVDはPALでしたのでご参考までに。国内版が発売されるよう、願っています。


Official Trailer


この記事の更新履歴

  • 2013.12.16 - 豪州版DVD情報初出/トレイラー掲載