- Uploaded: 2012/01/23 20:00
- Last Modified: 2012/01/23
- Category: ネザーランド・ダンス・シアター, 振付家のドキュメンタリー
Jiri Kylian; Forgotten Memories, A film by Don Kent and Christian Dumais-Lvowski
制作:ドン・ケント、クリスティアン・ドゥメイ=ルヴォウスキ
出演:イリ・キリアン 他
制作:2011年 / 本編52分 + 特典24分
画像リンク先:amazon.co.jp - 海外版DVD
キリアンのドキュメンタリー。この映像は一時期ARTEのサイトでも見る事ができたのでご覧になられた方も多いかも。このDVDは海外版ですが日本語字幕が用意されていて、かつ特典映像で「Wings of Wax」を見る事もできます。
商品情報
- 海外|DVD(Arthaus Musik/ナクソス ミュージックストア:101579)FORMAT:NTSC / REGION:0
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特典映像:Wings of Wax: Nederlands Dans Theater, Trailer(CAR MEN, Bella Figura, Birth-Day)
クレジット
監督:ドン・ケント Don Kent / クリスティアン・ドゥメイ=ルヴォウスキ Christian Dumais-Lvowski
コメント:イリ・キリアン Jiri Kylian / サビーネ・クップファーベルグ Sabine Kupferberg
- Kaguyahime
- Bella Figura
- Gods and Dogs
- Vanishing Twin
- Symphony of Psalms
- Silent Cries
- Sinfonietta
- Last Touch First
- BIRTH-DAY
- Memoires d'Oubliettes
- Arcimboldo
- No More Play
- Tar and Feathers
- L'Enfant et les Sortileges
- One of a Kind
特典映像「Wings of Wax」
コンセプト・振付:Jiri Kylian
音楽:Heinrich Ignaz Franz Biber: Passacaglia for Solo Violin
John Cage: Prelude for Meditation for prepared piano
Philip Glass: Movement III from String Quartet No.5
Johann Sebastian Bach: Variation No. 25, Adagio, in G minor, (arranged for string trio by Dimitri Stkavetsky) from "Goldberg Variations"
照明・美術:Michael Simon
Light Adaptation: Kees Tjebbes
衣装:Joke Visser
Dancers: Nederlands Dans Theater I
Virginie Martinat, Lukas Timulak, Aurelie Cayla, Stefan Zeromski, Lydia Bustinduy, Patrick Marin, Valentina Scaglia, Bastien Zorzetto
感想
ふう、これはとっても素晴らしいドキュメンタリー。全力でお勧めしたいです。本編は2011年制作、特典の「Wings of Wax」は2008年収録のもののようです。海外で買っても国内で買っても日本語字幕が用意されているので、言葉の心配もいりません(NTSC/Region ALLなので再生環境の心配も不要)。
キリアンはあまり自分や自分の作品についてカメラの前で語るという事がなかったように思うのでそれだけでも貴重なのですが、例えばリハーサルで彼がどんな風にダンサーと接しているのか、どういう生涯を送ってきたのか。ダンスを始めた経緯やチェコの文化のこと、プラハの春、振付家として頭角を現していった頃の事、パートナーのサビーネ・クップファーベルグ、NDT1やNDT3、振付に込めるもの、老い…キリアンが語るそれらの事をしっかりどっしり受け取る事ができます。彼の語り口はとてもおだやかで暖かい。そしてその作品同様に聞く人(見る人)をくすっと笑わせるような事を言うのです。
リハーサルでのキリアンもそんな感じ。とても分かりやすい比喩を入れながら動きの指導をしていくのですが、声を荒げるということがありませんし、そのダンサーの心に寄り添っているのがよくわかります。ムーヴメントを説明するのに用いられた例えはどれも印象的。中でも、パリ・オペラ座バレエに「輝夜姫」でジロへのアドバイスは、その最たるものでしょう。
このフィルムの中で話しているのはキリアン本人とパートナーのサビーネさんの2人だけなのですが、サビーネさんが語るキリアン振付作品の魅力はこれ以上ない程的確でシンプル。加えて、キリアンの振付は音楽性も飛び抜けていますよね。合間合間に挿入されるキリアン作品をたっぷり堪能しましょう。これらのフッテージはDVDになっているものもありますが、そうでないものも。「Last Touch First」はどうやらモンテカルロの歌劇場でのものみたいなのですが、あの劇場空間で全編見られたら…と願わずにはいられませんでした。
ダンス同様に、自転車で軽やかに風を切るキリアンの様子も挿入されていて、そのおだやかな様子には思わずほほえんでしまいました。ふと思い出したのは、まだキリアンの元で振付家としてのキャリアを歩み始めた頃のナチョ・ドゥアト。その当時のドキュメンタリーで、ドゥアトも自転車をこいでいました。ただ、ドゥアトの場合は冬のオランダ。厚着してもっとスピードを出していましたけれど。そのドキュメンタリーにも当然キリアンは出ていて、ダンサーとしてのドゥアトに(この映像で見るのと同じような)寄り添った心で指導をしていたのでした。
細かい部分部分まで様々な事を感じるドキュメンタリーです。未見の方はぜひご覧になって頂きたいです。
特典映像は「Wings of Wax」とCar Men / Bella Figura / Birth-Dayのトレーラー。「Wings of Wax」は、上から逆さにつり下がった木とその周囲をぐるぐる回るスポットライトが「パーフェクト・コンセプション」を思い出させて、ちょっと笑いました。でもダンサーたちが踊り初めてしまえば、別の世界。比較的最近の映像でとても綺麗に撮れていますし、作品自体もとても美しいので、半分はこれが目当てで買った私は大満足です。(でもドキュメンタリーも先にwebで見たから未知のものへの期待感がなかっただけで、すごく楽しみにしていたし期待以上の満足を得たのですよ、と一応追記。)
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